活用の連体形と連用形について解説。見分けるポイントや例文も【子どもに訊かれたら答えられますか?】

動詞などの言葉が、その後に続く言葉によって変化することを「活用」といいます。6つある活用形の中でも、特に見分けにくいといわれているのが連体形と連用形です。連体形と連用形の特徴や、違いを見極めるときにチェックしたいポイントを解説します。

活用形の種類である連体形と連用形

連体形と連用形とは、用言(動詞・形容詞・形容動詞)の活用形(全6種類)の一種です。そのなかでも間違いやすいとされる、連体形と連用形について解説します。

そもそも活用形とは

「行った」「行かない」などのように、前後の文脈によって言葉の語尾が変化することを活用といいます。動詞や形容詞など、活用がある言葉を用言というのが特徴です。

用言とは、活用する品詞である動詞・形容詞・形容動詞を指す。言い換えれば、この3つの品詞は文脈によって形を変える(活用する)。
用言とは、活用する品詞である動詞・形容詞・形容動詞を指す。言い換えれば、この3つの品詞は文脈によって形を変える(活用する)。

活用には全部で6つの種類があり、それぞれ未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形と呼びます。活用形とは、これら6種の変化系を総称したものです。

活用には、動詞型・形容詞型・形容動詞型の3種類があり、これを活用の型といいます。それぞれ変化の仕方が微妙に異なるので、個別のパターンを覚えておきましょう。

連体形とは

名詞や代名詞など、活用しない言葉のことを体言といいます。連体形とは「体言に連なる形」を意味しており、用言の後に体言が続くときに使われるのがポイントです。

具体的な例としては、用言の後ろに「こと」「とき」などが続くときに連体形が使われます。動詞の「食べる」であれば「食べるとき」、「言う」であれば「言うとき」が連体形です。

形容詞の場合は「大きい山」「青い鳥」など、形容動詞の場合は「きれいな花」「親切な人」など、名詞を修飾する形が連体形になるのです。

連用形とは

体言が後に続く形を連体形と呼ぶのに対して、連用形は「用言に連なる形」を意味しています。

動詞の連用形は、「~ます」「~た」などの言葉に接続するときに使われます。動詞の「食べる」は「食べます」「食べた」、「言う」は「言います」「言った」のように活用するのが特徴です。

「言った」のように、「う」が「っ」に変化することを促音便と呼びます。連体形に比べて、動詞の語尾の部分が違う音になるケースが多いのも、連用形と判断するポイントです。

連体形と連用形の見分け方

連体形と連用形の違いを見分けるのが難しいと感じる人も多いようです。どちらの活用形なのかを判断するポイントを見ていきましょう。

上は動詞の活用パターンのひとつである「カ行五段活用」の場合。動詞にはこの「五段活用」のほか「上一段活用」「下一段活用」「サ行変格活用」「カ行変格活用」の5種類がある。
上は動詞の活用パターンのひとつである「カ行五段活用」の場合。すべての動詞は、上の「五段活用」のほか「上一段活用」「下一段活用」「サ行変格活用」「カ行変格活用」のどれかに分類される。

後に続く言葉で見分ける

連体形か連用形かを判断するときには、後にくる言葉が体言か用言かを確かめるのが重要です。連体形の後には必ず体言が続くので、動詞や形容詞、形容動詞の後に名詞が置かれることになります。

「歩く人」「走る車」のように、名詞が後ろに続く場合は連体形だと見分けることが可能です。「~ので」「~のに」なども名詞に含まれるため、注意しましょう。

「歩いて」「走ります」のように、「~て」「~ます」が後ろに来るのは連用形です。「走った」「歩いた」など、「~た」という形も連用形になります。

その他の活用形の後に続く言葉もチェック

活用形には、連体形と連用形以外にも未然形・終止形・仮定形・命令形の4種類があります。命令形は文字通り命令する形なので、「歩け」「走れ」と言い切るのが特徴です。

未然形とは「未だ然らず」という意味で、まだそうではない状態を表します。「歩かない」「歩こう」のように、「~ない」「~う」と続くのが未然形です。

もしこうだったらと仮定する仮定形は、「歩けば」「走れば」など動詞の後に「~ば」が続きます。「歩く。」のように文章を言い切る終止形は、活用形の基本の形です。

連体形と連用形の見分け方を例文で確認

連体形と連用形の違いを理解したら、文章の中で見分けられるようになりましょう。連体形と連用形を使った例文を紹介します。

連体形の例文

「わたしは走ることが好きです」など、後ろに「こと・とき」が続くのが、動詞の連体形の特徴です。そのほか、「花に水を与えるのはわたしの仕事です」のような、「のに・のは」などの言葉も体言に含まれます。

形容詞の場合は、直接名詞を修飾しているのが連体形です。「白い車が走っている」「大きい鳥が飛んでいる」の、「白い」「大きい」が連体形にあたります。

きれいな花が咲いている」の「きれいな」は、「きれいだ」という形容動詞の連体形です。「彼は暇なようだ」など、「~のよう」が後に続くパターンもあります。

連用形の例文

「休日にはガーデニングを楽しみます」のように、「~ます」という形になるのが動詞の連用形です。そのほか、「大きな打撃を受けている」など、「~て」「~た」という形も連用形に含まれます。

形容詞も同様に、「昨日はとても暑かった」という「~た」に続く形は連用形です。「気温がどんどん高くなる」のように、「なる」が後ろにつくのは形容詞の連用形と見分けられます。

「色合いが鮮やかで美しい」という文章の「鮮やかで」は、「鮮やかだ」という形容動詞の連用形です。「教室は静かだった」のように、「~た」という形でも使われます。

連体形と連用形の違いを知ろう

後に続く単語によって、動詞や形容詞などの語尾が変化することを活用といいます。活用がある動詞・形容詞などの単語を用言といい、それぞれ6種類の活用形が存在するのです。

連体形と連用形を見分ける際は、後に続く単語をチェックします。「とき・こと」や「のに・ので」など、一見名詞とは分かりにくい単語に注意しましょう。

活用がない名詞などの体言が後にくるのが連体形、用言が後にくるのが連用形です。用言と体言の違いや後にくる言葉についてきちんと把握して、正しく見分けられるようにしましょう。

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構成・文/HugKum編集部

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