笑って感動できる鉄板エンタメ映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
待ちに待った「ハリー・ポッター」魔法ワールドシリーズ最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が4月8日(金)に公開されました。もはや説明するまでもない、「ハリー・ポッター」シリーズのJ.K.ローリングが脚本を手掛けている本作は、まさに親子で観る映画としてイチオシの鉄板エンタメ映画となっています。
ファミリー映画として一番のおすすめポイントは、エディ・レッドメイン演じる主人公のニュートと個性豊かな魔法動物たち。周りの期待を一気に背負ってしまう熱血ヒーローとは程遠いですが、ちょっと頼りなくて抜けているけど実に誠実で、常に世のため人のために勇気をふりしぼって行動していくニュートは、まさに今、世界的にも求められている真のヒーローではないかと。
個性豊かな魔法動物たちも、「ポケモン」なみにバラエティーにあふれていて、それぞれが愛らしくておちゃめ。ニュートと絡むと、これまたキャラクターの魅力が倍増します(時には、いろんなことをやらかしちゃいますが)。今回もニューフェイスが登場するのでお楽しみに。
ダンブルドア先生の若き日の過ちとは?
本作のキーパーソンは、「ハリー・ポッター」シリーズでもおなじみである、のちにホグワーツの校長となるダンブルドア(ジュード・ロウ)です。ご存知、博識ながらもユーモラスで、懐の深い人格者という印象を受けますが、そんな彼の青春期をさかのぼると、驚くべき“事件”が!
実は、ダンブルドアは、“黒い魔法使い”グリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)と深い絆で結ばれていたようですが、なぜ2人が袂(たもと)を分かつことになったのかが、本作でしっかりと描かれていきます。ここでキーワードとなるのが“忠誠心”です。
「ハリー・ポッター」シリーズにおいては、これまでに“忠誠心”というテーマが数多く登場してきました。日本人は“忠義”の精神が大好きなので、そこも魅力の1つだとは思いますが、本作では、自分が忠誠を誓った相手の志が、必ずしも正しいものとは限らないという、ある種の人生における“罠”が描かれます。
若き日の過ちというのは、誰しもが犯しがちで、ダンブルドアでさえもそうだったようです。彼は、“血の誓い”を交わしたグリンデルバルドと決別し、彼と対峙していく決意をしました。そしてダンブルドアは、魔法界と人間界の支配を企むグリンデルバ
いつの時代も、常に正しい道はどれなのかと自分の心に尋ねたうえで、もしも間違いがあったらちゃんとそこを認め、前を向いて一歩を踏み出していくことって大切なことですよね。でも、そんな過去があったからこそ、ダンブルドアは偉大な賢者になっていったのではないかとも思いました。
チーム戦の面白さと最後の結末に思わず拍手!
ダンブルドア率いるニュートやマグルたちと寄せ集めのデコボコチームの奮闘ぶりが愉快な本作。グリンデルバルドが狙うのは、あるものが入ったニュートのトランクなので、相手の目をあざむくために、5つのそっくりな偽トランクを用意し、それらを持って分散するという作戦を取ります。
相手は驚異的な力を誇り、未来が見えるグリンデルバルドですが、やはり「三人寄れば文殊の知恵」と言うように、それぞれが知恵をふりしぼって、敵の攻撃を交わそうと大奮闘。もう観てるほうは、誰が本物のトランクを持っているのかわからないので、終始ドキドキハラハラです。
ネタバレは避けますが、ニュートがもう万事休すか!と思われるシーンがあるんです。ところが、ここからまさかの爆笑コメディシーンが展開。個人的にはニュートのハイライトの名シーンですので、ご注目。
そして最後の最後には、愛と希望に満ちたフィナーレが待ち受けています。しかも今回は非常にファンタスティックで美しいシーンになっておりますので、大いに期待してください。ちなみにちょうど本日4月8日に、前作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が、日本テレビ系列「金曜ロードショー」で放送されるので、前作を復習してからごらんいただけると、さらに数倍楽しめると思います!
文/山崎伸子
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』は4月8日(金)より全国公開中
監督:デイビッド・イェーツ 脚本:J.K.ローリング(「ハリー・ポッター」シリーズ著者)出演:エディ・レッドメイン、ジュード・ロウ、エズラ・ミラー、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、カラム・ターナー、ジェシカ・ウィリアムズ、キャサリン・ウォーターストン、マッツ・ミケルセン…ほか 公式HP:fantasticbeasts.jp