水俣で開催する意義
開催地となる水俣市は、かつて「日本のスローフード発祥の地」とも呼ばれた場所です。豊かな自然に恵まれる一方で、公害という苦難も経験したこの地域は、日本で初めて「環境首都」を名乗り、自然と人の関係を見つめ直しながら地域文化を大切に育んできました。

現在、水俣では生産者や料理人たちが地域や立場を越えて協働する”環不知火海ネットワーク”という新たなつながりが生まれています。今回のイベントは、こうした動きを後押しし、食を通して「We Are Nature(わたしたちは自然)」という原点に立ち返り、循環と再生の物語を次世代へ手渡すことを目指しています。
親子で楽しめる2日間
イベントは入場無料のものもあり、親子で楽しめるプログラムが用意されています。

1日目(11月1日・土曜日)
「水俣市総合もやい直しセンターもやい館」で「全国生産者会議」を開催。全国から集まった多様な作り手たちが、それぞれの土地の課題や希望を持ち寄り、学び合う場となります。夜には地元の方々の手作り料理が並ぶ”大夕食会”も予定されています。
この日の参加には、事前の申し込みが必要となります。
2日目(11月2日・日曜日)
11月2日は無料で、楽しめるイベントだそう。
「エコパーク水俣」で「スローフード・マーケット」を開催。全国各地から集まったおいしい食材や料理が並び、家族で食を楽しみながら学べる機会となります。また、もやい館では映画上映会などのプログラムも予定されています。
なお、3日(月祝)には、地域代表メンバーおよび関係者向けに、水俣の自然や生産者に出会う有料のオプショナルツアーが実施されるとのことです。
スローフードとは
スローフードは1989年にイタリアで生まれた草の根運動で、現在は世界160カ国以上に広がっています。地球環境や食の未来を守り育てようという理念のもと、様々な活動を展開しています。
「テッラマードレ」とはイタリア語で”母なる大地”を意味し、2年に1度イタリアのトリノで開催される世界最大級の食の祭典です。2024年には30万人以上が来場しました。日本でも2年に1度のペースで定期開催する計画で、2023年には宮城県富谷市で初開催されました。
食や環境について考えるきっかけに
イベントには一般来場者として誰でも参加できます。
このイベントは、おいしい食を通して環境に配慮した生産のあり方を発信し、開催地域の価値を掘り起こすことを目的としています。親子で食の大切さや環境について考える、貴重な機会となりそうです。
開催概要をチェック
テッラマードレ・ジャパン 2025 in 水俣 We Are Nature — 不知火海を臨み、再生の未来をともに描く

開催日時:2025年11月1日(土)~2日(日)
会場:1日目=水俣市総合もやい直しセンターもやい館、2日目=エコパーク水俣ほか
入場料:無料(一部プログラムは有料)
主催:テッラマードレ・ジャパン 2025 実行委員会
公式サイト:https://slowfood-nippon.jp/
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文・HugKum編集部