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7月9日は「ジェットコースターの日」、その由来は?
遊園地の花形ともいえる乗り物、ジェットコースター。スリル満点な加速と急降下は、大人も子どもも強く印象に残っていることでしょう。そんなジェットコースターですが、日本で初めて設置されたのはどこかご存じでしょうか?
日本で初めて本格的なジェットコースターがお目見えしたのは、今から70年前の1955年(昭和30年)7月9日のこと。この日「後楽園ゆうえんち(現在の東京ドームシティ アトラクションズ)」に、日本で初めてのジェットコースターが誕生しました。これを記念して7月9日は「ジェットコースターの日」と制定されているのです。
当時のジェットコースターは、レールの全長約550メートル、最高時速は55km/h。4両連結のコースターが当時としては画期的な急上昇や急降下を繰り返すもので、刺激的な体験で多くのお客さんを魅了しました。

日本で長い間親しまれているジェットコースターですが、その名前も実は日本でつけられた和製英語です。「ジェット機のように速いローラーコースター」という意味を込めて、始まりの地・後楽園ゆうえんちで名付けられたのが由来といわれています。
現在、日本にはさまざまな種類のジェットコースターがありますが、この「ジェットコースターの日」は日本の遊園地の歴史において、ひとつの大きな節目といえるでしょう。老若男女が楽しめるジェットコースターの運行は、各遊園地の厳しい安全対策によって守られています。利用者の安全を最優先に、定期的な点検や搭乗中の注意喚起、さらには万が一の事態に備えた訓練なども徹底され、日々多くの人々を楽しませているのです。

ジェットコースターに子どもが乗るときの注意点
テレビ番組や広告を見て「ジェットコースターに乗ってみたい!」というお子さんもいることでしょう。しかし、ジェットコースターデビューのためには何に注意すればよいのでしょうか? 初めて乗るときに限らず、安全に楽しむために保護者の方が心がけておきたいポイントをいくつか紹介します。
身長・年齢制限
ジェットコースターを含むアトラクションには、安全のために身長や年齢の制限が設けられています。これはシートベルトや安全バーが子どもの体格に合致するか、安全にアトラクションを利用できるかを判断するための大切な基準です。
必ず事前に、遊園地の公式サイトや現地のアトラクション乗り場で確認しましょう。お子さんが規定の身長・年齢に満たない場合は、危険性を説明し、次の機会を待つようにしましょう。
健康状態
ジェットコースターは高いG(重力加速度)がかかるため、健康状態がとても重要です。心臓や血圧に不安があるお子さん、首や背中に疾患があるお子さん、乗り物酔いしやすいお子さんは特に注意が必要です。少しでも体調が優れないときはジェットコースターの利用を控えましょう。
またアトラクションに乗る前にはしっかりと水分補給をし、他のアトラクション利用時にも適度な休憩を挟むようにしましょう。特に夏場の暑い時期には熱中症のリスクも高まるため、体調管理には特に気を配ってください。
搭乗時の準備
ジェットコースターは回転や急発進を伴うため、持ち物が落下する可能性があります。手荷物が多ければ事前にロッカーに預けたり、アクセサリーやポケットの中身はカバンに入れたりしましょう。

搭乗したら、子どもが安全バーやシートベルトを正しく着用できているか、保護者の方がしっかりと確認してください。緩みがないか、カチッと音がしてロックされているか、子どもの体格に合っているかを目で見て確認することが大切です。最終確認はスタッフが行いますが、保護者の方も目を配りましょう。
また、搭乗時の姿勢についても注意が必要です。スタッフの指示に従って、正しい姿勢を保つよう伝えてあげてください。
子どもの心に寄り添う
ジェットコースターに乗る前には、子どもの気持ちを確認することも大切です。「見る前は乗りたがっていたのに……」ということもよくあるもの。無理に乗せると、遊園地やその場所自体が嫌いになってしまう可能性もあります。怖がっているようなら無理強いせず、別の乗り物を提案するなど柔軟に対応してあげましょう。
