日本一鍋にくわしい”鍋奉行”に聞く「2022年トレンド鍋」3選!市販の〇〇でつくる激ウマ鍋も

鍋ブームの勢いが止まりません。市販されている「鍋つゆ」は1000種類を超え、この数年で倍増の勢いなのだとか。
今回は人気番組「マツコの知らない世界」等にも度々登場、日本一鍋にくわしい【鍋奉行】安井レイコさんに、ことしの鍋トレンド3選と、家族で楽しめる超簡単鍋レシピを伺いました。

6500種類を食べた【鍋奉行】厳選!ことしの鍋トレンド3選

TREND① アフターコロナを目指して明るく!ビタミンをプラス♪

「ことしの鍋トレンドは、ズバリ『柑橘系』! コロナで沈んだ気持ちが明るくなってきて、春もビタミンカラーが流行りました。

市販の『鍋つゆ』にも『レモン鍋』のほか、柚子胡椒やカボスなど『柑橘系』が目立っています」(安井さん)

TREND② 具だくさん「寄せ鍋」はもう古い?少ない食材で時短OK!

「『食材が少ない』という新ジャンルにも、要注目!
鍋って『おかずもつくらなくていいし、お手軽』と思われがちですが、寄せ鍋にすると食材が多くて準備がたいへん!
でも最近の『鍋つゆ』は、例えば『菜の匠』シリーズ(モランボン)なら『白菜鍋用』とか『キノコ鍋用』とか、食材が少ないタイプのものが増えています。このトレンドは世相も反映しています。コロナ禍で毎日、家族が家で食事をするようになって、鍋を食べる機会が増えました。でもいわゆる『寄せ鍋』にしていると具材が毎回同じになっちゃう。
いっぽう、具材が少ない鍋だと『今日は白菜鍋で、明日はキノコ鍋』と小分けにできるから、バリエーションとして持つんです」(安井さん)

TREND③「鍋」は冬限定から、季節を問わないメニューへ進化!

「去年あたりから夏でも、スーパーで『鍋つゆ』売り場を見かけませんか?
コンビニの『おでん』にもいえることなのですが、エアコンで冷えた体に『あったかい食べ物、いいよね』という需要が近年、掘り起こされています。このトレンドには実は、海外の鍋文化も影響しています。中華圏とか韓国とかタイでは季節を問わず『鍋』を食べますから。
例えば台湾のひとり鍋専門店『BOILING POINT』は、ロサンゼルスでヒットして東京に上陸、年末には神戸にもオープン予定だとか。1年中『鍋』を楽しむ食習慣がワールドワイドになって日本にも伝わった、ともいえるのです」(安井さん)

奉行オススメ鍋レシピ【ファミリーフラワー鍋】

では【鍋奉行】安井レイコさんに、親子にオススメ【ファミリーフラワー鍋】レシピをご紹介いただき、我が家の小学3年生の双子と一緒につくってみることにしました。

「食事は、雰囲気が8割! 家族みんなでつくって、大人がおいしそうに食べれば、子どもの食も進みます。食卓を『エンタメ』だと思って、楽しんでくださいね♪」(安井さん)

◆材料(2~3人前)

【鍋つゆ】
料理酒 150ml
水 150ml

【つけだれ】
レモン汁+ナンプラー(お好みで+パクチー)
ヨーグルト+マヨネーズ
コチュジャン+サワークリーム
※すべて等量を混ぜる

【鍋つゆ】と【つけだれ】の材料

【具材】
豚バラしゃぶしゃぶ用肉 200g
スライスチーズ(とろけるタイプではないもの) 3枚
ソーセージ 3本
大根 1/4本
にんじん 1/2本
レタス大 3枚
春菊 3本
しめじ 1/4パック
※鍋の大きさによって、もやしやキャベツなど、底に敷く野菜適量

【鍋奉行】からアドバイス

具材は「子どもが喜ぶもの」に、こだわり過ぎる必要はありません。チーズやソーセージとの併せワザで食べやすくするのも一策ですが、「大人はなんでこんなモノが好きなの?」という未知の味との出会いが、子どもの味覚を広げる「食育」にもなります。

◆作り方

【1】大根、にんじんは、ピーラーで縦長にむき、スライスチーズは2分割して常温に戻し、ソーセージは切込みを入れておく

子どもたちはピーラーを使うところから挑戦!キレイにむくのは難しかったですが頑張りました

※お子さんがピーラーを使う場合には安全に十分ご注意ください。

【2】大根と豚バラ肉を重ねて花のように巻いたもの、にんじんとスライスチーズを重ねて花のように巻いたもの、ソーセージの周りにレタスを花のように巻いたものの3種類をバランスよく並べる

