採血1回だけで全身の「がんリスク」を発見できる! 最先端のがん検査『マイクロCTC検査』を受けてみた

日本人の死因1位はがんであることは、広く知られていることです。ただ、がんは初期段階だと治る可能性が高く、早期発見するのがベスト。今回は実際に、全身のがんのリスクを細胞レベルで発見することができる最先端のがん検査『マイクロCTC検査』を受けてみました。

がん検診、受けていますか?

みなさんはがん検診には行かれていますか? 私たち日本人の死因1位はがんであることは広く知られていることです。ただ、がんは初期段階だと治る可能性が高く、早期発見するのが良いと言われています。そのため、以前に比べ検診をされる人数は増えましたが、まだまだ追いついておらず、内閣府が実施しているがん対策に関する世論調査では受診率は未だに5割程度ということがわかっています。

がんは、これだけ日本人には多い死因であり、早期発見が重要なことがわかっていながらも、なぜがん検診の受診率が上がらないのでしょうか?

がん検査による負担を考えてみる

がん検診というのは時間、体力面、精神面で負担があります。前日からの食事制限に加えて、半日以上の時間拘束、胃カメラ、バリウム、内視鏡にマンモグラフィー…考えただけで憂鬱な気分になります。この負担が「受ける時間がない」に繋がっている理由の一つにもなっており、検診自体がもっと時短でできたらいいのに、と思ったことはありませんか。

出典:国立がんセンター https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0802/index.html

また、負担は身体だけではなく金銭面にも大きく降り掛かってきます。国立がんセンターは、がんによる総経済的負担は、約28,597億円にも上ることを発表しました。特に予防可能なリスク要因に起因するがんの経済的負担が、約1240億円に達していることが明らかになりました。日本人の国民病でもあるがんだからこそ、自身への負担、そしてこの膨大なコストを改善してくれる検査はないのでしょうか。

そこで今注目されているのが、たった1回の採血だけで全身のがんリスクを発見できる「マイクロCTC検査」です。

がんリスクを発見できる「CTC検査」とは?

セルクラウド社執行役員CTC検査事業責任者、医学博士の太田 剛志先生に教えていただきました。

「人は1日で50006000個のがん細胞が生まれていて、自身の免疫で退治しています。
しかし、免疫力の低下でそのバランスが崩れるとがんが育ち始めて、がん細胞の大きさが1㎜ほどになると、がんは血液中のブドウ糖を得るため新生血管につなぎ、栄養を吸い取り増殖していきます。
増殖の過程で、新生血管を通じてがん細胞が血管内に漏れ出して血中を循環するがん細胞が「CTC(血中循環がん細胞=Circulating Tumor Cell)」。血中のがん細胞を検出することで、 全身のがんのリスクを細胞レベルで発見することができる最先端のがん検査がCTC検査です。
日本国内での認知度はまだ低いですが、欧米では既に30,000もの関連論文が発表されており、米国のFDA(日本の厚労省にあたる)からも承認を受けているなど、がん研究・治療現場で大きく注目されている先端検査のひとつです」

「CTC」=血中循環がん細胞=Circulating Tumor Cellsの略。

セルクラウド社の「マイクロCTC検査」

セルクラウド社のマイクロCTC検査の特徴は、CTC検査をさらに一歩進めたもので、悪性度の高いがん細胞のみを捕捉します。

最初、がんは悪性度の低い上皮性のがん細胞のみで(骨・筋肉のがんを除く)、悪性化していく過程で「上皮間葉転換」と呼ばれる形質変化を起こし、細胞同士の接着性が弱まってどんどん自由な動きをするようになり、血液に乗ってより遠くへ行き定着していき、体中に転移していきます。

マイクロCTC検査のポイントとなるのが、アメリカの「MDアンダーソンがんセンター」の開発した、CSV(細胞表面ビメンチン)という特殊抗体を使うことで、浸潤、転移の高い能力を持った「間葉系のがん細胞」だけを特定することができます。

従来の早期リスク検査では、「がんの人は尿からこういう匂いがする人が多い」「こういう因子を持っている人が多い」と、あくまで間接的な傾向値を元にリスクを大まかに表示するにすぎませんでした。 そのため、診断結果に対する信頼感や納得感に大きな課題があり、その分受診者の不安も増えることに。
マイクロCTC検査では、悪性度の高いがん細胞の個数まで分かるので、提示されたがんのリスクに対する圧倒的な納得感があります。数値として分かることで、不安の原因となる“曖昧さ”が払拭されるのです。

実際にマイクロCTC検査を受けてみた!