またアトラクション体験のあと、恐怖で落ち込んでしまうこともあります。そのような場合は落ち着いて休憩したり、気分転換をサポートしたりして、お子さんの心のケアを行いましょう。この日のことを楽しい思い出にできるよう、温かい声かけを心がけてくださいね。
ジェットコースターが怖くなくなる方法

スリル満点のジェットコースター、怖いけれどせっかく遊びに来たんだから思いっきり楽しみたい。そんな方に向けて、ジェットコースターの恐怖を和らげるコツをご紹介します。
事前の情報収集
ジェットコースターでは何が起こるか分からない、そういった未知への不安は恐怖の一因です。このような不安を軽減するためには、乗る前にアトラクションに関する情報を集めて心の準備をすることが効果的です。
遊園地の公式サイトやパンフレットで、そのジェットコースターの速度や高さ、所要時間などを確認してみましょう。「意外と速度はそれほどでもないな」「ループはなくて急降下だけなんだ」といった具体的な情報を得ることで、想像していたよりも怖くないと感じるかもしれません。
コースが分かれば次に何が起こるか予測がつき、心のゆとりが生まれることがあります。ただし、怖がりな方にとっては逆効果になる場合もあるのでご注意ください。
視線を工夫する
ジェットコースターで恐怖を感じる瞬間の多くは、急降下やループに差し掛かるときではないでしょうか。このときに視線の向け方を工夫するだけで、恐怖の軽減が期待できます。
急降下する際に、足元や落ちる先ではなく、あえて遠くの景色、例えば空や遠くの建物など視線を固定できる遠方に目を向けてみましょう。視覚からの恐怖情報が分散され、体が感じているスリルに意識が集中しにくくなります。
どうしても怖すぎる場合は、一時的に目をつぶったり足元やひざを見るように下を向いたりするのも効果的です。ただし、視覚情報を遮断することで恐怖はやり過ごしやすくなりますが、目をつぶることでかえって乗り物酔いしやすくなる場合があるので注意が必要です。

体へのストレスを発散
いわゆる「絶叫マシン」ではその名のとおり、乗っている人が大声をあげて叫ぶイメージもあるでしょう。実は怖いと感じたときに思いっきり声を出すことは、身体の緊張やストレスの発散につながります。
ジェットコースターでは周りの人も叫んでいるので、恥ずかしがる必要はありません。声を出す行為そのものが、脳に「楽しい」という信号を送る効果もあるといわれています。
それに加えて、搭乗中は足の裏で床を強く踏ん張ることも意識してみてください。急降下する際などに座席にしっかり座って足を踏ん張ると、体が座席に固定される感覚が強まり、重力加速度による体への負担を心理的に和らげる効果も期待できます。
気持ちを落ち着かせる
コースターに搭乗してからは、できるだけリラックスすることが重要です。例えば一緒に乗っている家族や友人と手をつなぐことで、一人ではないという安心感が得られます。
恐怖を感じたときには別のことに意識を向けたり、呼吸を整えたりすることで冷静さを取り戻すことができます。心の中で好きな歌を歌う、数字を数えるなど、恐怖とは関係ないことに意識を集中させてみるといいでしょう。
また、怖いと感じている間も意識して深呼吸を繰り返してみてください。息をゆっくり吸ってゆっくり吐くことで、心身のリラックス効果を促すことができます。
ジェットコースターを乗り終えたら、怖かったけれど最後まで乗り切ったという達成感をぜひ味わってください。この成功体験が自信につながり、遊園地での思い出をさらに楽しいものにしてくれるはずです。
ジェットコースターが楽しめる全国の遊園地・レジャー施設12選
日本国内だけでもジェットコースターは多種多様、さまざまなタイプのアトラクションが全国各地に存在します。スリルいっぱいの絶叫マシンが好きな方はもちろん、初めてジェットコースターに乗るお子さんがいるご家族にもピッタリな場所がきっと見つかるはず。