「野菜を見えないようにしたら子どもでも食べやすいよね」「うんうん」と、おしゃべりしながら巻いてます(笑)

【鍋奉行】からアドバイス

土鍋など、底が平らでない鍋の場合には、キャベツやもやしなどで平らにしておくと並べやすいですよ。

【3】隙間に春菊としめじを入れ込む

【ファミリーフラワー鍋】盛り付け完了♪

【4】鍋つゆを入れて、火にかけて煮えたらできあがり

【鍋奉行】からアドバイス

料理酒のアルコールを飛ばすためにも、必ず煮立ててくださいね。

タレが決め手!【激ウマ手作りタレ】で今冬らしく

「『鍋つゆ』はあっさりシンプルにして、『つけだれ』で今年らしさを演出しましょう。

『レモン汁+ナンプラー』で『柑橘系+アジアンテイスト』に。お好みでパクチーをのせても、締めの麺にフォーを入れてもいいですね。
併せてご提案した『ヨーグルト+マヨネーズ』や『コチュジャン+サワークリーム』は、どちらも味が濃い目ですが、お子さんが香りの強い春菊などの野菜を食べやすくなりますよ」(安井さん)

①「レモン汁+ナンプラー」
②「ヨーグルト+マヨネーズ」
③「コチュジャン+サワークリーム」

我が家では大人が「レモン汁+ナンプラー」(画像①)、マヨラーっ子が「ヨーグルト+マヨネーズ」(画像②)、キムチ好きっ子が「コチュジャン+サワークリーム」(画像③)推しに。

料理酒だけで【激ウマ鍋つゆ】!アレルギーにも配慮

「料理酒ってすごーくうまみが強いので、水と1対1にするだけで『鍋つゆ』に大変身!
普段は使うにしても大さじ1とか少量だから、どうしても余りがち。塩分があるのでワインや清酒みたいに『残ったから飲んじゃお』もできないし(笑)。

実は私は子どもがアトピーで、産後にアレルギー料理教室へ通ったのが料理研究家になるきっかけでした。市販の『鍋つゆ』は便利でおいしいのですが、ベースにアレルゲンが含まれていることが少なくありません。この『鍋つゆ』なら料理酒が大丈夫であれば、あとは具材やタレでアレンジできます。よかったら試してみてくださいね」(安井さん)

日本の「鍋」の魅力を世界に発信!奉行が鍋を推す理由

ところで安井レイコさんは「日本鍋文化研究所名誉鍋奉行」として、日本の鍋料理の紹介を続けています。なぜこれほどまでに「鍋」を推すのでしょうか。

安井さんはもともと環境庁(現在の環境省)等と連携して“うちエコ!ごはん”という「家庭からエコを推進する活動」をしていました。そこで「最もエコロジーな食は何か」と突き詰めているうちに、たどり着いたのが「鍋」だったとか。

鍋は、卓上コンロなどで火を使うので暖房要らずで、みんながひとつの部屋に集まるため、家じゅうの暖房をオフにできる。しかも、ほかの料理なら捨ててしまうような部分も具材として活かせるうえ、最後の一滴まで食べられるので食品ロスも少ない。とりわけ日本の鍋はヘルシーでつくり方も簡単で、具材もその土地や宗教に合わせたものを使えば、世界中どこでも誰でも楽しむことができる。

安井さんは「日本の『鍋』は、地球全体で取り組める“エコごはん”なのです!」と、熱く語ってくださいました。

「それに、鍋を囲んでケンカする人ってあんまりいないでしょ?『家族や仲間が仲良くする』って、地球のために私たちができることの第一歩なのではないでしょうか」(安井さん)

*  *  *

プロの【鍋奉行】安井レイコさんに訊いた、今冬の鍋トレンドと絶品レシピ、そして鍋にまつわる “エコ”のお話、いかがでしたか。【フラワーファミリー鍋】にも、ぜひご家族でチャレンジしてみてくださいね!

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取材協力

安井 レイコ(やすい れいこ)
料理研究家。「簡単、キレイに健康に!」をモットーとして、トークショー、テレビ、CM、ブログなどで活躍中。食から地球環境を考える団体「うちエコ!ごはん」代表、NPO法人みんなのエコイク推進協会会長も務め、「人生100年時代」に向けた、食を含むライフスタイルの提案も行っている。著書に『奉行イチオシ! 安井レイコの進化鍋』(タツミムック)。

取材・文/ちかぞう

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