小学3年生以上になると素朴な疑問が芽生えたり、身の回りにある不思議な変化に心惹かれるように。そんな子達の自由研究には実験がぴったり。今回は、家にある材料で作れたり、100均やドラッグストアですぐに手に入る材料で作れるものや、1日でできる簡単な自由研究などをご紹介します。
3年生におすすめの簡単な実験
興味や関心は人一倍ありながらも、まだまだ本格的な実験をするのは難しい3年生では、工程が細かいと面倒になってしまうので、さっとできる気軽な実験がオススメ。知っておくと便利だったり、楽しいものをご紹介します。
表面張力の実験
コップの水があふれそうであふれない。どこまでできるのか限界を試す実験です。
用意するもの
- ・グラス
- ・ビー玉
- ・水
実験方法
①グラスいっぱいに水を入れます。
②ビー玉を一個ずつグラスに入れます。
③グラスから水が盛り上がっているのを観察。
④グラスから水がこぼれるまでビー玉を入れて、いくつまで入れられたかの記録をつけて完成。
注意点
水で濡れてもいい場所で実験しましょう。
まとめ方のコツ
表面に水が張っている状態を真横から写真を撮ります。
水分子がくっつき合うという表面張力の理由を、図鑑やネットで調べて最後にまとめましょう。
100均でできる色の分析
カラフルで見た目にも楽しい実験です。
用意するもの
- ・コーフィーフィルター
- ・数色の水性サインペン
- ・霧吹き
- ・水
実験方法
①コーヒーフィルターにサインペンの先端で色をちょっとつけます。
②インクの上に霧吹きで水を吹き付け、しばらくそのままにしておきます。
③水で吹き付けたインクがいくつかの色に分かれていくので、写真を撮り記録します。
注意点
サインペンがついても大丈夫な服でやりましょう。
まとめ方のコツ
なぜ、1色の色ペンから、たくさんの色が現れたのか。インクはさまざまなインクを混ぜ合わせて作っていることが分かるので、他の色や絵の具でも試してみましょう。
10円玉をピカピカにする方法
古い年代の10円玉はツヤがなく、濁った色になったものがほとんど。新品同様の硬貨に戻してあげましょう。
用意するもの
- ・家庭にある調味料など数種類
(しょうゆ、ソース、酢、梅干し、めんつゆ、ドレッシング、牛乳、ラー油、食塩水など) - ・十円玉を浸す容器、洗剤、汚れた十円玉数枚
実験方法
①まず、10円玉を洗剤で洗ってみる。洗ってもきれいにならないことが分かるので実験スタート。
②容器に10円玉を入れ、液体をそれぞれかけ、1時間放置。
③1時間後、10円玉を取り出し拭いたら、それぞれの色の変化を観察します。
まとめ方のコツ
振りかけた調味料名と合わせて、それぞれの写真を撮り用紙にまとめます。図鑑などでそれぞれどんな化学変化が起きたのか調べられると広がりがあっていいですね。
ゆで卵の固さ実験
中身の見えないゆで卵はどのくらいの時間で固まるのか。料理体験にもなる実験です。
用意するもの
- ・卵4つ
- ・塩小さじ1杯
- ・鍋、おたま、ボウル、まな板、包丁、
- ・時計
- ・油性ペン
実験方法
①それぞれの卵に、油性ペンで5、8、10、15とゆで時間を書く。
②鍋に卵を入れて、卵がかぶるくらいの水、塩を入れて中火にかける。
③沸騰したら弱火にして、タイマーで時間をはかりはじめます。
④よく冷ましたら殻をむきます。
⑤それぞれの卵を真ん中で切ってみて、ゆで具合を比べ写真を撮りましょう。
注意点
コンロや熱湯を使うので、必ず大人と一緒に作業しましょう。
まとめ方のコツ
何気なく食べているゆで卵。いつもおいしい固さになっているけれども、それはママ・パパがちょうどよくゆでてくれているからこそ。その固さを探りたい、という導入から始め、結果を分かりやすく見せるようにしましょう。
4年生におすすめの簡単な実験
4年生になると、自分が知っていることを、周りにちょっと自慢したくなるような気持ちが芽生えてきます。あまりみんながやることがなさそうな実験を一緒に探してあげましょう。
ペットボトルで雲作り
雲ってどんな感じだろう…一度は抱く疑問を手元で見てみましょう。
