「高校生の留学」にはどのような種類がある? 費用の目安やよくあるQ&Aも紹介

高校生で留学を検討している場合、留学の種類や費用の目安は気になるポイントです。一般的な留学の種類や、期間ごとの費用目安について確認しましょう。また、高校生が留学するメリット・デメリット、よくある疑問についても紹介します。

高校生が対象となる主な留学の種類

高校生が留学する場合、どのような期間・条件での留学があるのでしょうか? まずは、主な留学の種類と特徴を見ていきましょう。一般的な期間と特徴を理解しておけば、留学を検討する際にも役立つはずです。

短期留学

短期留学は、主に1週間〜8週間程度の短い期間の留学を指します。また、1年間に満たない期間の留学という意味では、学期単位の留学を指す「ターム留学」も短期留学に含まれるでしょう。

短期留学は、夏休み・春休み・冬休みといった、長期休暇にもチャレンジしやすい留学の形態です。費用も安く、初めての留学や、海外の雰囲気を楽しみたいときにも気軽に検討できます。

高校生の場合、何らかの補助がなければ基本的には自分でお金を出す私費留学が中心となるでしょう。

1年単位の留学

1年留学は、1年単位での留学を指します。短期留学と比べると長期間です。ある程度長期の留学で、語学力の向上や現地での勉学に励みたい人に向いています。

私費留学だけでなく、学校で選出され補助を受けて留学する「交換留学」も1年単位の留学が主流です。本格的な留学を検討している人や、単位認定を受けて海外で勉学に励みたい人に向いています。

高校生のうちに1年単位での留学を目指す場合は、交換留学の条件を満たすための手続きや、単位認定を受けて留学できる学校探しなど、事前準備も必要となってくるでしょう。

高校卒業を目的とする留学

卒業を目的とする留学とは、高校1年生から3年生までの期間を現地の学校に通い、現地で卒業を目指す留学形態のことです。

途中から留学する場合は、編入制度を利用することになります。編入する場合は、語学力や全体的な学力が必要になるため、難易度は高い傾向です。

小・中学校のときから留学を真剣に考えている人や、すでに一定の語学力を身に付けている人に向いています。

一時的な留学とは異なり卒業を目指すため、外国の学校を卒業したという学歴を得られることが大きな特徴です。

出典:ターム留学・1年留学・卒業目的留学の違い|Z会グループ

高校生の留学にかかる費用の目安

高校生が留学するとき、費用はいくらかかるのでしょうか? 一般的な目安と、主な内訳を紹介します。留学する国によっても異なりますが、目安となる費用や予備費を用意した上で留学の計画を立てる方が安全です。

短期留学の場合

短期留学の場合、一般的に1週間の滞在で15万円から30万円程度の費用がかかります。1カ月の滞在であれば、30万円から70万円程度が目安となるでしょう。

【留学時にかかる主な費用】
・渡航費(国によって変動)
・学費(公立・私立・語学学校など種類によって変動)
・現地での生活費(食費・お小遣い・通信費など)
・諸手続きの費用(ビザ・パスポート・保険など)

国や学校によって費用の目安は変わりますが、1週間につき20万円程度と考えておけば多くの国が候補となります。短期留学では渡航費・滞在費・学費がセットになったツアープログラムが組まれていることも多いため、費用の目安も判断しやすいはずです。

長期留学の場合

1年以上の長期留学の場合、短期留学よりもかかる費用は多くなります。1年間で200万円から500万円程度が目安です。

短期留学と同じように渡航費・学費・現地での生活費・諸手続きの費用がかかりますが、期間が長い分学費や生活費が増えるほか、定期的に帰国する場合は渡航費も上乗せされます。

アメリカやイギリスなどのように物価が高い国の場合、住むエリアや学校によっては1年間で500万円以上かかるケースも少なくありません。長期留学を検討している場合は十分な留学費用を準備しておくことに加えて、目的を明確にしておくことも大切です。

