ブルンジってどんな国?
アフリカ内陸にあるブルンジは、13年間内戦が続いた国です。福島県の2倍ほどの国土に、東京都の約8割にあたる人口を抱えています。さらに内戦の影響でインフラが荒廃し、食料不足も続いています。この記事では、そんなブルンジがどんな国かご紹介していきます。
ブルンジの基本情報
まずは首都、面積、人口、民族などの基本情報から見てみましょう。
国名
ブルンジ共和国
首都
ブジュンブラ(政治機能所在地はギテガ)
場所
ブルンジがあるのは東アフリカ。北にルワンダ、東と南にタンザニア、西にコンゴ民主共和国と隣接し、南西にはタンガニーカ湖と接しています。

日本との時差
7時間
日本のほうがブルンジより7時間進んでいます。
面積
27,800㎢
福島県の面積が約13,784㎢ですから、ブルンジの面積は福島県の約2倍の大きさです。
エリア
ブルンジには18の県があり、首都のブジュンブラがあるのはブジュンブラ・メリー県です。
人口
1153万人
東京都の人口が約1400万人ですから、ブルンジの人口は東京都の人口の約8割です。

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言語・公用語
仏語(公用語)、ルンディ語(公用語)
通貨
ブルンジ・フラン
1 ブルンジ・フラン=0.051円(2025年9月26日現在)
宗教
カトリック、プロテスタント
歴史概略
ブルンジの王国が成立したのは、17世紀頃のこととされています。1889年にはドイツ保護領となり、1922年にはベルギー委任統治が始まりました。1946年にはベルギー信託統治となり、1962年にベルギーから独立しました。
しかし独立以降、多数派であるフツ族と少数派のツチ族の間で抗争が繰り返し起こり、1993年10月には、初のフツ族大統領であるンダダイエ大統領が暗殺される事件が勃発。それを機に内戦が始まり、20万人以上といわれる犠牲者が出ました。
さらに1996年7月には軍事クーデターにより、ブヨヤ元大統領が大統領代行に就任。1998年からはニエレレ元タンザニア大統領のイニシアティブにより紛争当事者間の和平交渉が開始され、2000年8月に和平合意に至りました。これが「アルーシャ和平合意」です。

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国旗
ブルンジの国旗は、赤・緑・白を使ったデザインです。赤は独立戦争と革命を、緑は未来への希望と発展を、白は平和を象徴しています。また中央に描かれた3つの星は、フツ族・トワ族・ツチ族の主要3部族の団結や努力、進歩を表現しています。
またブルンジとは現地語で「ルンディ族の国」という意味で、ルンディとは「ふくらはぎの人々」を意味します。

天気・気候
ブルンジは赤道に近い緯度にありますが、国全体が標高1000m以上の地にあることから「アフリカのスイス」と呼ばれています。そのため赤道に近いエリアでありながら、比較的住みやすい気候です。
ブルンジの治安・住みやすさ
ブルンジの治安や住みやすさはどうでしょうか?
治安は危険
ブルンジの治安面には不安が多くあります。外務省「海外安全ホームページ」によると、ブルンジ全土で「不要不急の渡航中止」を示すレベル2が発令され、チビトケ州、ブバンザ州のコンゴ民主共和国との国境周辺地域、キビラ国立公園周辺地域には「渡航は止めてください」のレベル3が発令されています。

cc-by-2.0, Wikimedia Commons
近年、日本人が巻き込まれた被害の報告事例はありません。しかし都市部や郊外を問わず、銃器や手りゅう弾を使用した強盗、殺人が発生しており、暴行や傷害事件も多くあります。アフリカ諸国と比べると犯罪件数は少ないといわれていますが、治安は決していいとはいえません。
住みやすいとはいえない
長く続いた内戦の影響でインフラが整っていないことや、治安面でも不安が残ることから、住みやすい国とはいいがたいでしょう。
ブルンジの見どころ・観光
ブルンジの見どころや観光スポットをご紹介しましょう。
タンガニーカ湖

タンガニーカ湖はアフリカ内陸にある湖で、ブルンジの南西部に位置します。東西は40〜50km、南北に650kmにも細長くのびる形で、バイカル湖に続く世界で2番目に古い湖です。
タンガニーカ湖に生息する魚の約8割、貝類の約9割が固有種で、湖周辺では数多くの漁業が行われています。
ルヴブ国立公園
ルヴブ国立公園は、アフリカの荒野に数多くの野生生物が生息している公園です。バッファロー、サル、水牛、ゾウ、ワニなどがサバンナに生息しており、ブルンジを代表する観光スポットのひとつです。

CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
ブジュンブラ大聖堂
ブルンジの首都ブジュンブラにある大聖堂は、明るいオレンジ色の外観のランドマーク的な存在です。ブルンジといえば手つかずの大自然が多い国ですが、こんな建築物を見るのもいいでしょう。
ブルンジの特徴・有名なもの

ブルンジの特徴として、ツチ族やフツ族といった部族のほか、コーヒーなどが挙げられます。
ツチ族・フツ族・トワ族
これまで激しい民族紛争を繰り広げてきたのが、ツチ族とフツ族です。ツチ族とフツ族はブルンジとルワンダに居住しており、ブルンジの人口のうち8割以上がフツ族で、ツチ族は15%ほどと少数派です。
ツチ族とフツ族は言語、宗教、居住地に違いはなく、植民地以前の王国で支配者階級に多かったのがツチ族、被支配者階級だったのがフツ族です。
ブルンジにはツチ族、フツ族のほかにトワ族も存在します。この3つが主要部族であり、ブルンジの国旗の中央に描かれた3つの星もこれらの民族を表現しています。

Photo by Doublearc, Wikimedia Commons(PD)
コーヒー・紅茶
ブルンジは高地にあることから、その気候を活かしてコーヒーや紅茶の栽培が行われています。国の中央部で栽培されているコーヒーは風味豊かで、ほどよい甘みやコクがあります。
代表的な存在が、最上級品質の「ンゴマコーヒー」。またブルンジの紅茶は美しいオレンジ色で、すっきりとした味わいが特徴です。
ドラム演奏
ブルンジで有名なのが、集団でのドラム演奏です。大小の大きさのドラムを手に持ち、高くジャンプしながら華麗に演奏するパフォーマンスは迫力満点で、ユネスコの無形文化遺産に認定されています。日本の太鼓とはまた異なる、ブルンジ独特の文化です。

Photo by Cassim23, CC 表示-継承 4.0, Wikimedia Commons
プリムス・ビール
ブルンジにあるのがプリムス・ビールと呼ばれるビール。ブルンジの隣国コンゴ民主共和国のビールですが、ブルンジでもよく飲まれています。クセのない飲みやすい味といわれています。
陸上競技選手、アロイス・ニジガマ
アロイス・ニジガマは、陸上競技のブルンジ代表選手です。1996年アトランタオリンピック、2000年シドニーオリンピックに出場し、アトランタ大会では男子1万メートル走で4位に入賞しました。また日本の日清食品に所属しており、日本人になじみのあるアスリートとしても知られています。
アフリカの小さな国・ブルンジ
ブルンジはアフリカにある小さな国です。民族間の紛争が長く続いた影響で、経済状況は悪い状態が続き、世界的にも貧しい国といわれています。また、ツチ族やフツ族といわれる部族が多く暮らす国でもあります。
そんなブルンジには、タンガニーカ湖やコーヒー栽培などの特徴があります。遠いアフリカの国ブルンジに、この記事をきっかけに親子で目を向けてみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部