Q:親御さんを知らない子どもの友だち。自宅にあげてもいい?
最近、子どもだけで遊びに出かけるようになりました。友だちの家に遊びに行きたがったり、自宅でゲームをしたがったりしたとき、親としてどのように対処すればいいかわかりません。
また、親御さんを知らない友だちが訪ねてきたときも、家にあげてもいいのか迷ってしまいます。子どもの友だちとの付き合いについて、注意することはありますか?(makami さん)
A:保護者同士で連絡先の交換を。家庭ではルールを決めておきましょう。
これは1年生のこの時期に起こりがちな問題です。私も保護者から相談を受けることがよくあります。たとえば、同居しているおじいちゃん・おばあちゃんから「うるさい」と苦情を言われたとか、散らかしたまま帰る子がいて困る、といったことです。
こうした相談の共通点として、遊びに来た子の親を知らないことが挙げられます。親同士がお互いを知っていて、コミュニケーションが取れていれば、その子が散らかしたとしても、「あら、散らかして帰っちゃったのね」と、少しは許せる気持ちになるのかなと思います。
昔は学校から連絡網が配布されていたため、親の顔は知らなくても、連絡を取ることはできました。けれど今は、学校からダイレクトに連絡できるシステムを利用するようになり、連絡網を廃止している学校が増えています。ですから、教師の立場として、保護者会など学校を訪れた際には、できる限り積極的に親御さん同士で連絡先を交換することをおすすめします。
一方、子どもとは「友だちと家で遊ぶためのルール」を決めておくとよいでしょう。「家で遊ぶときは、親に許可をとる」「親が家にいるときだけOK」「親の連絡先を知らない子は家に入れない」「子ども部屋以外では遊ばない」「5時になったら解散する」といったように、子どもにもわかりやすく決めておくことがポイントです。
忘れがちですが、よその子を家で遊ばせるということは、その家の保護者が責任を持つということです。食べ物やペット、ハウスダストなどのアレルギーで具合が悪くなったり、ケガをしてしまった場合は、すぐに親御さんに連絡をとるなどの対処が必要になります。もしそこまで責任が持てないのであれば、最初から「うちでは遊ばせない」ルールでもいいと思いますよ。
小学校生活ワンポイントアドバイス「授業参観」
「もう少し」なところには目をつむり、「よかった」ところをすべて伝えましょう。
授業参観は、子どもの学校の様子を見る絶好のチャンスです。1年のうちで何度もあるわけではありませんから、できる限りお子さんのいいところを探してあげてください。そして、お家に帰ってから、親御さんがいいと思ったことをすべてお子さんに伝えてもらいたいのです。
どの親御さんも子どもに対して、「ここはもうちょっとがんばってほしいな」と思うところは伝えられると思います。けれど、それはほんの少しでいいのです。むしろ、よかったところやがんばっていたことをメインに伝えましょう。いろいろな大人から褒められることは、すべての子どもの「やる気」「がんばる気持ち」がプラスに働くからです。
そしてわが子だけでなく、ほかの子のがんばりに気づいたら、その子に直接伝えてあげてください。「すごくよかったよ」と、友だちのお父さん・お母さんに褒められるのはものすごく嬉しいことなのです。
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私がお答えしました
構成/天辰陽子
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。