百聞は一見にしかず、ということで実際にマイクロCTC検査を受けてみました。

太田先生によるカウンセリング、そしてがんについての説明、これから受けるマイクロCTC検査についてわかりやすく説明をしていただきました。太田先生は悪性腫瘍の専門医であり、婦人科勤務でのご経験もあるため、カウセリングの際に女性の体における相談ができたことが、私にとってはとてもありがたい時間となりました。

そして、いざ検査。

いわゆる採血だけなので、ほんの数分で終了!「えー、これでわかるの?」というぐらいの簡潔な検査です。

セルクラウド社のマイクロCTC検査は血液を検査機関に持ち込むまでの時間も短いので、結果が出るのは約1週間後。このタイトなスケジュールも大変ありがたく、検診結果が出てくるまでの時間が長いほど不安な時間は長くなります、忘れた頃にやってくる結果のお知らせもドキドキを増幅させますが、その負担が少なくて済むのも検査の良いところです。

費用は1回19万8000円代々木ウィルクリニックのほか、全国の提携クリニックで受検できます。予約はセルクラウドのサイト、電話のどちらでも可です。

そして1週間後、メールにて結果が届きました。私は下記の通り。

現在、悪性度の高いがん細胞がでなかったことに、ほっと胸を撫で下ろしました。

結果リポートは、掲載している以外にも解析のプロセスなど詳細が書かれているページがあり、分かりやすい言葉で書かれているので私でもわかる内容でした。従来の検査結果の場合だと、わからない言葉だらけなのが余計不安感を募らせ、検索をして分からないなりに理解しようと必死になりますが、その心配がありません。非常に明瞭です。とにかく、よかったー!

がん検診の普及と周知活動

太田先生は、がんの早期発見や対策について次のようにお話しされています。

「マイクロCTC検査により、がんの早期発見が可能となり、治療の成功率を向上させるとともに、経済的負担を軽減する助けになることが期待されます。
万が一、がんが進行していた場合、病気が見つかった場合は今あるその時間も、お金も、全て治療に向けられることになります。
時間がないのであれば、短時間で済むマイクロCTC検査を受けることが、万が一のことを考えると最大のコスト&タイムパフォーマンスを生むのかもしれません」

人生100年時代の今、“健康”について考えてみる

医療は日々進化を続けており、がん検診も進化をしています。実際にマイクロCTC検査を受けた私が得たものは、これまでの検診や情報が生み出す「がんかもしれない」に揺さぶられない“安心感”でした。

それと同時に、がんに対する正しい知識も得たことで検査をすることの大切さも改めて学ぶことが出来ました。40歳を過ぎて体調の変化も感じ始め、人生100年時代の今、がんや検診に対する正しい知識を得ることは何物にも代え難い経験となりました。

現在の自身の体を理解することが、早期発見のスタートです。
健康第一というように、定期的ながん検診が、自身や家族の体と心の健康を守るための第一歩であることを、ぜひこの機会に考えてみてください。

お話をお伺いしたのは

医学博士 太田剛志 先生

株式会社セルクラウド執行役員 CTC検査事業責任者
代々木ウィルクリニック院長

1999年に順天堂大学医学部を卒業、2005年に同大学院を修了し博士号を取得。
公益財団法人がん研究会有明病院婦人科勤務を経て、2009年、順天堂大学付属練馬病院准教授。
2011
年に台湾・チャングン記念病院留学。
2015
年順天堂大学医学部付属順天堂医院准教授、17年同先任准教授。悪性腫瘍の専門・指導医として若手医師の指導を行うとともに、APAGEInternational Fellowをしていた縁でアジアでたびたび講演を行う。趣味はトライアスロン。

ご協力
【株式会社セルクラウド】

151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-21-7 5瑞穂ビル5F

HP:https://cellcloud.co.jp/
マイクロCTC検査URLhttps://micro-ctc.cellcloud.co.jp/
マイクロCTC導入クリニックURLhttps://micro-ctc.cellcloud.co.jp/clinic

文・写真・構成/伊藤 有佳

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