バングラデシュ基本情報
まずは、バングラデシュの正式な国名や首都、場所などといった基本情報から確認します。
国名
正式な国名は「バングラデシュ人民共和国」といいます。

首都
首都は、ダッカです。
場所
バングラデシュは南アジアに位置する国です。隣接する国はインドとミャンマーで、ベンガル湾に面しています。
日本との時差
日本とバングラデシュとの時差は3時間で、日本のほうが3時間進んでいます。たとえば日本が午前3時だとすると、バングラデシュは午前0時となります。
面積
バングラデシュの面積は、14万7千平方キロメートルです。これは日本の4割ほどの面積となっています。
エリア
バングラデシュは8つの管区に分かれています。この管区には、それぞれ中心となる都市の名がつけられています。

・バリサル管区
・チッタゴン管区
・ダッカ管区
・クルナ管区
・ラジシャヒ管区
・ロンプール管区
・シレット管区
・マイメンシン管区
人口
バングラデシュの人口は、1億7,119万人(2022年、世界銀行)です。これは日本の人口よりもおよそ5000万人多い数となります。

言語・公用語
バングラデシュではベンガル語を国語としています。
通貨
バングラデシュの通貨単位はタカです。日本円にすると、1タカは1.26円です(2024年8月19日現在)。
宗教
バングラデシュの人々が信仰する宗教はイスラム教がほとんどで、そのほかはヒンドゥー教、仏教、キリスト教などです。

歴史
のちにバングラデシュとなるベンガル地方は、紀元前 4世紀ころ、マウルヤ朝の支配下に入ります。以下の概略年表は以下のとおりです。
4世紀ころ グプタ朝の支配下で経済的に繁栄
8世紀半ば パーラ王朝のもと仏教文化が栄える
12世紀以降 ヒンドゥー王朝であるセーナ朝の支配下に
1202年 セーナ王朝がトルコ系イスラム教徒のゴール朝に敗れ、以降、イスラム政権の支配下に
1338年 ベンガル地方にイスラム教徒の独立王国が生まれる
1576年 アクバル大帝によりムガール帝国に編入
1707年 ムガール帝国が崩壊過程をたどる中で、ベンガル地方は太守ムルシド・クリ・カーンの下で事実上 独立
1757年 イギリスの東インド会社がプラッシーの戦いでベンガルのナワブ軍に大勝
1765年 イギリスがこの地の徴税行政権を獲得し、以降、植民地支配を開始
1947年 インド・パキスタン分離独立により、パキスタンの一部「東パキスタン」として独立
1971年 「バングラデシュ」として独立

天気・気候
バングラデシュは、おもに熱帯モンスーン気候に属します。一般的には4月~5月が「暑期」、6月~10月が「雨期」、11月~3月が「乾期」と3つの期間に分けられます。
暑期は蒸し暑く、雨期は雨が降り湿度が高く、乾期は青空が広がり気候は温暖になります。
バングラデシュの首都・ダッカと東京をくらべると、ダッカのほうが1年を通じて最高気温が高く、降水量も4〜9月は多くなります。

バングラデシュの治安・住みやすさ
バングラデシュの治安や住みやすさを解説していきましょう。
治安は安定している
バングラデシュの治安は比較的安定していますが、地域によっては注意が必要です。ダッカやチッタゴンなどの主要都市では、外国人観光客向けの安全対策がとられています。

住みやすさはよい
バングラデシュは低コストで住むことができ、豊かな文化や親切な人々が魅力的で住みやすいといえます。ただし自然災害への対策やインフラ整備、医療面などにはまだ課題も残っている状況です。
バングラデシュの見どころ・観光
バングラデシュの観光名所をご紹介しましょう。
シュンドルボン
シュンドルボンは、インドの西ベンガル州とバングラデシュにまたがる総面積100万haの大森林地帯です。そのうちバングラデシュ側に存在する面積は57万7,000haで、総面積の62%を占めています。
ここは世界最大のマングローブ天然林で、ユネスコ世界自然遺産に登録されています。

シュンドルボンとはベンガル語で「美しい森」を意味します。そのことからもわかるとおり、広大で美しい大森林が広がります。またここにはベンガルトラ、240種類以上の鳥類や多数のシカ、ワニ、サル、イルカなどが生息しています。
バゲルハットのモスク都市
世界遺産に登録されている「バゲルハットのモスク都市」は、15世紀にトルコ系の将軍ウルグ・ハーン・ジャハーンによって築かれた都市です。

