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「たすけてブーブー」プロジェクトとは

子どもが車内に取り残される事故では、これまでに死亡事例も発生しています。2023年4月からは保育所や幼稚園などの送迎用バスへの安全装置の装備が義務化されましたが、閉じ込めは送迎バスだけでなく自家用車でも起こりうる問題です。
JAFによると、2025年8月の1か月間に「子どもやペットを車内に残したままのキー閉じこみ」で救援要請を受けたケースは全国で194件にのぼります。また、12歳以下の子どもがいる人を対象とした調査では、54.9%が「少しの時間でも子どもを車内に残して車を離れたことがある」と回答しています。
「たすけてブーブー」プロジェクトは、周囲の大人による確認や事故防止策に加え、万が一の際に子ども自身が助けを求める方法を知っておくこと、さらに、停車中の車やバスから聞こえるクラクションが、閉じ込められた子どものSOSかもしれないと周囲の大人にも知ってもらうことを目指しています。
このプロジェクトを発足し、絵本『ぶたすけのラッパ』の作者でもある、やまざきひろしさんは「夏になると、子どもが車内に取り残される事故のニュースを目にすることがあり、こうした事故をなくしたいという思いからこのプロジェクトを始めました」と語っています。
音楽に合わせて絵本『ぶたすけのラッパ』の読み聞かせ

安全教室ではまず、読み聞かせアーティスト「ばんぱくとあんな」のお二人が、音楽を交えた「絵本歌ショー」として、絵本『ぶたすけのラッパ』の読み聞かせを行いました。
絵本『ぶたすけのラッパ』は、主人公のぶたすけが園バスの中に閉じ込められ、クラクションを鳴らして周囲に助けを求める物語。

読み聞かせで物語を読み終えると、「ぶたすけは車の中に閉じ込められたとき、どうしていましたか?」との問いに、園児から「ブーブー鳴らしていた!」と元気なお返事が。

さらに、「クラクションを押そうとしても力が足りず、鳴らなかったときはどうしたらいい?」と問いかけると、園児たちから、「水筒!」「ペットボトル!」「カバン!」「靴!」などの声が次々と上がりました。クラクションの位置についても「ハンドルの真ん中!」と声が上がり、片手で鳴らせない場合には両手で押したり、手元にある物を使ったりする方法も紹介されました。
読み聞かせアーティスト「ばんぱくとあんな」
ニジノ絵本屋所属の絵本うたユニット。歌うたいの菊池万博とannasekaiが、それぞれの音楽活動や子どもと関わる活動を生かし、2018年ユニットを結成。音楽といっしょに絵本の世界を魅せる新感覚のショーで、各地のイベントに出演。
いざというときのために! 実際の車でクラクションを鳴らす体験も

読み聞かせの後は、静岡学園幼稚園が保有する園バスなどを使い、子どもたちが実際にクラクションを鳴らして助けを求める体験を行いました。体験した子どもたちからは、「意外に硬い」「押しづらい」という声も。
「たすけてブーブー」プロジェクトを発足したやまざきさんは、「今回の体験だけで終わるのではなく、ぜひご家庭でも親子で話をしたり、実際にクラクションを鳴らしてみたりしてもらえたらと思います」と呼びかけています。
さらに、「子どもたち自身に助けを求める方法を知ってもらうだけでなく、停車中の車からクラクションが鳴っていたら、『もしかしたら子どものSOSかもしれない』『何かが起きているかもしれない』と周囲の大人にも気づいてもらいたいと思っています」と話しました。
大人の安全対策を大前提に、子ども自身が身を守る方法も

今回、「たすけてブーブー」安全教室を行った静岡学園幼稚園では普段から、バスに乗降した人数を2人で確認した後、さらに3人の目で車内を確認。確認後も11時まではバスの扉を開けたままにするなど、安全確認を徹底しているそうです。
静岡学園幼稚園の神谷園長は、「今回お話をいただき、子どもたち自身にも万が一のときに自分の命を守る方法を知ってもらう機会になればと思い、安全教室を実施しました。私も『ぶたすけのラッパ』を読みましたが、子どもたちにもとてもわかりやすい内容だと感じました」と説明。
「車内への閉じ込めは園バスだけでなく、ご家庭の車などでも起こる可能性があります。今回は絵本を読むだけでなく、実際の車を使ってクラクションを鳴らす体験もできたことで、子どもたちにとって、自分の命を守る方法を知る機会になったのではないかと思います」と話しました。
また、「大人が事故を起こさないための対策を徹底することを大前提に、そのうえで子どもたち自身も、万が一のときにどう行動すればよいのかを知っておくことが大切だと感じています」としています。
静岡から全国へ! プロジェクトの今後の展開にご期待ください

全国の幼稚園・保育園に協力を呼びかける中、静岡学園幼稚園が企画に賛同したことから、今回の安全教室が実現。
さらに、静岡県に本社を置くスズキ株式会社による車両提供や、テレビ静岡の後援など、地域に根ざした企業・メディアと連携し、プロジェクトとして初めての地域連携による安全教室となりました。
今後は全国1,000園の幼稚園・保育園へ絵本やリーフレットを配布するとともに、全国各地で安全教室を展開する予定です。
『ぶたすけのラッパ』は、子どもたちに、車内に閉じ込められた際にクラクションを鳴らして周囲に助けを求める方法を知ってもらうために制作された絵本です。
主人公・ぶたすけの物語を通して、車内から出られなくなったときの行動を、子どもたちが楽しみながら自然に学べる内容となっています。
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文・構成/HugKum編集部