台所で算数力が磨ける!子どもと作りたい「理数系スイーツ」おすすめレシピ

「算数」と聞くと、身構えてしまうお子さんや親御さんも多いかもしれません。『世界一受けたい授業』(NTV)にサイエンススイーツの先生として出演した太田さちかさんは、「家族のお皿をテーブルに並べながら数を数えたり、普段飲むペットボトルの容量を確認したり、大人用と子ども用のお皿の組み合わせを考えるなど、幼いうちから台所で「算数」のエッセンスを取り入れてみると、楽しみながら算数力が身についていきます」と言います。
「算数」の語源は、"学ぶべきこと""考えること”。太田さちかさんが提案する、台所での算数力の磨き方を詳しく教えてもらいました。

台所に立つ前に

台所でお菓子作りや料理をする時に、意識するだけで算数力がぐん!っと上がるエッセンス。この記事やレシピ本「理数系スイーツ」を読んだら、今日からでも取り組めるポイントをいくつかご紹介します。

整理整頓、どんな台所道具がある?

調理道具はさまざまな「単位」が使われている

お子さんと一緒にお菓子や料理を作るときは、必要な道具が揃っているか、余分なものが台所に溢れていないか、安全で清潔な状態になっているか、を確認することが大切です。

その際、「どんな道具があるのか」をお子さんと一緒に見てみると良いでしょう。

・計り、計量カップ、軽量スプーン、温度計など

まず、数字にまつわる道具に、興味をもってもらうことが大切です。

単位を一緒に見てみよう!

冷蔵庫に入っている食材やお菓子作りの材料、レシピ本の表記には、いろいろな数の単位が出てきます。いろんな単位があることを知り、いろんな単位の感覚を身につけましょう!

・液体の量: ml(ミリリットル) L(リットル)
・重さ: g(ぐらむ) kg(キログラム)
・長さ: mm(ミリメートル) cm(センチメートル)
・温度: ℃(度)
・時間: 秒(びょう) 分(ふん) 時間(じかん)

2Lのペットボトルから、300ml入るコップに水をいっぱいに注ぐ。ボトルに残った水の量は?

きちんとはかる

お菓子作りは、まず必要な分の材料を揃えるところから始まります。材料を正確にはかることは、おいしいお菓子を作るための大切な作業です。

・軽量スプーンで液体をはかる時は、液体をぎりぎりまで入れ表面張力で盛り上がった状態が1杯。

軽量スプーンで液体をはかる

・ひとつまみは、人差し指と中指、親指の3本で軽く摘んだ量。

・計量カップのメモリの見方は、水平な場所に置いて真横から見て確認。

数え方が身につく「何本あるかな?ポッキー」

意外と難しい「本」の数え方。数によって数え方が変化することを、ポッキーを作りながら体感しよう!例えば、「いっぽん」の次は「にほん」、「さんぼん」「よんほん」…。同じ「本」でも音の変化が変わります。作りながら、食べながら、音の変化を楽しんで算数エッセンスを身につけよう。

材料(50本分)

薄力粉 50g
コーンスターチ 50g
バター 50g
牛乳 60ml
塩 ひとつまみ
重曹 ひとつまみ
チョコレート 100g
アーモンド(ダイス) 適量

レシピ

1. ボウルに薄力粉、コーンスターチ、バターを入れナイフで切るように混ぜてバターが細かくなったら手で擦り合わせるように混ぜサラサラの粉状にする。
2. 1に塩と重曹、牛乳を加えて泡立て器で混ぜ、丸口金のついたしぼり袋に入れる。
3. オーブン用シートを敷いた天板に2を9cmずつ絞り、180度に予熱したオーブンで15分焼く。
4. チョコレートを湯煎にかけ、3を潜らせ好みでアーモンドをふる。

体積と重さの違いがわかる!「全部同じ量でカトルカール」

全部同じ量でカトルカール

材料は全て150gで作る、バターケーキ。同じ重さでも、見た目の大きさや量が違って見えるのが不思議なところ。体積と重さの違いについて、視覚で理解していきます。

左から、同量のバター・卵・さとう・小麦粉

材料(パウンド型1台)

卵 150g
グラニュー糖 150g
薄力粉 150g
バター 150g

レシピ

1. ボウルにバターとグラニュー糖を入れ、ハンドミキサーで混ぜる。白っぽくなったら、溶き卵を少しずつ加えて混ぜる。
2. 1に薄力粉を加えてゴムベラで混ぜ、粉気がなくなったら型に流し入れる。
3. 170度に予熱したオーブンで60分焼く。

算数をおいしくはじめよう!レシピ本「理数系スイーツ」

  • 未就学児から小学校で習う「算数」を中心に、算数に親しめる工夫をレシピに盛り込んだ一冊。作って、試して、考えて、楽しんでください。出版社 ‏ : ‎マイルスタッフ(インプレス)
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楽しく学べるのが台所の算数の良さ

普段よく使うマグカップやペットボトル、ペットボトルの蓋でさえ、どのくらいの容量なのか知っておく。いろんな重さをはかってみる。お菓子を、家族やお友達の人数分に分ける…。台所でできるどんな些細なことも、算数力をアップさせるエッセンスに繋がります。お子さんと一緒になって、一つ一つ丁寧に算数力を育んでみましょう。

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レシピを教えてくれたのは…

芸術教育士 / ケーキデザイナー
太田さちか 先生

パリ サンジェルマン・デ・プレで過ごし、慶應義塾大学、エコール・ド・リッツ・エスコフィエ、京都造形芸術大学大学院など日本とフランスで製菓、芸術を学ぶ。MFA(芸術系修士号)取得。芸術教育士として、キッズクリエイティビティを軸にしたアトリエアプローチを実現。2,000人を超える会員を迎え、2009年にこどもとママンのためのアトリエ「My little days」を設立。10年に渡り、子どもを対象にしたワークショップを展開。『sachi & cakes』ケーキデザイナー、コラムニストとしても幅広く活動。子供たちの興味や不思議、好き!といった感性に寄り添いながら、独自の世界観あふれるワークショップ、レシピが好評を呼び、『世界一受けたい授業』(NTV)にも先生として出演するなど、多数メディアで活躍。著書「メレンゲのお菓子 パブロバ」(立東舎)は国内外で好評を呼び台湾でも出版/(PAST FEATURE ISSUES)。
My little days

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