通常、なすの保存期間はどれくらい?
なすの旬は、6月から9月が一般的です。夏野菜と思われがちですが、秋なすでも有名ですよね。
あまり日持ちがしないイメージですが、冷蔵庫の野菜室で保存した場合は1週間ぐらいが目安になります。
なすを長持ちさせるポイント
なすの弱点は、寒さに敏感なこと。5℃以下で冷蔵保存すると低温障害になりやすいため、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめ。
乾燥にも弱いため、直接冷気にあたらない工夫も大切です。
なすは常温で保存してもいい?
なすは、水分が多い野菜なので、基本的に常温は不向きです。すぐに皮が乾燥して変色してしまい、中もカスカスの状態に。あっという間に種が増えてくるため食味もよくありません。常温なら、買ってきた日に食べてしまいましょう。
なすを冷蔵保存するやり方
なすは、「寒さ」と「乾燥」に弱いのが特徴です。冷蔵なら温度が一定管理された野菜室がベスト!
詳しい保存方法をチェックしていきましょう。
やり方
低温障害にならないように、1本ずつラップかキッチンペーパーなどに包んでからポリ袋に入れます。軽く口を閉じて野菜室で保存してください。
冷蔵保存の期間
野菜室での冷蔵保存の目安は、1週間程度です。
切ったなすが残ってしまったとき
なすは、アクがあるため切ったところから褐変しやすい野菜です。通常なら、1本使い切りたいところですが万が一、半分だけ残った場合の保存テクをご紹介します。
ポイントは、できるだけ“空気にふれさせないこと”。切った断面から酸化が進むため、すぐにラップで包んでからセロテープでぴっちりと密着させましょう(特にラップでも粘着付与剤などを使っていないポリエチレン素材のものは、密着度が少ないためセロテープでぐるぐる巻きにするのがおすすめ)。
写真は、あえて半分に切ってラップ+セロテープで密着させてから冷蔵保存したなす。5日間ほど経過観察してみました。
5日ほど冷蔵庫に保存しながら経過観察してみましたが、うっすらと表面が褐変した程度でした。
さらに半分に切ってみると中は白いまんま。これには驚き! 保存状態によって、酸化をある程度防止できるのがわかる実験でした。
傷みやすいイメージのなすですが、保存法さえ守れば割と冷蔵庫でも持つことが判明しました。
なすを冷凍保存するやり方
なすは、冷凍保存ができます。硬い表皮に守られているため冷凍による劣化が少ないのも嬉しいポイント。しかも、生のまま丸ごと冷凍することもできる便利な野菜なんです!
やり方
生で丸ごと冷凍する場合は、水洗いをしてから水けをしっかりと拭き、冷凍用保存袋に入れるだけ。個別にラップで包む必要もありません。
切ってから冷凍保存する場合は、あく抜きをしてから水けを拭いて同じく冷凍用保存袋に入れましょう。他に、焼いてから冷凍保存することもできます。この場合は、粗熱がとれてから保存袋に入れましょう。生でも焼いても切ったなすは、ラップで小分けにするとラク。保存袋に入れる時も少量だけ使いたい時も手軽です。
冷凍保存の期間
冷凍保存で3~4週間は、美味しく食べることができます。
解凍後の調理法
生のまま冷凍したなすは、凍ったまま調理ができます。丸ごと冷凍保存したなすは、少し表面がやわらかくなってきてから食べやすい大きさにカットして調理しましょう。
加熱してから保存したなすは、お味噌汁の具などにもピッタリ! 一度、焼いてあるので香ばしさも引き立ちます。
冷蔵保存もいいですが、もし大量に手に入った場合は、新鮮なうちに冷凍保存してしまうのも賢い保存法ですね。
撮影・文/川越光笑(たべごとライター・発酵食スペシャリスト)
なすを使ったおすすめレシピ
【1】さばとなすの黒酢炒め
黒酢でパンチを効かせた甘酸っぱいしょうゆ味がさばにピッタリ!中華味で子どもたちにも大人気メニュー。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
