福井県の町家風おしゃれ冷食惣菜店に聞く「クリスマスディナーを冷凍食品で充実させる」簡単方法。コツは小さくいっぱい並べる?

クリスマスディナーのサイドメニューを小さくたくさん並べて、テーブルを華やかに演出する方法を、冷凍食品の専門家に学びました。ポイントは「一からつくると手間の掛かる料理を冷凍食品で調達しアレンジの部分を頑張る」です。

クリスマスが近付いてきましたね。今年は土日に当日がやってきます。家族全員で祝う予定の人も多いのではないでしょうか。ただ、家庭内の料理担当の人からすれば、大勢で祝うパーティーの準備はもう大変。

そこで今回は、福井県越前市京町にある冷食惣菜(フローズンフード)専門店・京町リパブリックの店長・髙橋淳子さんとスタッフの林久美子さんに、身近な冷凍食品を使った、家族参加型のクリスマスディナーづくりのアイデアを教えてもらいました。

福井県越前市京町にある京町リパブリックの店内。築90年以上の元酒屋をリノベーションした。店内には、冷凍食品を陳列するショーケースが配置され、北陸のお店が製造する冷凍食品を50種類ほどが並ぶ。生産・製造者の顔が見える無添加食品などがメイン。

小さいサイドメニューをいっぱい並べる

コロッケ、ハンバーグ、エビフライなど、定番の冷凍食品を使ったサイドメニューづくりを今回は教えてもらった

技術の発達と共に現在、さまざまなバリエーションの冷凍食品が世の中に出回っています。

その中で、高橋さん・林さんが今回提案してくれた、冷凍食品を使ったクリスマスディナーのアイデアは、サイドメニューの品数を冷凍食品で増やすといった内容でした。

「煮込み料理などのメインディッシュはやはり、クリスマスですし、自分でつくりたいという考えもあると思います。

とはいえ、メインディッシュだけ並べても、クリスマスのディナーとして考えると、テーブルの上はちょっと寂しい感じがするはずです。

そこで、サイドメニューを冷凍食品を使って手軽に増やし『小さくいっぱい並べる』を意識すると楽しいと思います」(髙橋さん)

 

小さくいっぱい並べる際に重宝する冷凍ハンバーグ。写真の商品は、有限会社中谷肉店(石川県金沢市)の『冷凍 ミニデミハンバーグ』

では、具体的に、どのようなアイデアがあるのでしょうか。

「うちのお店でも他のお店にも、どこにでもあるような冷凍食品を使ったアイデアを提案したいと思います。

例えば、お弁当用の冷凍ハンバーグをパンで挟み、ミニハンバーガーをつくるなどはいかがでしょうか。

パンは市販で構いません。食パンをカットしてもいいですし、赤ちゃん用の小さい丸いパンもそのままバンズになってくれます」(髙橋さん)

 

写真提供:京町リパブリック

「他にも、つくねを焼いてカラフルなソースを添えてみる、冷凍コロッケやエビフライに顔を付けるなども考えられます。

これらに共通した考え方としては、ハンバーグ、つくね、コロッケなど、一からつくると手間が掛かる料理を冷凍食品で調達し、アレンジの部分を頑張るが挙げられます。

さらに、お子さんや家族に手伝ってもらうと楽しい思い出になるのではないでしょうか。その分だけ、料理をメインで担当する人の負担も軽くなります」(髙橋さん)

 

顔をつくる材料としては、チーズとのりなどが便利だという 写真提供:京町リパブリック

冷凍食品の活用で短縮できた時間と手間を、盛り付けや食材の飾り切りなどに費やすのですね。この考え方は、サイドメニューだけでなくメインディッシュを用意する際にも応用できます。

「例えば、メインの1つにピザを用意するにしても、一からつくると大変です。

今では、おいしくて添加物も少ない冷凍ピザがたくさん売っていますので、ピザを扇型にカットして、三角形の頂点を同じ方向にそろえて重ねるだけでもクリスマスツリーに見えます。

