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自分が育児をする際、動画がとても参考になった
ーー男性目線の育児を動画で配信しようと思ったきっかけはなんですか?
たつごろうさん:もともと料理が好きで、料理動画を作って配信していました。妻が妊娠して出産予定日が近づいてきたタイミングで、妻が育児の参考になる動画を見つけては、自分にシェアしてくれていたんです。その中にいくつか男性がメインで育児をしている動画もあったんですけど、その動画がすごい参考になって、子どもが生まれた後の生活がめちゃくちゃイメージできたんです。ただ、当時はそんなに数が多くなくて。
自分自身がそういう動画を作ってみたら、他の方のお役に立てるのではないか? と思ったのがひとつのきっかけです。子どもが生まれるにあたり、何をしたらいいのかわからなくて動画を探していたので、きっと同じ気持ちでいる方も多いのではないかと。コロナがきっかけで、在宅での仕事になっていたのも、動画を始める後押しになりました。

最近はご夫婦で見てくれる方も多くて、「夫が家事をするようになりました」「育児に積極的に参加してくれるようになりました」といったコメントもたくさんいただきます。動画を作る目的であった“人の役に立ちたい”ということが実現できてよかったなと感じています。自分の動画を見て行動を変えてくれるってすごいことですよね!
家事は「子どもの相手をしていない方」が進める流れ。ゴールは寝かしつけ!
ーー家事の分担はどうしていますか?
たつごろうさん:自分の動画は男性育児がメインなので、妻が家事をしている動画が少ないからか「奥さん何してるの?」「奥さん育児全然していないじゃん」のようなコメントもあるんです。でも、家事の分担はほぼ半々になっています。

基本的にはどちらが何をするかは決めていなくて、妻が子どもを相手にしているときは自分が家事をしますし、自分が子どもを相手にしているときは妻が家事をします。子どもも遊びによって「パパがいい」「ママがいい」と言ってくるので、そのときの流れで子どもの遊び相手をしていないほうがどんどん家事を進めています。
その日の家事の比重は、“どちらが早く仕事を終えて、保育園へ迎えに行くか”で変わります。妻が保育園へ迎えに行く日は、妻の家事の比重が多くなっていると思います。
子どもの寝かしつけが1日のゴールになっているので、そのゴールに向かってやるべきルーティンをお互いに協力しあっています。
ママじゃなきゃイヤ! パパじゃなきゃイヤ! をどちらも経験したことがいい経験に
- ーー現在、息子さんが4歳ですね。ここまでで、育児で大変だったことはどんなことですか?
たつごろうさん:いちばん体力的に大変だったのは、息子が新生児のときの夜中の対応でした。妻と1日おきに“夜勤”と称して対応を分担しましたが、今思い出してもきつかったです。
その後は、1歳半くらいに夜泣きがひどい時期があって、夜中に抱っこで外に出てお散歩をしたり…。翌日も仕事があるのでしんどかったなぁという記憶があります。

3歳くらいになると、コミュニケーションが取れるようになって喜んでいた一方で、「ママはイヤ!」みたいなのが始まって、何をするにも「パパがいい」という時期がありました。
それが数か月続いたので、妻が落ち込んでしまったときもあったんですけど、それがいったん落ち着いたと思ったら、今度は自分が拒否されたんです(笑)。自分が朝着替えさせているときも保育園へ登園するときも「ママがいい」「ママがよかった」と言われると気持ちが削がれ、むなしくなっていきましたね…。
でも、お互い同じような経験をしているので、「ママはイヤ」と言われているときの妻の気持ちもわかるし、「パパはイヤ」と言われているときも、今はこういう時期だから…と冷静に対応するができます。お互いがそのときそのときの役割を臨機応変に変えることができるようになったのも、こういう経験が糧になっていると思います。
夫婦円満の秘訣は“感謝を伝える”ことと“完璧を求めない”こと
ーー動画での奥様とのやり取りがほっこりします。夫婦円満の秘訣は何ですか?