さば(半身) 2枚
なす 2本
エリンギ 1パック
玉ねぎ 1/2個
【A】
黒酢 大さじ3
しょうゆ 大さじ1と1/2
砂糖 大さじ1
【B】
水 大さじ1
片栗粉 大さじ1/2
サラダ油 大さじ1
◆作り方
【1】さばは3cm幅に斜めそぎ切りにし、なすは縦半分にして斜め薄切りにする。エリンギは3cm幅に切り、玉ねぎは薄切りにする。
【2】フライパンにサラダ油を熱して、なす、エリンギ、玉ねぎを炒め、しんなりしたら、さばを皮を下にして入れて焼く。
【3】【2】に混ぜ合わせた【A】を加えてサッと混ぜ、煮立ったら混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」やイタリアにて料理を学び、OLから料理研究家に転身。現在、「料理教室Assiette de KINU」を主宰。男の子のママ。
『めばえ』2014年11月号
【2】夏野菜のラタトゥイユ
煮込まなくても短時間で本格的な味に。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
【A】
玉ねぎ 1/2個(100g)
ズッキーニ 1本(100g)
なす 1本(100g)
小松菜 1/3束(100g)
赤ピーマン 1個(100g)
にんじん 1/2本(50g)
トマト 1個(150g)
ローリエ 1枚
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
オリーブ油 大さじ3
◆作り方
【1】【A】は食べやすい大きさに切る。
【2】耐熱ボウルに【1】とローリエを入れ、塩・こしょうをふり、オリーブ油をかける。
【3】クッキングシートをかぶせて小皿をのせ、両端を5mmずつあけてラップをかけ、電子レンジで12分加熱する。取り出して全体を混ぜる。
*電子レンジの加熱時間は、600Wの場合です。500Wの場合は2割増、700Wの場合は2割減にしてください。
◆ポイント
■落としぶたをする
クッキングシートと小皿で落としぶたをし、水蒸気を効率よく回すようにすると、短時間でしっとりと仕上がる。
教えてくれたのは
村上祥子さん
福岡在住。国内外を飛行機で飛びまわる「空飛ぶ料理研究家」。電子レンジ料理のエキスパートであっと驚く独自のワザを次々に開発中。
『ベビーブック』2011年7月号
【3】秋なすのナポリタンライス丼
子どもが大好きなナポリタンを、ご飯の上にのせちゃいます!季節の野菜をたっぷり加えて、この一皿で栄養価もバッチリです!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
なす 2本
玉ねぎ 1/2個
ソーセージ 4本
ピーマン 2個
トマト 1個(150g)
にんにく(みじん切り) 1/2片分
塩・こしょう 各少々
バター 15g
【A】
トマトケチャップ 大さじ5
ウスターソース 大さじ1/2
水 大さじ2
ご飯 茶碗3杯
スライスチーズ 2枚
◆作り方
【1】なすは1cm厚さのいちょう切り、玉ねぎは縦3等分にして横1cm幅に切る。ソーセージは小口切り、ピーマンは輪切り、トマトは1.5cm角に切る。【A】を混ぜ合わせておく。
【2】フライパンにバターを中火で溶かし、にんにくを入れ、香りが立ったら玉ねぎ、なすを加えて炒める。しんなりしたら、ソーセージ、ピーマン、トマトを加えてサッと炒め、【A】を加え混ぜる。
【3】器にご飯を盛り、【2】をのせ、小さく切るか型で抜いたチーズを散らす。
教えてくれたのは
市瀬悦子さん
フードコーディネーター、料理研究家。「おいしくて、作りや すい家庭料理」をテーマに、書籍、雑誌、テレビなどで活躍中。
『ベビーブック』2016年10月号
【4】なすと厚揚げの煮物
なす、厚揚げは短時間でもたっぷりと煮汁を吸ってうま味たっぷりの一品に。心強い副菜になりますね。