現在はモスクやタダルガー(霊廟)などの建造物が残されています。なかでも見どころは「サイト・グンバド・モスク」という60のドームを持つモスクで、60の小ドームと大ドームが低い屋根の上に並ぶ光景は圧巻です。
スター・モスク
スター・モスクは、その名のとおり星柄の描かれたタイルが一面に貼られているのが特徴のモスクです。タージマハールと同じムガル様式で建てられており、華やかな雰囲気があります。

モスク内には富士山が描かれたタイルがあり、庭には大きな星のモニュメントもあるなど、タイルの装飾を楽しめるモスクとして知られています。
コックス・バザール・ビーチ
世界最長のビーチといわれているのが「コックス・バザール・ビーチ」です。ビーチの長さはなんと120kmもあります。

ここでは泳ぐことはもちろん、サンドバギーでビーチを疾走したりして楽しむことができます。また、夕暮れ時に美しい夕日を眺めるのもおすすめです。
バングラデシュの特徴・有名なもの
観光スポット以外の、バングラデシュで特徴的なものや有名なものを紹介していきましょう。
国名の由来
「バングラデシュ」という国名には、「ベンガル人の国」という意味があります。
国旗の意味
バングラデシュの国旗は、日本の国旗の日の丸を参考に作られたといわれています。
国旗には緑と赤が使われており、緑は青葉を、赤は太陽を表していて、パキスタンからの独立のために戦った若者たちの意気と犠牲を象徴しているのだそうです。

特徴的なのは、赤い円の位置が少し中央よりも左に配置されていることです。これは風になびいても中央に見えるよう、あえてそのようにデザインされています。
ベンガルトラ
バングラデシュを象徴する動物がベンガルトラです。
ベンガルトラは、バングラデシュのほかにもインド、ネパール、ブータンなどに生息していますが、世界最大の生息地は、バングラデシュとインドにまたがるガンジス川河口のスンダーバンズ地域といわれています。

バングラディッシュでは、ベンガルトラは国獣に指定されています。バングラデシュの国章に描かれており、勇気、力、独立の象徴として多くの文学や芸術作品にも登場することから、文化的象徴でもある存在です。
バングラデシュの食文化
バングラデシュは「米と魚の国」と呼ばれることからもわかるとおり、お米と川魚をたくさん食べます。
お米は1人当たりのお米の消費量が世界第1位で、日本人の約3倍に当たる量を食べるのだとか。籾を一度蒸した後に精米したシッド米や、日干ししたアトプ米が日常の食事でよく食べられています。

米料理にはカレーや「ビリヤニ」、カレー味で米を煮込んだ「キチュリ」、香辛料を効かせた炊き込みごはんの「ポラオ」などがあります。
また川魚を油で揚げたものを好んで食べ、動物性タンパク質の60%を川魚から摂取しているといわれています。
カバディとクリケットが人気スポーツ
バングラデシュで人気のあるスポーツに、カバディとクリケットがあります。
カバディは約2000年前のインドで、獣を数人で取り囲みながら捕らえる狩りの手法を起源としており、鬼ごっこと格闘技が組み合わさったようなスポーツです。バングラデシュでカバディは国技とされ、カバディの変種「ハドゥドゥ」などもふくめ全土でプレーされています。
クリケットは、1997年にICCトロフィーという大会で代表チームが優勝し、ワールドカップ初出場を決めたのをきっかけに人気に火がつきました。バングラデシュ代表チームは、クリケットの上位7か国の1つであるほどの強豪チームとされています。
大自然と歴史が感じられる「バングラデシュ」
バングラデシュは、豊かな自然と歴史、そして多彩な文化が共存する魅力的な国です。シュンドルボンの大自然やバゲルハットの歴史的建造物、国民に愛されるスポーツなど、さまざまな魅力が詰まっています。
親切な人々と独自の食文化も、この国の魅力をさらに引き立てます。実際に訪れてみることで、これらの魅力を直接体験できるでしょう。親子でバングラデシュの魅力に思いをはせてみてください。
こちらの記事もおすすめ

文・構成/HugKum編集部