ここでは次のお出かけ先選びに役立つよう、各地域別におすすめ施設を厳選してご紹介します。
北海道・東北
ルスツリゾート遊園地(北海道)
北海道にあるルスツリゾートは、雄大な自然の中でさまざまなアトラクションが楽しめる施設です。中でも注目は、ルスツ最上級のスリルが味わえる「ウルトラツイスター」。垂直落下と渦巻落下、スクリュー回転がノンストップで続くこのコースターは、絶叫マシン好きにはたまらないでしょう。
このほか4歳(110cm以上)から乗れる低速の「ゴーゴースニーカー」も初心者におすすめです。
公式サイト:https://rusutsu.com/amusement-park
リナワールド(山形県)
山形県にあるリナワールドは東北地方最大級の遊園地です。同園を代表するのがジェットコースター「ディスカバリー」。全長587メートルにわたるコースを、穏やかなアップダウンを繰り返しながら進む設計で、爽快な乗り心地が魅力です。子どもから大人まで幅広い世代が一緒に楽しめるため、家族みんなで乗るのにぴったりです。
公式サイト:https://www.linaworld.co.jp
関東
とちのきファミリーランド(栃木県)
栃木県宇都宮市にある入園無料の遊園地、とちのきファミリーランドは小さなお子さん連れに人気の施設です。注目は、東北新幹線E5系「はやぶさ」をイメージした「新幹線E5系はやぶさ型ジェットコースター」。全長713メートル、最高速度約66.5km/hと本格的ですが、ループがなく池に向かうシンプルコースでスリルが味わえて、4歳から乗車可能です。
このほか回転しながら最大70度まで上昇する「雷様ストーム」や、大きく揺れる「スカイシップ」など、スリル系アトラクションも楽しめます。
公式サイト:https://www.park-tochigi.com/tochinoki
渋川スカイランドパーク(群馬県)
群馬県の渋川スカイランドパークは標高460メートルの高台に位置し、見晴らしの良い景色が楽しめる遊園地です。「ネイブルコースター」は全長207メートルと小さめながら、アップダウンとカーブが多く見た目以上にスリルが味わえるのが特徴です。
3歳以上(身長110cm以上)から利用可能で、お子さんのジェットコースターデビューにもぴったり。短めのコースを2周する設計で、最後まで飽きずに楽しめます。
公式サイト:https://www.skyland89.jp
よみうりランド(東京都・神奈川県)
東京都と神奈川県にまたがるよみうりランドには、かわいい犬がモチーフの「わんわんコースター わんデット」があります。最高速度30km/h、最高部の高さ5.5mと、小さなお子さんのジェットコースターデビューにぴったりな優しい設計が魅力。見た目のかわいらしさとは裏腹に、爽快なスピード感とスリリングなカーブもあります。2周走るコースなので楽しさも2倍。3歳(身長90cm以上)から乗車可能で、親子で楽しめます。
公式サイト:https://www.yomiuriland.com
中部
サントピアワールド(新潟県)
地域で長く愛される遊園地、サントピアワールド。ひときわ目立つ恐竜型ジェットコースターは、親しみやすい見た目で油断するなかれ、実はジェットコースターマニアの間でも有名な絶叫マシンなのです。最高時速75キロメートル、真横になりながら疾走し最後は急降下! スリルを味わったあとは2階建てメリーゴーランドやミニSLでくつろぎましょう。
公式サイト:https://www.suntopi.com
ラグーナテンボス ラグナシア(愛知県)
愛知県蒲郡市にあるラグーナテンボス ラグナシアは、海をテーマにした複合型テーマパーク。その中でもファミリー向けのエリア・ステラパークで人気なのが「ステラコースター」です。カラフルなクジラさんをもチークにしたかわいらしい車両が目立つ、優しい設計のコースターは親子連れに大人気。身長90cmから利用でき、ラグナシア園内や三河湾の景色を眺めながら緩やかなカーブを楽しむことができます。
公式サイト:https://www.lagunatenbosch.co.jp/lagunasia