用意するもの
- ・線香
- ・マッチ
- ・お湯(50℃〜60℃)
- ・ 炭酸用のペットボトル(1.5リットル)
実験方法
①ペットボトルに底から1cm程度のところまでお湯を入れます。
②ペットボトルに、線香の煙を5秒間くらい入れてしっかりとふたをします。
③ペットボトルを両手で、力いっぱいにつぶすと中が透明になります。
④両手の力を急に離すと、中が白くなり白い雲が発生します。
注意点
線香を扱う時には大人と一緒にやりましょう。
まとめ方のコツ
ペットボトルを急に押して戻すと、中の空気が少し冷え、水蒸気も冷えて水になります。すると、線香のけむりが中心に集まって水のつぶになり、雲ができあがるのです。4年生の授業で水の変化については学ぶので細かい理論は簡単に説明してもOK。
スライム作り
一度は遊んだことがあったり、ゲームでよく聞くあのスライムが自分で作れます。
用意するもの
- ・PVA洗濯のり50ml
- ・ホウ砂10g
- ・カップ2個
- ・割り箸
- ・お湯100ml(ホウ砂用)、お湯50ml(洗濯のり用)
実験方法
①カップ1個に、お湯とPVA洗濯のりを入れて割り箸で混ぜる。
②もう1個のカップに、お湯とホウ砂を入れて割り箸で混ぜる。
③洗濯糊の入ったカップに、ホウ砂の入った水溶液を少しずつ加え、カップ1個に、お湯とPVA洗濯のりを入れて割り箸で混ぜる。
④もう1つのカップにお湯とホウ砂を入れて割り箸で混ぜる。好みのネバネバになったらスライムの完成!
注意点
- 粉類がこぼれても大丈夫な場所で実験しましょう。
- 口に入れないようにしましょう。
まとめ方のコツ
少しずつ入れる時に分量を測ることで、どのくらい入れた時にスライム状になったのかをまとめましょう。また、食紅を入れることでさまざまな色のスライムが作れるので、トライすればさらに実験の幅が広がります。
石鹸をレンジでチンする
なかなか想像のしにくい実験ですが、その変化にはびっくりのはず。
用意するもの
- ・固形石鹸(小さめにカット)
- ・電子レンジ
- ・耐熱皿
実験方法
- ①固形石鹸を耐熱皿に置く。
- ②電子レンジで数十秒ごとに区切って加熱。
- ③熱で石鹸が膨らむ様子を観察する。
注意点
時間を過ごしずつ区切りながら観察するようにしましょう。
まとめ方のコツ
時間ごとに膨らむ様子を写真で撮り、まとめます。石鹸の内部の水分が加熱され膨らむので、電子レンジの温めの構造と合わせてまとめられるといいですね。
氷のでき方の観察
猛暑の季節に欠かせない氷。そんな氷について調べてみましょう。
用意するもの
- ・透明なプラスチックのコップ5個
- ・色の鮮やかなジュース
実験方法
①プラスチックのコップにそれぞれ1/3くらいづつ、同じ量の水を入れて冷凍庫に入れます。
②外側が凍り出したら、時間差でひとつずつ手や紙の上にそっと取り出します。
③4段階くらいに分けてそれぞれ取り出し、溶けないうちに写真を撮ります。
④最後の氷の周りが全部凍ったら、取り出します。
⑤上に穴を開けて水を出し、ジュースを注ぎます。真ん中にジュースが残ったら実験成功。
注意点
取り出した氷はすぐに溶け出すので、なるべく早く写真に撮るか、特徴をまとめてあとでイラストで描くなど決めておきましょう。
まとめ方のコツ
凍りだすのはどこからなのか、どのように凍っていくのかをまとめます。また、外側が凍っていても内側が凍っていないことから、氷のコップが作れるかも、などさらにチャレンジしてもよいですね。
5年生におすすめの簡単な実験
身近なものでも実際に試してみると意外な発見がある。そんな自由研究が探究心旺盛な5年生に向いています。
ミクロの世界の観察
単純なようで、観察すると意外なことに気がつける、そんな実験です。
用意するもの
- ・虫メガネ
- ・砂糖
- ・塩
- ・お金
- ・雑誌など
- ・(ルーペ)
実験方法
①虫メガネで観察。倍率の高いレンズの場合は、よく見える位置を探しましょう。
②砂糖や塩を観察。虫メガネにルーペを重ねると倍率を上げることができます。
③お金や雑誌を見てみると、無数の点で表現されていることが分かります。