たつごろうさん:夫婦円満と言ってくださることも多いんですが、自分たちも夫婦げんかが全くないわけではないです。でも、意識していることが2つあって、1つ目はちゃんと「ありがとう」を伝えるようにしていること。相手がやってくれていることは当たり前ではないので、やってくれたそのときに感謝の気持ちを言葉にしています。
2つ目は、相手のできていないことを指摘しないことです。自分も家事や育児をやっていて完璧にはできていないと思うし、それを指摘し合っていたらお互い嫌な気持ちになるだけです。相手を責めても何もいいことはないし、やってもらったのに指摘で返すのは相手に対しても失礼だと思うので、やってもらったらまずは“感謝”を意識しています。
お互いの不満がネタに! 伝え方にも変化が
ーーそうはいっても不満があるとき、相手が傷つかない伝え方をするなど、工夫していることはありますか?
たつごろうさん:最初は言いすぎてしまうこともたくさんありました。ただ、お互いへの愚痴や不満を1つのコンテンツとして動画に撮ったことがあって、お互い言いたいことはしっかり言いつつも、カメラがストッパー的な役割を果たしてくれてか、ネタっぽい感じで言い合うことができていたんです。徐々に「カメラがあるから言いすぎないようにしよう」から「カメラがなくても言いすぎないようにしよう」ができるようになっていった感覚はありますね。
伝え方ってとても大事だと思っていて、負の感情を持って伝えると相手に嫌な思いをさせちゃうし、かといって思っていることは伝えないと自分の不満だけがたまってしまいます。負の感情抜きで愚痴や不満をカジュアルに伝えられるようになったのが、お互いにとってかなり成長した部分だと思っています。今では、ネタのような雰囲気にもなっているので、不満を言うことに対してのネガティブ要素はかなり減りました。
育児では子どもの目線を大切にしたい
ーー最後に、たつごろうさんが育児で大切にしていることを教えてください。
たつごろうさん:子どもを子ども扱いしすぎないようにすることです。それを意識していると、ときには子どもに求めすぎてしまうこともあるのですが、子どもを一人の人間として尊重してあげたいという気持ちはこれからも大切にしたいです。

ーーありがとうございました!
たつごろうさんのようなお手本を動画で見られる時代
家事や育児に参加はしたいけれど、「何からやれば?」「どう関わればいい?」と思っている男性は少なくないはず。実際にたつごろうさんのようなお手本があれば、積極的に関わることができるようになるかもしれません。
そして、夫婦円満の秘訣はやっぱり感謝の気持ちを言葉で伝えること。お互いに当たり前と思わずに、その場で「ありがとう」と伝えるのを忘れないよう、心がけておきたいものです。
また、筆者は、育児や家事は夫婦のどちらかが軸になってやるほうが楽だし効率がいいように感じていましたが、たつごろうさんのお話を伺い、新たな気づきがありました。
家事や育児のゴールを決める! そして、それに向かってお互いに協力する! あえて家事や育児を分担制にしないことで、お互いが臨機応変に対応することができるというメリットがあります。分担せずに家事や育児をこなすことは難しそうですが、実現できたら大変なことは半分で、楽しいことやうれしいことが2倍になって、いいことづくめと感じました。
人気のレシピ「いももち」「野菜の肉巻き」を紹介!
たつごろうさんの趣味でもある料理。Instagramではたくさんのレシピが公開されています。その中でも、人気のレシピ、家族に好評だったレシピを教えていただきました!
奪い合いが起こる! もちもちなめらかいももち

たつごろうさん:去年作って好評だったので、今年は1.5kg買って大量に作りました! 妻もお気に入りです。
冷凍ストックもできる! 肉巻き野菜のすき焼き

たつごろうさん:息子は嫌いな野菜があるのですが、お肉で巻いてすき焼き味にすると食べてくれます。
ほかにも、たくさんのレシピがInstagramのリールで紹介されています。どれもとてもおいしそうなものばかり。「できたて食べなきゃ失礼でしょ!」などの奥様のコメントにも注目してみてくださいね。
お話を伺ったのは
男性目線の育児の記録。30代共働き夫婦&4歳息子。
・料理担当(夫)が妻と息子のリクエストに応えてます
・自由奔放&浪費家の妻との日々
・育児に全力投球中
・月1でインスタライブやってます
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取材・文/鬼石有紀