Q:子どものケンカにどこまで介入してもいい?
先日、遊んで帰宅した息子の様子がおかしくて、「どうしたの?」と尋ねたところ、ケンカしたというのです。
友だちと言い争いになり、体を押したら相手が転んでしまったとのこと。友だちは泣きながら家に帰っていったそうです。けれど息子は「僕は悪くない」と言い張ります。相手の子はケガがなかったかどうか心配になったものの、結局そのままにしてしまいました。
子ども同士のケンカに、親はどこまで介入すればよかったのでしょう。(まみさん)
A:ケガやいじめの心配がなければ介入しなくて大丈夫です。
結論から言いますと、基本的に子ども同士のケンカに親は介入しなくても大丈夫です。
子どもはケンカをするなかで、人とのつきあい方を学んでいきます。相手に言ってはいけないことや、こうしたら仲直りできるのだということも、そこから学ぶのです。
これからの長い人生において、人との関わりは不可欠です。ですから「友だちとケンカした」と子どもから聞いても、あえて「聞き役」に徹しましょう。もちろん、「どうしたらいいかな?」と相談されたときは、アドバイスしてあげてくださいね。
ただし、今回の件で心配なのは、息子さんが相手を押して転ばせてしまったこと。まみさんの言う通り、友だちにケガがなかったかが心配ですね。かなり時間が経ってしまったようですので、今回はたいしたことはなかったのかもしれません。
今後は「ちょっと心配だな」と感じたら、必ず確認しましょう。相手の親と親しい間柄であれば、「大丈夫だった?」などと、直接確認しても構いません。そうでない場合は、担任の先生に相談しましょう。
学校には当事者が揃っていますから、確認するのは簡単です。「昨日、ケンカしたんだって? ケガはなかった? 仲直りできたかな?」と、すぐに話を聞くことができるのです。なお、こうした案件は、土曜日、日曜日など休みの日のことでも、休み明けにお願いをすれば学校で対応してもらえます。
それから、もう一つ注意したいのは、1対1ではなく、1人に対して複数でのケンカです。いじめにつながる可能性も否めません。そうでなくても、当事者が「いじめられた」と思えば、それはもう「いじめがあった」ということになります。子どもの様子がおかしいと感じたときも、早めに学校に相談してくださいね。
私がお答えしました
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年10月号別冊『HugKum』
構成/天辰陽子