注意点
虫メガネやルーペで太陽を見るのは絶対にやめましょう。
まとめ方のコツ
塩の結晶や、印刷物の網点など、観察したものを写真で撮ったり、イラストで描きます。そして、それぞれの結果や違いが分かるようにまとめましょう。
パスボム作り
お風呂で楽しめるブクブクする入浴剤が自分で作れちゃいます。
用意するもの
- ・ビニール袋
- ・重曹(粉)
- ・重曹の半量のクエン酸(粉)
- ・重曹の半量の片栗粉
- ・食紅(ごく少量)
- ・アロマオイル
実験方法
①ビニール袋に重曹、クエン酸、片栗粉、食紅を混ぜ合わせます。
②アロマオイルを数滴入れて、水をスプーンや霧吹きで少しずつ足します。
③固められる程度になったら、手で丸めるかお菓子の型などに入れます。
④固まりすぎると型から抜きにくくなるため、30分ほどで様子を見て、型から外した状態で乾かしたら完成。
⑤実際にお風呂に入れてどんな反応が出るか写真を撮りましょう。
注意点
水を入れすぎると作る途中で炭酸が出てしまうため、少しパサパサしている程度がちょうどいい水加減です。
まとめ方のコツ
いつも使っている入浴剤、まだ固まっている状態を触ると手のひらでしゅわしゅわしますよね。そんな疑問を導入にしながら、手軽に手に入る材料で簡単に作れることを紹介します。重曹(炭酸水素ナトリウム)は弱アルカリ性、クエン酸は弱酸性です。 この2つに水が加わることで中和反応が起こり、炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させる、というところまで説明できるとベストですね。
万華鏡
キラキラときれいで何度ものぞきたくなる、そんな万華鏡を手軽に作ってみましょう。
用意するもの
- ・切り開いた牛乳パック
- ・アルミホイル
- ・黒い画用紙
- ・フタ付きの透明カップ
- ・ビーズやホログラム
実験方法
①牛乳パックを三角形の長い筒ができるように折ります。
②アルミホイルを三角形の筒の内側になるように両面テープで貼りつけます。
③筒の片側を、真ん中にはさみなどでのぞき穴を開けた黒い画用紙でふさぎます。
④反対側は透明カップのフタを固定して、カップにビーズやホログラムを入れてフタを閉めたら完成。
注意点
黒い紙に穴を開ける時に、手を傷つけないように注意しましょう。
まとめ方のコツ
まず、材料をすべて写真で紹介。シンプルな材料で光の反射を生かしたきれいな万華鏡が作れることがよく分かるはず。
真空マシュマロ実験
真空状態になるとものの大きさに変化があるのか実験して検証します。
用意するもの
・ポンプ式の真空容器(パン保存用など)
・大き目のマシュマロ
実験方法
①保存容器にマシュマロを入れる。
②蓋をしたら空気を抜いていく。マシュマロが膨らみだすので、何段階かに分けて写真を撮る。
③マシュマロが膨らみきったら空気を抜く。マシュマロがすぐに縮むのを観察する。
注意点
真空容器はポンプ式を選ぶこと。
まとめ方のコツ
飛行機に乗った時に、お菓子の袋がパンパンに膨らんだので、身近な材料で実験することにしたことなどを導入にします。膨らむ前と後とで味の変化があったのか、それ以外に風船などでも試してみるとさらに実験の幅が広がります。
6年生におすすめの簡単な実験
6年生になると、身近なことがらでありながらも、実際に試してみないと予想がつかないものにトライしたいもの。そんな実験をご紹介します。
甘いトマトの見分け方
- ママ・パパにも喜ばれるこの実験。一体どのトマトが甘いの?ということを調べてみます。
用意するもの
- ・プチトマト
- ・砂糖
- ・水
- ・透明な容器
実験方法
①細長い透明な容器に水を入れる。1Lのペットボトルをカットして使うと便利。
②水の中にプチトマトを入れ、砂糖を少しずつ入れて混ぜ、観察します。
③砂糖を増やしていくと、いくつかのトマトが浮かんできます。
④浮かんできた順に並べ、味を調べてみましょう。
注意点
砂糖を一気に入れるとすべて浮かんでしまうので要注意。
まとめ方のコツ
