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最近、うれしいけど複雑なことは「長男にご飯を褒められること」
――お子さんたちに「こんな大人になってほしい」と思っていることはありますか?
「責任感を持つこと」、ですかね。自分のしたことにはちゃんとケジメをつけられる、そういう大人になってほしいと思っています。良くも悪くも、自分がやったことが返ってくると思っているので、そこはすごく大事かなって思います。
私は子どものころから芸能界で仕事をしてきたので、責任感の大切さをわかっているつもりです。多少お腹が痛くても「鎮痛剤を飲んでいけるでしょ」的な感覚があって、子どもたちには結構スパルタになっているところもあると思うし、すごく厳しいと思われている気もしています。
でもとにかく自分がやったことに対して責任を持てたり、反省したりすることが大事かな…と思いながら、子どもたちに接しているつもりです。
お金の教育は今とても悩んでいること
――そのように試行錯誤されながら子育てをやられてきて、最近うれしかったことはありますか。
2番目の子どもである長男が、私が作るご飯をすごく褒めてくれるようになったんです。「やっぱりママのご飯が1番おいしいよ」っていってくれるんですけど、長男の言動にはワケがあるのはわかっているんです。中学生になると大人みたいな感覚になって行動範囲が広がりますよね。下校時とかに友だちと買い食いなどをして、お金を使いすぎるのが嫌で、私、結構注意したりダメって言っているんです。
ウチはお小遣い制ではなく、お年玉を1年でやりくりする制度をとっていて、長男に関しては、私が全部管理して必要なときにお金を渡しているんですが、本当に1週間毎日買い食いする日もあって…。でもそこでお金を渡さなかったら、仲間はずれになっちゃうのかな…とか、ひとりだけ食べられないのかな…と思って、今すごく悩んでいます。
長男も私が嫌がるのを知っているから、私を褒めて機嫌を取っているような気がするんですよね。でも思春期の男の子から嘘でも「おいしい」とか「かわいい」とかいわれるとまんざらでもないみたいな(苦笑)。本当に褒められて嫌な気がしないので、どうしていいかわからないんですよ。
夫婦円満の秘訣は「ケンカをしても隣で寝ること」
育児記録として動画を活用
――今現在の長男さんとの攻防も大変そうですが、今まで育児をされて大変だったことはなんですか?
やっぱり子どもたちが小さいときは大変でしたね。今も一番下の子が5歳なので大変なことはありますが、上の子たちはもうちゃんと話し合えるし、ぶつかり合うこともできるし、和解もできるようになっているので、少しずつ楽になっているんだと思います。
子どもたちが小さいときは、「あのときケガしたの誰だっけ?」「入院したの誰だっけ」みたいに、本当に記憶が定かではなくて…。子どもたちの成長の記録として、当時からYouTubeをやっていればよかったと思うほどです。
今YouTubeをやっていて良かったと思うのは、長男の声変わりに気づけたことです。普段ずっと接していても全然気づかなかったんですけど、動画を見返すと変化がわかって…。動画だと、声や仕草の変化に気づけるんですよね。写真もいいけど、動画を撮っておくことはとてもオススメです!
言いたいことがあってもいちど考えて、普通のトーンで話す
――辻さんご夫婦は、数々の“いい夫婦の日”関連アワードを受賞されるほど、仲の良さが世間に認知されていますが、夫婦円満の秘訣がありましたら、教えてください。
ケンカしても隣で寝ることぐらいかな。最近は本当にないんですけど、2年前に引越ししたタイミングでばちばちの大ゲンカが、週3ぐらいで行われて…(苦笑)。本当に理由は覚えてなくて、お互い「出てけ」「出てってやる」ぐらいの言い合いになったんですけど、そのぐらいのケンカをしてもバラバラに寝たことはないです。
あと、お互い突発的にイラッときても一回口をつぐんでいると思います。昔は「ムカつく」と思ったら、すぐに口から言葉が出ていたんですけど、最近はいったん口をつぐんで考えて、それでも言いたいことがあったら、普通のトーンで話すようにしています。
旦那さんと2人で話しているところに子どもたちが入ってくるときもあるんですが、それが和むというか固くなりすぎない感じになっていると思うので、子どもたちにも救われているような気がしています。今や私が生理周期とかでイライラしていると、男性陣は察知してくれてるようにもなったので、バランス的にすごく良くなってきたと思っていますね。
育児の大変な時期はあっという間「その大変さを幸せに感じよう」
――「HugKum」は、未就学児から小学生のお子さんを持つ親御さんが読者層となりますが、今現在も未就学児を含め子育てに励んでいる辻さんから、読者にアドバイスがありましたらお願いします。
子どもが小さいときって、めちゃくちゃ大変ですよね。私も1番目の長女のときは、年齢的にも若かったし全部が初めてのことだらけでがむしゃらに育児をしたので、いろいろ悩んで思うところがすごくあって「もう1回長女を育てたい」と思うことがあります。
すぐに長男と次男が産まれたのもあって、長女には「我慢ばかりさせてしまったのではないか」と反省していて、育児を重ねた今、もう1回冷静な気持ちで向き合ってみたいと思ってしまうんです。
それに中学生になっちゃうと親より友だちが優先になってしまうんですよね。だから「ママ、ママ」って甘えてくれたり、そばにいてくれるのは12年ぐらいしかなくって、子育てって長いようで短いんだなって実感して、少し寂しい気持ちになってしまうこともあります。
私もまだ一番下の子が5歳なので、大変な時期でもあるんですけど、「その大変さを幸せに感じよう」「今を大切に過ごしていこう」と思っています。そんな考え方はいかがでしょうか。
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お話を伺ったのは…
【辻希美】1987年6月17日生まれ、東京都出身、0型。2000年、モーニング娘。の第4期メンバーとして選ばれデビュー。2004年に同グループを卒業し、ユニット活動を経てソロとして活動。2007年に結婚し、現在は4児の母親として育児に励むなか、TVやイベントなどに出演。YouTube「辻ちゃんネル」も定期的に発信している。
■辻󠄀希美オフィシャルブログ「のんピース」
■辻󠄀希美オフィシャルInstagram @tsujinozomi_official
■辻󠄀希美オフィシャルYouTubeチャンネル「辻󠄀ちゃんネル」
取材・文/綱島深雪 撮影/横田紋子