早起きして、お弁当作りをしているママたち、毎日お疲れ様です!そんなママたちへの感謝とねぎらいを込めた、感涙必至の映画『今日も嫌がらせ弁当』が、6月28日(金)より公開となります。
本作は、2015年にAmebaブログ「デイリー総合ランキング」1 位を獲得した人気ブログを書籍化したエッセイの映画化作品。本作で登場するのはただのキャラ弁ではなく、反抗期に入り、親を完全に無視するようになった娘に贈る、母からの“仕返し弁当”です。
篠原涼子演じる主人公・持丸かおりは、シングルマザーとして、娘2人のために奮闘してきた肝っ玉母さん。反抗期の娘・双葉(芳根京子)に手を焼きつつ、今日もせっせと弁当作りにいそしんでいます。篠原、芳根のほか、松井玲奈、佐藤寛太、佐藤隆太ら豪華キャストが出演した本作は、笑って泣ける、人生賛歌の映画となっています。
斬新かつユニーク!技あり1本の嫌がらせ弁当
反抗期の娘に「あなたがそういう嫌な態度をとるなら、私もあなたが嫌がることをします」と宣言したかおり。作った弁当は、キャラ弁というかわいいものとは一線を画する、なんともユニークで斬新な作品群です。
たとえば「木工用ボンド」があしらわれていたり、「皿は片せや!」というブチ切れメッセージが入っていたり、「貞子」が現れたりして、お弁当の蓋を開ける度に、毎日ギョッとする双葉。そのうち、クラスメートの間でも、この嫌がらせ弁当は話題になっていきます。
それにしても、スライスチーズと海苔を巧みに使い、毎回すばらしい作品を作っていくかおりママには、感心せずにはいられません。特に、クライマックスに登場する、特大サイズのデカ弁が圧巻です。そのメッセージを観たら、きっとママたちも涙腺が崩壊させられそうです。
反抗期の子どもに対して親がどう向き合っていくのか?
常に本音を炸裂させる、竹を割ったような性格のかおり。決して“賢母”キャラではなく、自分自身も子育てに悩みつつ、女友だちに弱音を吐いたりする、どこにでもいる普通のママです。そのほころびは、きっとどのママたちも持っているもので、だからこそ、観ているうちに、何度もうなずいてしまうはず。
かおりの長所は、どんな壁にぶつかっても、逃げようとはせず、真正面から対峙しようとしていくブルドーザーのようなスタミナです。だからこそ、母とは正反対で内気な性格の娘・双葉は、母について「ウザい」と思ってしまいます。
タイプは違うけど、お互いに上手く気持ちが伝えられないという不器用さは、共通しているこの母娘。そんな中、いろんなことに失敗し、人生につまずきかけた双葉に、かおりはどう向き合っていくのか、という点が本作のキモとなっているテーマです。
「人生において、無駄なことなんて一切ない」と断言するかおり。もちろん正論ではありますが、そこを説得力をもってどう伝えるのかは、本当に悩ましいところです。本作では、かおりが身をもって、そのメッセージを、ストレートな愛の直球として打ち込んでいきます。諦めずに何度も。
最終的には、粘り強く娘を愛していったかおりの勝利というべきでしょうか。とにかくハンカチ必携で観てほしい本作。ママたちはもちろん、日頃お弁当を作っている子どもやパパと一緒に観れば、きっとママのお株が上がるのでは? ぜひ家族でご覧ください。
監督・脚本:塚本連平
原作:「今日も嫌がらせ弁当」(三才ブックス刊)
出演:篠原涼子、芳根京子、松井玲奈、佐藤寛太、佐藤隆太…ほか
公式HP:http://www.iyaben-movie.com/
文/山崎伸子