近畿・中国
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪府)
映画の世界を体験できるUSJにも、刺激的なジェットコースターがいくつも存在します。その中でも特に絶叫好きを魅了するのが「ザ・フライング・ダイナソー」。発車時は普通のコースターですが徐々に座席が浮き上がって、まるでプテラノドンに背中を掴まれたかのように、うつ伏せの体勢で空を飛ぶような体験ができます。圧倒的な高低差や長大なコースを猛スピードで駆け抜け、360度振り回されるダイナミックな動きは圧巻。
公式サイト:https://www.usj.co.jp
アドベンチャーワールド(和歌山県)
パンダ型のミニコースターに乗って、さぁ出発!エンジョイエリア屋外にある「パンダフルコースター」は、その可愛さからお子様に大人気です。みんなで一緒に「レッツ!パンダフル!」(1回400円/身長制限あり)#アドベンチャーワールド pic.twitter.com/PUBm0MtoX2
— アドベンチャーワールド 公式 (@aws_official) September 7, 2016
和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドは、動物たちとの出会いだけでなく、遊園地エリア「プレイゾーン」も充実しています。ここでお子さんに大人気なのが、かわいらしいパンダ型のミニコースター「パンダフルコースター」。急な上昇や急降下がない穏やかな設計なので、初めてのジェットコースター体験にぴったり。身長90cm以上から利用でき、家族みんなで写真映えもする優しいコースター体験を楽しめます。
公式サイト:https://www.aws-s.com
鷲羽山ハイランド(岡山県)
岡山県倉敷市にある鷲羽山ハイランドは、瀬戸内海と瀬戸大橋の絶景が楽しめる遊園地。この園の目玉、「スタンディングコースター」はその名の通り、座らずに立った姿勢で乗車する国内でも珍しいジェットコースターです。体が宙に浮くような独特の浮遊感を味わえ、立った状態で垂直ループや水平ループを通過する迫力は格別。身長140cm以上から乗車でき、いつもと違うスリルを体験したい方におすすめです。
公式サイト:https://www.w-highland.co.jp
九州・沖縄
城島高原パーク(大分県)
大分県の城島高原パーク、そのシンボルともいえるのが、日本初の木製ジェットコースター「ジュピター」です。総延長1,600m、最高速度91km/hを誇るジュピターは、木製ならではのきしみ音や振動、そして木製の柱が迫り来るような視覚効果がスリルを一層高めると大評判。
お子さん向けにはファンタジーの竜騎士気分を味わえる「ドラゴンコースター」も人気です。
公式サイト:https://www.kijimakogen-park.jp
グリーンランド(熊本県)
九州最大級の遊園地、グリーンランド。そこで長年愛され続けているのが恐竜コースター「GAO(ガオー)」です。大きなステゴザウルスを模したゲートが特徴で、その全長は1,497mと国内有数。最高速度は約98km/hと本格的ですが、激しい宙返りなどはなく、広大な敷地を活かした緩やかなアップダウンやカーブが続きます。景色を楽しみながら爽快感を満喫できるので、ジェットコースターデビューやステップアップにもおすすめです。
公式サイト:https://www.greenland.co.jp/park
思い出はジェットコースターとともに
今や遊園地の花形となったジェットコースターは、そのスリルだけでなく多様なコースや景色で多くの人々を魅了しています。家族みんなで楽しむために、スタッフの指示や安全対策を必ず守って乗車しましょう。
緊張してしまうときは、ぜひ怖さ対策のコツも試してみてください。小さなものから大きなものまで、ジェットコースターで楽しい思い出をたくさん作ってくださいね。
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文・編集/HugKum編集部