基本的には、沈んだままのトマトが甘いもの。これは「比重」の原理で、密度が高いものほど砂糖と比べて甘い、という理由です。甘いものはサラダに、甘くないものはトマトソースになど、料理への使い分けができることまでまとめると面白そうです。
ろ過実験
自由研究にぜひ取り入れたいのがSDGs。そのひとつ、「すべての人々に管理された安全な水が行き渡るようにすること」を実験のテーマにしてみましょう。
用意するもの
- ・350mlの空のペットボトル2本
- ・砂
- ・小石
- ・活性炭
- ・カット綿
- ・カッター
- ・ビニールテープ
- ・ガーゼ
- ・輪ゴム
- ・泥水
実験方法
①片方のペットボトルの上部と、もう片方のペットボトルの下部をそれぞれカッターで切り取り、テープで切り口を保護します。
②ボトルの注ぎ口にガーゼをかぶせて輪ゴムで止めます。
③ガーゼをかぶせたボトルに、小石→カット綿→活性炭→カット綿→砂の順で敷きつめましょう。活性炭は小石の1.5倍くらいにします。
④受け皿となるペットボトルに重ねます。
⑤上から泥水を流して観察します。
注意点
泥水は一気に流さず、少しずつ流し入れましょう。
まとめ方のコツ
SDGsについて、自分がどんなアクションをしたかったを導入にします。実際に水をきれいにするのは簡単なことではないという実験から、水を大切に使うことを最後にまとめるといいでしょう。
白い花をカラフルに
カーネーションなどの白い花をカラフルに変化させる実験です。
用意するもの
- ・白いカーネーションやバラ、菊など
- ・食紅2色以上
- ・コップ2個
- ・割り箸
実験方法
①コップに食紅をそれぞれ濃く溶いた水を2個用意します。
②茎を2本に割いて、それぞれのコップに入れます。
③花が倒れないように割り箸で花を挟む形で固定します。
③しばらく置いて、花色の変化を調べます。
注意点
食紅が他のところにつかないように、新聞紙を敷いたり汚れても大丈夫なようにしましょう。
まとめ方のコツ
花の色が変わるのは、茎の導管を通って、毛細血管のように広がった花びらに色素が届くから、という原理の説明をしましょう。そのため、茎の長短や、食紅以外の絵の具などによっても同じような変化があるのかなどを調べるとさらに実験の幅が広がりそうですね。
ペットボトルでマヨネーズ作り
水分と油分で分離してしまう?簡単に作れる実験で疑問を解消しましょう。
用意するもの
- ・油(キャノーラ油など) 150cc
・お酢 大さじ1
・卵黄 1個
・塩 小さじ1/4 - ・ペットボトル(炭酸飲料用)
- ・じょうご
実験方法
①卵黄を崩してじょうごでペットボトルに入れます。
②お酢と塩を加えます。
③蓋をしてしっかりと3分ほど混ぜます。
④150ccのお酢を、30ccずつ5回に分けて入れ、入れるたびに振って混ぜ合わせます。
⑤お酢を入れるたびに、中身がもったりと重くなっていきます。
⑥最後のお酢を入れて振ったらマヨネーズの完成です。冷やしてから食べてみましょう。
注意点
材料はすべて常温にしておくのがポイント。卵が冷えていたりするとうまく混ざらないことがあります。
まとめ方のコツ
油と、お酢の水分とでは、ドレッシングのように分離してしまうはずなのに、なぜ分離しないのか?という疑問を提示しましょう。油と水分を混ぜるためには乳化剤が必要。卵黄がその乳化剤の役割をしてくれているのです。原理をまとめたら、市販のものと味比べをして感想などをまとめましょう。
素朴な興味から実験をしてみるのがおすすめ
自由研究はなかなか乗り気にならない子が多いですが、3年生にもなると夏休みには何をやろうかと先を見通せますよね。夏休みに入る前に、ある程度やりたい研究を考えておくのが負担がなくオススメ。そのためには、日頃の素朴な疑問をメモしておいたり、ママ・パパも子どもが興味を持ちそうなものをリサーチしておいてあげるとスムーズに取り組むことができます。ぜひ、実験を楽しんでくださいね。
夏休みの自由研究
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文/松川麗 構成/HugKum編集部