国勢調査とは
今まで実家で暮らしていた場合には、「国勢調査」という言葉を知っていたとしても、実際に調査票を手に取って記入した経験はないかもしれません。常識として知っておきたい、国勢調査の基礎知識を解説します。
国勢調査の概要
国勢調査とは、総務省統計局が実施する国内最大規模の統計調査です。1920年の初調査から5年ごとに実施されていて、西暦の末尾が0の年には「大規模調査」を、5の年に「簡易調査」を行います。
国勢調査の対象となるのは、日本に住んでいるすべての人です。日本国籍がない外国人労働者や外国人留学生であっても、日本に長期滞在している場合にはもれなく対象となります。
国勢調査の調査項目の一例は以下の通りです。
・氏名
・性別
・生年月日
・国籍
・就業状態
・仕事の種類
最新の実施状況
2025年(令和7年)国勢調査の結果は、速報が2026年5月まで、確定人口・世帯数が2026年9月までに順次公表されます。政府統計の総合窓口(e-Stat)や総務省統計局ホームページにて閲覧可能になるので、気になる方はチェックしてみましょう。
国勢調査の目的と活用シーン
国勢調査の目的は、日本に住むすべての人の実情を調べて統計を作成し、実態に即した行政施策を考えるための基礎資料とすることです。国勢調査を基に作成された統計資料は、一般企業や研究機関などでも利用されています。
具体的な国勢調査の活用シーンには、以下のようなものがあります。
・衆議院の小選挙区の区割りを決めるとき
・都道府県議会や市町村議会の議員定数を決めるとき
・地方交付税の交付額を算定するとき
・少子高齢化の将来予測を行うとき
・災害が起きたときに発生する帰宅困難者の数を試算するとき
・一般企業や各種団体が需要の予測を行うとき
・新しい店舗の立地計画を立てるとき
国勢調査を基に作成された統計資料は、想像以上に多くの場面で活用されています。
国勢調査の歴史

国勢調査が初めて行われたのは1920年のことです。1902年に制定された「国勢調査ニ関スル法律」では、国勢調査を10年ごとに行うと規定していました。しかし、10年ごとの調査で人口の変動を正しく把握するのは困難と判断され、実際には5年ごとに行われることとなったのです。
1945年に行われるはずだった国勢調査は、第2次世界大戦の影響で中止されました。1945年の調査の代わりとして、1947年には臨時調査が行われています。1947年に行われた調査は、国勢調査の歴史の中で唯一の臨時調査です。
1955年の国勢調査では、サンフランシスコ講和条約の批准・発効により、日本に返還された奄美群島が鹿児島県に加えられました。また1972年には沖縄が返還されたため、1975年の国勢調査で35年ぶりに沖縄県が参加しています。
国勢調査の回答方法
国勢調査の回答方法には、紙の調査票に回答を記入して郵送または調査員に提出する方法と、インターネットを活用して回答する方法とがあります。
インターネット回答であれば、5~10分程度で回答が完了し、調査票を送り返す手間も省けるため、忙しい人であっても簡単に回答可能です。国や地方自治体は、回答者の利便性を向上する目的でインターネット回答を推し進めています。
パソコンやスマホに苦手意識がある人には、紙の調査票に回答を記入する方法がおすすめです。調査員に調査票を提出する方法を選べば、わざわざ調査票を郵送するステップも省略できます。
国勢調査に関する注意点

国勢調査が初めての場合、回答にあたってさまざまな疑問や不安が湧いてくるはずです。不利益を被らないために知っておきたい、国勢調査に関する注意点を解説します。
拒否したり嘘をついたりすると罪になる可能性がある
国勢調査への協力は、統計法第13条によって義務付けられています。そのため、調査協力を拒否したり虚偽の内容を回答したりした場合、統計法第61条に基づき、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
しかし、実際に国勢調査の回答を怠ったり、嘘の内容を申告したりしたことで、罰則が適用されたケースは今のところないとされています。
ただし、たとえ実際に罰せられる可能性が著しく低いといえども、あくまでも国勢調査に協力するのは法律で定められた義務です。「面倒くさい」「意味がわからない」などという理由で回答を怠るのは、好ましくないといえるでしょう。
国勢調査をかたる詐欺に注意! 電話やメールで調査の依頼や回答を求めることはない
国勢調査の時期になると、国勢調査を装った詐欺が横行するため、十分注意が必要です。
具体的には、調査員を装った人物が個人情報が記載された調査票をだまし取ったり、調査員をかたって家族構成や資産状況を電話で聞き出したりする詐欺に警戒しましょう。
国勢調査をかたる詐欺に遭わないようにするためには、下記のような事実を頭に入れておくことが肝心です。
・国勢調査では、電話やメールで調査の依頼や回答を求めることはない
・国勢調査で銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号を聞き取ることはない
・正式な調査員は必ず顔写真の入った「調査員証」を持っている
「もしかして詐欺かも?」と思ったら、住んでいる市区町村に連絡しましょう。
国勢調査は日本の現状を知る大切な調査
国勢調査は、今の日本を知るために欠かせない調査です。しかし、国勢調査の調査票を受け取った人の中には、「面倒くさい」との理由で国勢調査への回答に前向きになれない人もいるはずです。国勢調査で集めたデータは、私たちの生活に関わる政策を立案する際に活用されています。国勢調査に協力すれば、私たちの生活に寄り添った社会が形になっていくといえるのです。調査票を受け取った際には、期日までに回答を記入して提出しましょう。
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文・構成/HugKum編集部
