小学生がくり上がりのたし算を得意にするコツを伝授!【隂山英男の「家で伸ばす! 子どもの学力」】

陰山先生

「くり上がり」の手順を理解しておきましょう

「百ます計算」などの「隂山メソッド」が多くの学校・家庭で成果をあげている隂山英男先生が、子どもの学力を家で伸ばす方法について教えてくださるこのコーナー。今回のテーマは、子供にとって少し難易度が上がる「くり上りの計算」についてです。

9+3は7つの手順を追って答えを求めている

小学一年生の10~11月には「くり上がりのたし算」を習います。「くり上がりのたし算」とは9+3=12のように、答えが10よりも大きくなるたし算です。これが、大人が思う以上に子どもには難しいのです。なぜなら生まれて初めて「手順をふんで」考えるということが求められるからです。

たとえば春に習った5+3のようなたし算は、「5よりも3大きな数だから、ろく、しち、はち…答えは8」と、経験で理解することができます。しかし「くり上がり」はそうはいきません。
たとえば9+3=12であれば、

①9にいくつで10になるかを考える(合わせて10になる数の理解)
②9にあと1で10になることを思いつく(数を合わせる)
③たす数の3を、②で思いついた1といくつに分けられるかを考える(数を分ける)
④3は1と2に分けられることを思いつく
⑤つまり9+3は9+1+2であると考える
⑥9+1で10
⑦10に2をたして、答えは12

と、7段階もの手順をふんで答えを出します。なんとも複雑です。
ただ、子どもがこのように「くり上がり」を習うということを、親は理解しておく必要があります。そうすれば「くり上がり」でつまずいたとき、①~⑦のどの段階でつまずいているのかな? という目で見てあげられます。

すると、「手順③の『数を分ける』ことができてない」などとつまずきの原因がわかり、「じゃあ、9を2つに分ける練習をしよう。9になる組み合わせは8通りあるよ」と、的確にアドバイスすることもできるのです。

実際、私が子どもたちを指導してきた経験からいえば、「くり上がり」につまずいている子は、計算そのものができないわけではありません。「合わせて10になる数」や「9までの数を2つに分ける」ことがてきぱきとできないことに原因があることが多いのです。

 

繰り返すことできちんと身につく「毎朝プリント」

ここで説明した「くり上がり」の手順は「毎朝プリント」に載っています。ダウンロードしていただけますので、順を追って親子で挑戦してみてください。

<下記のリンクには、「毎朝プリント」の算数と国語がそれぞれ含まれます。>

https://hugkum.sho.jp/1803

 

1週間取り組んでも「くり上がり」がスムーズにできないようなら、くり上がりの問題だけにこだわらず、「合わせて10になる数」や「9までの数を2つに分ける」など、7つの手順を1から復習をしていきましょう。
できないからといって「くり上がり」の問題だけをずっとさせてしまうと、いつまでも解けないばかりか、算数嫌いの子を育てることにつながってしまうので注意が必要です。

 

記事監修

陰山英男|教育者

1958年兵庫県生まれ。1980年、岡山大学法学部卒業後、教職の道へ。百ます計算をはじめ、「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善に取り組み、子ども達の学力を驚異的に向上させた。その指導法である「陰山メソッド」は、教育者、保護者から注目を集め、「陰山メソッド」を教材かした『徹底反復シリーズ』は、総計770万部の大ベストセラーとなっている。現在、YouTube『陰山英男公式チャンネル』で授業や講演を公開して注目を集めている。


編集協力/小倉宏一(ブックマーク)  撮影/奥田珠貴 出典:『小学一年生』

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