単純に、カットしたピザに竹串を刺しても、クリスマスツリーのようになります。

こちらもやはり、負担の掛かる部分は冷凍食品で調達して、飾りの部分は家族に任せると、キッチンに一緒に立つ準備の時間も思い出深くなるのではないでしょうか」(林さん)

 

手間の掛かる調理プロセスを冷凍食品の活用で一気にスキップし、家族に飾りを担当させつつ、華やかさを演出して小さくたくさん並べると、クリスマスのディナーを効率的に用意できる、現実的な提案ですよね。

串に刺さった状態のつくねは、同じ種類のたれを掛けて終わりではなく、1本ずつ異なる種類のたれ(タルタルソースやケチャップなど)を掛けるだけでも華やかに盛り付けられるそう。

『今日はいいか』と手を抜きたくなる日に上質な冷凍食品を

小さくいっぱい並べるというアイデアを中心に、冷凍食品の活用方法を聞けば、次から次へとよどみなく教えてくれる髙橋さんと林さん。お二人が店長・スタッフとしてかかわる京町リパブリックとは、どういったお店なのでしょうか。

「もともとは、地域に暮らすママさんたちを健康的で上質な冷凍食品でサポートしたいとの思いから始まりました。

北陸は、共働き世帯が多い地域です。毎日、ご飯を担当する人からすれば『今日はいいか』と手を抜きたくなる日もあるはずです。

だからといって、体に悪い食べ物は家族に食べさせたくないですし、あからさまに手を抜いたとも家族に思われたくないはずです。

そこで、全国的に流通している大手食品メーカーの冷凍食品ではなく、北陸にあるレストランなど個人のお店が自前で製造している冷凍商品を販売させてもらっています。

ちょっと割高だけれど、添加物もなく安心して食べられる上質な国産の冷凍食品を提案して、ワンランクアップの食事を気軽に楽しんでもらえればとお店をつくりました」(髙橋さん)

 

お店の近所にある武生中央公園の一角。広い敷地内にさまざまな遊具があり、スターバックス コーヒーなどの店舗も出店している

京町リパブリックの近くには、福井県でも屈指の集客力を誇る武生中央公園があります。ファミリー層に大人気の公園の近所にある古い建物をリノベーションしてお店を構えた同店には、子育て中の方も多く来店してくれるそう。

お店の周辺には国分寺や引接寺、総社大神宮などの寺社も建ち並び、歴史あるまちが広がっている。

また、歴史ある土地柄もあって年配の人が近所には大勢暮らしており、そうした年齢層高めの人たちもたくさん来店し、買い物を楽しんでくれるそうです。

「店名の『リパブリック』には『みんなで一緒につくりあげていく』といった思いが込められています。

シェアキッチンをゆくゆくは店内につくる予定ですし、建物の奥にある空間では一棟貸しのゲストハウスをやろうと準備しています。

この辺りは、空き家の問題もありますので、今後は、もっと冷凍食品を充実させつつ、サービスを拡大させながら、いろいろな世代・立場の人の思いを積み重ねて、地域のにぎわいづくりにも貢献できればと思います」(髙橋さん)

 

シェアキッチンとして予定しているスペース。女性の多い職場だけあって、店内の飾りつけも華やか。

店内で働くスタッフは皆さん女性で、子育て中のママさんも多いとのこと。働くママの大変さを身をもって知ったスタッフが活躍する冷凍食品の専門店。

インターネットでも一部の商品が注文できますので(執筆現在はギフト配送のみ)、ぜひチェックしてみてくださいね。

【取材協力】

京町リパブリック・・・福井県越前市京町にある県内初の冷食惣菜(フローズンフード)専門店。越前市内にある中小企業診断士の事務所・廣瀬企業診断合同会社が運営する。クリスマスディナーのギフト配送も受け付けている。

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取材・文・写真/坂本正敬

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