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親の自己肯定感、下がっていないですか?
「また子どものことを叱ってしまった。こんな私はダメな母親(父親)だ・・・」「○○さんは、子育ても仕事もこなしていてあんなにおしゃれなのに、私は・・・」と自分を否定しまうことはありませんか。忙しい毎日の中で、このように自分を否定する癖がついていると、いつの間にか自己肯定感が下がってしまうといいます。
そこで今回は『子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる』の著者、心理カウンセラーの根本裕幸さんに、親の自己肯定感が下がってしまう原因や、毎日できる自己肯定感アップの習慣についてうかがいました。
親の自己肯定感が低いと、子どもの自己肯定感も下がってしまう!
そもそも自己肯定感とはどういうものなのでしょうか?
根本さん:自己肯定感とは、今の自分に「OK」を出せているかどうかということ。「自分のことが好き!」というほどでなくてもいいんです。自分のよい面だけでなく、ダメな面に対しても「それが自分だから」と認められることが、自己肯定感の高い状態です。そんなふうに「今の私で大丈夫」と思えれば、悩み事の多くは解決できるんです。
子育て中に自己肯定感が下がってしまう要因はありますか?
根本さん:子育ては思い通りにいかないことの連続ですよね。自分がダメな親なんじゃないかと思ったり、子どもに対してイライラする自分が嫌になったりすることは誰でも経験があると思います。しかし、うまくいかないことを自分のせいにし、ダメ出しをしてしいると自己肯定感はどんどん下がってしまうのです。さらに、一人で悩みを抱え込み、「子どものために自分がしっかりしなきゃ」と思うほど、ますます悪循環に陥ってしまいます。
また、完璧主義も要注意です。例えば、出産する前は塵ひとつない部屋で暮らしていても、子育て中はそれをキープすることはほぼ不可能です。そんなときに、自分にダメ出しをしてますます追い込んでしまうと、自己肯定感は下がってしまいます。
親の自己肯定感が低くなると、子どもにどんな影響があるのでしょうか?
根本さん:子どもって本当に親のよいところも、悪いところも真似するものです。どこがよくて悪いかなんて区別していなくて、ただ大好きなママやパパを丸ごと真似したいと思っているだけなんです。なので、親が何かと自分自身を責めるような言動が多いと、いつの間にか子どももそれを真似するようになってしまいます。
また、自己肯定感が低く、自分のダメなところばかりを見る癖のある人は、同じように子どものよくない部分やできない部分ばかりが目につくようになってしまいます。ですから、子育てをする上で、まず親の自己肯定感を上げるというのはとても大切なこと。
親が自己肯定感を高めることで、自ずと子どもの自己肯定感も高くなるんです。
自己肯定感を高めるには、1日5分でも自分が笑顔になれる時間を作ることが大切
自己肯定感を上げるためにできることはありますか?
根本さん:まずは、子どもとの距離を物理的に取ってみることをおすすめします。子どもとの距離が近すぎるせいで、「子どもは私が何とかしなきゃ」と抱え込みすぎ、自分にダメ出しをし続けている方が多いです。1日5分でも10分でも意識を自分自身に向けられる時間、自分が笑顔になれる時間を持つと「私も結構がんばっているな」と客観的に自分を見られるようになります。例えばお風呂で、お気に入りの入浴剤やシャンプーを使うというのも、自分を喜ばせるためにできることだと思います。
また、母親の場合は、夫にちゃんと褒めてもらうというのも自己肯定感を上げることにつながります。「毎日仕事や家事、育児を頑張っているのに、夫が何も言ってくれない」と不満を持っている人は、「こういうときには、私のことを褒めてね」と伝えてみてください。私はよく「男性にはマニュアルを渡してください」と言っていますが、はっきり伝えないと、どうしてよいのかわからない男性も多いです。「そこまでしなきゃいけないの・・・」と感じるかもしれませんが、良好な夫婦関係を続けていくためには、「どうされたら自分がうれしいのか、嫌なのか」を、一つずつ示していくことはとても大切です。
たまには夫婦だけで出かける時間をとることもできるとよいですね。独身のときのようにおしゃれやメイクをすることも、自分を取り戻すことにつながります。
他にも日常でできることはたくさんあるので、ぜひ組み合わせて試してみてください。
毎日できる!自己肯定感アップにつながるちょっとした習慣6つ
❶ 1日5つ自分をほめる
自分のことをちっぽけに扱ってしまっている人には、この課題をよく出しています。「5つもほめることなんてない」と思うかもしれませんが、よく自分の行動を観察してみてください。「朝、お弁当を作った」「保育園のお迎えに間に合うように仕事を終えられた」でもよいですし、「朝ちゃんと起きた」「メイクをして出かけた」でももちろんOKです。この習慣は続けることに意味があるので、まずは1ヶ月間行ってみてください。だんだんと「今の自分でも大丈夫かも」と思えるようになってきますよ。
❷「私は私、子どもは子ども」とゆっくりつぶやく
子どもとの距離が近くなっている人は、この言葉(子どもの部分は名前にしてもOK)を口ぐせにするとよいでしょう。自分と子どもとの境界線を意識することは、過干渉を防ぐことにもつながります。子どものことを尊重できるようになり、よい部分がたくさん見えてくるはずです。
また、自分自身を認めるために、うまくいかないときには「これが自分」「これも自分だから」とつぶやくのも効果的です。
❸ SNSは自分の楽しみのために使う
SNSで見る素敵な人の暮らしと自分を比べるのはやめましょう。SNSはここぞという場面の切り取りでしかありません。どうせ見るのなら、推しの芸能人や、好きなもの、趣味など、自分を楽しませるために使ってください。自己肯定感が下がっているときに、育児系のアカウントを見るのはおすすめしません。
❹ うまくいかないときは、親友に接するように自分に声をかけてみる
うまくいかず自分を責めそうなときは、親友が同じ状況だったらどんな声をかけるか考えてみてください。「それはあなたのせいじゃないよ」「あなたは十分がんばってるよ」そんな言葉をかけるのではないでしょうか。それならば、その言葉を自分自身にもかけてあげましょう。
❺ ほめられたら、素直に「ありがとう」と受け取る
誰かにほめられたとき、「そんなことないですよ〜」「私なんかより、○○さんの方が・・・」と拒絶していませんか? 自分を認めるための基本は、与えられたものを素直に受け取ること。誰かからほめられることや、愛されること、自分の魅力や才能を素直に受け取ることができれば、確実にそれは自分のものになっていきます。
ほめられた言葉は「どうせお世辞でしょ」なんて思わず、素直に「ありがとう!」と受け取りましょう。
❻ 自分でできることを、敢えて人に頼んでみる
何でも自分自身でやろうとしているとパンクしてしまいます。そうなる前に、頑張れば自分でもできるかなということを、周りの人に「これお願いしてもいいかな?」と頼んでみてください。子どもや夫、職場の人など、あなたの周りには、いつも助けてくれる人がたくさんいるということを実感できれば、自分の自信につながっていきます。完璧主義の人や、断られるのが怖いと考えている人はぜひ小さなことから、始めてみてください。
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いかがでしたか?
筆者も根本さんのアドバイスのように「1日5つ自分をほめる」を実践しています。それまでは自分のできていないことばかりが目につき、「今日は何もできなかった」と感じることがよくありましたが、自分をほめてみると意外とがんばっていたんだなと、実感できるようになっている気がします。
ぜひみなさんも試してみてください。
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文・構成/平丸真梨子