出典:Q. 将来を見据えて、子どもを留学させたい。費用はどのくらいかかりますか? | 一般社団法人 全国銀行協会

高校生が留学するメリット・デメリット

高校生が留学を決める上では、メリット・デメリットの双方を理解しておくことが大切です。若いうちに留学するメリット・デメリットをそれぞれ紹介しましょう。

【メリット1】国際感覚を得られる

留学は、国際感覚を得られる点がメリットです。語学能力を身に付けられるだけでなく、現地で異文化交流もできます。異文化や多様な考え方を知ることで視野が広がり、さまざまな視点から物事を見られるようになるでしょう。

また、若いうちは記憶力や適応能力も優れています。新しい言語を覚えやすく、異なる環境に適応する時間も短いといったメリットも得られるでしょう。

【メリット2】今後の選択肢が増える

高校生のうちに留学をして語学力や国際的なセンスを身に付けることで、選択肢が多くなります。

例えば、海外の大学への進学や、語学力を必要とする就職先を目指すこともできるでしょう。日本で進学するとしても、留学先で学んだ経験を生かせるかもしれません。

早いうちに留学経験を積むことで、進路の幅は広がります。もしグローバルな活躍が難しいという結論に至ったとしても、その後の進学先で軌道修正を図る時間も残されているでしょう。

【デメリット】費用面や現地で発生する問題が多い

高校生が留学する場合、まずは費用面で問題が発生する可能性があります。

大学に行ってから留学するケースと比べて留学費用がかかる時期が早まるため、計画的に家族や本人がお金を貯めていなければ留学先や期間の選択肢が狭まることも考えられるでしょう。

また、若いうちに家族と離れることで、ホームシックや異文化への対応が難しいといった問題が起きるリスクも高まります。

高校生の留学に関するQ&A

留学の前に、目的や滞在方法など考えておかなければならないことはあります。留学に関連して確認しておきたい気になる疑問と回答を見ていきましょう。

高校生が留学する場合単位はどうなるの?

高校生が留学した場合、単位が認定されるかどうかは、在籍する学校の判断に委ねられます。校長が許可する場合に限り、留学中の履修が日本での履修と同等であると判断されるのです。

許可を得ている場合は、36単位を上限として単位が認定されます。

ただし、全ての留学が許可の対象となるわけではありません。あくまでも、日本での履修と同等と判断される内容に限ります。

学校などで定められている基準や条件を満たさない場合は、休学して留学する方法も検討の対象となるでしょう。

出典:学校教育法施行規則の一部を改正する省令について:文部科学省

高校生が留学するときの主な滞在方法は?

高校生の場合、留学先での主な滞在方法は学生寮やホームステイです。一人暮らしやシェアハウスなどの滞在方法は、高校生には難しいでしょう。

国によっては18歳未満の学生が一人暮らしをすることが難しいケースもあり、安全面でのリスクも考えられます。

もし一人暮らしやシェアハウスを利用して留学することが認められているとしても、費用や安全性を考慮すると学生寮やホームステイを検討するほうがよいでしょう。

短期留学の場合は旅行感覚で参加できるプログラムも存在するため、国や語学学校によってはホテルに宿泊するケースもあります。

留学の前にしておいたほうがよいことはある?

高校生で留学したいと考えるなら、まずは留学したい国、期間などを検討することが大切です。国や期間によって、費用も大幅に変わります。

その上で単位認定が可能なのか、費用はどのくらいかかるのかなど重要な部分を細かく調べていきます。単位認定が難しい場合、長期休暇の活用も検討しましょう。

パスポートやビザの発行、学校側の手続きなどもあるため、早めの情報収集や準備が必要になります。

高校生での留学を検討してみよう

高校生のうちに留学することで、語学力や広い視野を身に付けることができます。費用や安全面など考慮しなければならないことは多いですが、チャレンジする価値はあるでしょう。

短期留学・長期留学・卒業目的での留学などさまざまな期間があるため、目的に合った留学方法を選択することがポイントです。

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