誤用しがちな『閑話休題』の正しい意味って? 実際の使い方や例文、由来、英語表現まで関連語をご紹介

間違えて使われることが多いと言われる『閑話休題』という言葉。みなさんはこの言葉の正しい意味を把握していますか? 今回は『閑話休題』の正しい使い方から詳しい意味、対義語、英語表現などを合わせてご紹介していきます。

「閑話休題」とは?

まずは、『閑話休題』の読み方と意味、語源を押さえておきましょう。

読み方と意味

この言葉は、『閑話休題』と書いて「かんわきゅうだい」と読みます。話が横道に逸れた際、本題に戻るためのワンクッションとして接続詞のように使う言葉です。

由来・語源

この言葉の由来は、古代中国の歴史小説『水滸伝(すいこでん)』にあると言われています。本作のなかの「しばらく閑話をとして休題し、ただし正話をいわんや」という一文が元になっている、というのが通説です。

間違えやすい「閑話休題」!こんな使い方に注意

間違えて使われやすいと言われる『閑話休題』という言葉。「話が横道に逸れる」という意味と勘違いされることが珍しくないのだとか。先述したとおり、『閑話休題』はむしろその逆で、「横道に逸れた話を本題に戻す」際に使われる言葉です。「閑話(=無駄な話)」と「休題(=話していたその無駄な話題をやめること)」のふたつの言葉が組み合わせられていると思えば、意味も覚えやすいですね。間違えないように要注意!

使い方を例文でチェック!

では、『閑話休題』という言葉は実際にはどのように使われるのでしょうか。例文とともにチェックしておきましょう。

1:話が逸れてしまいましたが、【閑話休題】、本日の議題は「来月以降のシフト組み」についてです。

『閑話休題』はこのように、接続詞のように使われます。『閑話休題』とワンクッション置くことで、「話を元に戻す」ことを伝えられます。

2:【閑話休題】、本題に戻りましょう。

先ほどの例文のように「話が逸れてしまいましたが」といった前置きがなくても、『閑話休題』は使うことができます。余談で盛り上がってしまった後、ふと冷静になって話題を戻す際に使ってみましょう。

類語や言い換え表現は?

では、『閑話休題』はどのような言葉で言い換えることができるのでしょうか。類語・言い換え表現も合わせてご紹介します。

1:それはさておき

『それはさておき』とは、話題を変える際に使う言葉です。話題を変えるシーンであれば、話を「戻す」際に限らず使える点が『閑話休題』とは異なりますが、言い換え表現として用いることができます。

2:ともかく

こちらも『それはさておき』と同じように、話題を変える際に使うことができる言葉です。話を「戻す」際に限らず使えます。

対義語は?

では、『閑話休題』とは反対の意味を言い表したい場合、どのような言葉を使うことができるのでしょうか。明確に「対義語」と言える言葉が存在しないため、反対の目的で使う言葉をご紹介します。

1:余談ですが

『余談ですが』は、言葉のとおり、本題から一度逸れて、余談へと話題を変える際の断りとして使われます。余談から本題へ話を戻す際に使う『閑話休題』とは反対の言葉と言えるのではないでしょうか。

2:話が逸れますが

こちらもまた、話が逸れる際の断りに使うフレーズです。「余談ですが」と同様に、『閑話休題』の反対の言葉として使うことができます。

3:ちなみに

『ちなみに』は、話題の補足や転換をする際に使える接続詞です。こちらもまた、本題からは離れることを示唆する言葉なので、『閑話休題』と反対の言葉として挙げてみました。

英語表現は?

では、『閑話休題』は英語ではどのように表現できるのでしょうか。最後に『閑話休題』を言い表せる英語表現をお伝えします。

1:Now let’s return to the main subject.

“Now let’s return to the main subject.”とは、直訳すると「では、本題に戻りましょう」という意味になるフレーズです。横道に逸れた話題を本題に戻す際に使う『閑話休題』の英語表現として用いることができます。

2:Let’s get back to the subject.

“Let’s get back to the subject.”も「本題に戻りましょう」と直訳できる言葉なので、『閑話休題』に近い英語表現として、ぜひ覚えておきましょう。

「閑話(=無駄な話)」+「休題(=その話題をやめること)」の組み合わせであることを意識

今回は『閑話休題』の意味や語源、使い方、関連語を一挙ご紹介してきました。ここまでお伝えしてきたとおり、『閑話休題』は間違えて使われがちな言葉です。「閑話(=無駄な話)」+「休題(=今の話題をやめること)」の組み合わせであることを意識して覚えて、正しく使えるようにしておきましょう。

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文・構成/羽吹理美

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