◆材料
(大人2人分+子ども1人分)
【1】なす3本は縦半分に切り、皮に切り目を入れて一口大に切る。厚揚げ小2枚といんげん8本は食べやすい大きさに切る。
【2】鍋に和風だし1/2 カップ、みりん大さじ2、しょうゆ大さじ1、塩少々、しょうが汁小さじ1を 入れ、【1】を加えて火にかけ、煮立ったら蓋をして弱めの中火で6分煮る。
◆ポイント
水に浸けておくだけで みそ汁にも何にでも!「和風万能だし」の作り方。
■材料(1リットル分)
昆布 3cm角×2枚(約5g)
煮干し 5?6尾(正味約5g)
かつお節 5g
【1】煮干しは頭と内臓を取り除く。 かつお節は市販のだしパック に入れる。
【2】【1】と昆布を容器に入れ、水1リットルを注ぐ。
※ だしをとった後の出し殻は、水3カップとともに鍋に入れて火にかけ、煮立ってから3分ほど煮出すと二番だしが取れます。
教えてくれたのは
石澤清美さん
料理研究家。国際中医師・国際中医薬 膳師。食養生やハーブなどの専門家でもあり、体にいいものを簡単においしく作れるレシピが人気。
『ベビーブック』2017年6月号
【5】ナスのコンポート
十分に冷やして食べるとおいしさ倍増。冷たいのに甘いナスはクセになるおいしさ。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ナス 2本
【A】
砂糖 20g
水 80ml
レモン汁 大さじ1
◆作り方
【1】ナスはガクの周囲に切れ目を入れて、さらに数か所、縦長の浅い切り目を入れて焼く。
魚焼きグリル:両面焼きタイプは10分~15分。片面焼きタイプは中火で表裏各5~8分。
オーブン:予熱後、200度で約20~30分。
フライパン:予熱後、フタをして中火で5~10分蒸し焼き。こげ目がついたら、転がしながら全体に焼き色をつける。
オーブントースター:900Wの場合、予熱後、8分~13分。
【2】粗熱が取れたら皮をむき、1.5cm厚さの輪切りにする。
【3】フライパンか鍋に【A】を入れて、砂糖が溶けるまで火にかける。
【4】保存容器に【2】を並べ、【3】を注いで冷蔵庫で冷やす。
※時間は目安。材料の大きさや調理器具によって、様子を見ながら加減してください。
教えてくれたのは
小山有希さん
料理研究家。元日本料理屋の両親、蕎麦屋の祖父母、元和菓子屋経営の義祖父母を持つ、食業界のサラブレッド。おいしく食べて健康に近づける「医食同源」をモットーとしたレシピに定評がある。1男1女の母。
『めばえ』2016年7月号
【6】ナスの手毬寿司
かわいくて、おいしくて、食べやすさも抜群!
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
ナス 2本
菜種油 大さじ2強
炊き立てのご飯 1合分
【寿司酢】
酢 大さじ3
てんさい糖 大さじ1
塩 小さじ1/2
【A】
しょう油 大さじ1
みりん 大さじ1
水 大さじ1
くず粉 小さじ1/3
青じそ 2枚
◆作り方
【1】フライパンに菜種油を熱し、1cm幅の輪切りにしたナスを並べ、適度に焦げ目がつくまで焼く。
【2】ご飯に寿司酢を混ぜ合わせ、8等分して丸める。
【3】ラップ(25cm×25cm)の真ん中に【1】をおき、【2】をのせて包み、茶巾絞りのようにねじって、手毬寿司にする。
【4】小鍋に【A】を入れ、混ぜながらとろみがつくまで加熱し、タレを作る。【3】のラップを外して器に並べ、タレをかけ、青じそのせん切りをのせる。
教えてくれたのは
カノウユミコさん
野菜料理研究家。鳥取県の専業農家に生まれ、生来の野菜好き。高校時代から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理・精進料理を研究。現在は鳥取に住み、自ら野菜を自然栽培。東京でも毎月、野菜料理教室を開催している。
『めばえ』2017年7月号
構成/HugKum編集部