睡眠時間を削ってまでもゲームに夢中のわが子、体への影響は? 【専門医が教える意外なアドバイス】

学習雑誌『小学一年生』(小学館発行)では、日常の子育てや発達・健康上の心配など、読者のママ・パパのお悩みを募集しています。今回は、睡眠時間を削ってまでもゲームに熱中してしまうお子さんのお悩みです。そんな時の対応を日本小児科医会「子どもの心相談医」川上一恵先生にアドバイスしてもらいました。

Q:ゲームのために睡眠時間を削ってしまう娘。体への影響が心配です。

娘は学校から帰宅するとすぐにゲームをしたがります。そこで、「やることを全部終わらせて、朝も早起きしてやるならいいよ」と娘に言ったものの、私は内心、無理だろうと思っていました。

ところが、娘はやることをきちんと終わらせて、翌朝早く起きてゲームをしていたのです。娘の執念には感心したのですが、睡眠時間が減ることで、体に影響がないか心配です。このまま続けさせてよいのでしょうか。 (maora0916 さん)

A:生活習慣を見直して、十分な睡眠時間が取れるようにしましょう。

やりたいことのためにすべてを終わらせて、しかも早起きまでして実践するというのは、この年頃の子どもではなかなか難しいことだと思います。むしろ素晴らしいお子さんだと思いますよ。親御さんとの約束を守れているのなら、むしろしっかりとほめてあげましょう。

睡眠時間が減ってしまうことを心配されているようですが、夜遅くまでゲームをしているのでしょうか。もしそうならば、早起きしても睡眠時間を十分に取れるように、親御さんが配慮する必要があります。

家庭の状況にもよりますが、1年生でしたら、できれば夜9時には布団に入れるといいですね。そうすれば、朝5時に起きたとしても、8時間は睡眠時間をキープできます。この睡眠時間を軸にして、1日のタイムテーブルを親子で作成してみてはどうでしょう。

ゲームは寝る2〜3時間前に終えることが重要です。寝る直前までゲームをしてしまうと、なかなか寝付けないなど、眠りの質を悪くする可能性があるからです。タブレットを使った宿題をする場合も同様の理由から、寝る2〜3時間前には終えられるといいですね。

そう考えると、夕飯が7時だとすると、ゲームやタブレットを使った宿題は、必然的に夕飯前に済ませることになりますね。夕食後は、お風呂や家族で過ごす時間にして、寝る前はゆったりと過ごしましょう。

睡眠がしっかり取れていれば、朝早く起きてゲームをしても何の問題もありません。むしろ、早く起きることで、脳も体もしっかり活動状態になっているので、ご飯もたくさん食べられますし、排泄の時間も余裕をもって取ることができますよね。また、睡眠時間がしっかり取れていれば、学校でもそれほど眠くなることもないでしょう。

ご相談の娘さんは、約束をしっかり守れる子です。親御さんが睡眠の大切さを伝え、改めて1日のタイムテーブルを作ろうと提案すれば、ちゃんと理解できると思います。

それから、どんなにおもしろいゲームでも、ある程度やると飽きるものです。同じゲームをやり続けるのは難しいので、本人がとことん満足するまでやらせるのも一つの手です。大切なのは、低学年のうちに生活リズムがしっかりできていること。そうすれば、思春期になってもゲームに依存することは少ないと思いますよ。

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私がお答えしました

川上一恵先生 かずえキッズクリニック院長・ 医学博士

診療の傍ら、地域の小学校、幼稚園、保育園の校医、園医も務める。日本小児科学会認定専門医。日本小児科医会「子どもの心相談医」。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2025年11月号別冊『HugKum』
イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

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