赤ちゃん返りはなぜ起こる?
「赤ちゃん返り」とは、子どもが急に今の年齢よりも幼い行動を取ったり、必要以上に甘えたりするようになることをいいます。きっかけとなりやすい事柄は次の二つです。
ママの妊娠・出産がきっかけ
よく聞かれるのが「弟や妹ができたこと」です。新たに赤ちゃんが生まれると、どうしてもママはその子のお世話にかかりきりになってしまいます。そのため、これまで独り占めしてきた「親の愛情を失ってしまうかも」という不安が、赤ちゃん返りに現れていると考えられます。
敏感な子どもは、ママが妊娠しただけで赤ちゃん返りすることもあります。これまで一人っ子だった場合は、特に変化が目立つことがあるでしょう。
引越しや入園など、環境の変化
子どもを取り巻く「環境の急激な変化」も、赤ちゃん返りの原因の一つです。環境の変化とは、例えば、引越しや保育園・幼稚園への入園などが挙げられるでしょう。
子どもは、基本的に毎日同じ場所で過ごし、同じ時間に同じことを繰り返すことで安心感を得ます。そのため、住居やタイムスケジュールの変化は、子どもにとって親が想像する以上のストレスとなるのです。
そのストレスや不安を解消したい気持ちが、赤ちゃん返りを引き起こしていると考えられます。
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どのような症状が出て、いつまで続く?
では、どのような症状のことを「赤ちゃん返り」というのでしょうか。また、赤ちゃん返りが治まる期間に目安があるのか解説します。
よく見られる行動
赤ちゃん返りがどのように現れるかは子どもによってさまざまですが、代表的な症状は次のようなものです。
- 甘えん坊になる
- 言葉遣いが幼くなる
- 夜泣き
- わがままになる
- おもらしが増える
- 意地悪をするようになる
これまで一人でできていた着替えを「できない」と言ったり、「抱っこして!」とかんしゃくを起こして甘えたりすることが増えるかもしれません。
優しくおっとりした性格だと思っていたのに、赤ちゃんを叩いたり、つねったりすることもあります。
他にも、幼児期になって治まったと思っていた、夜泣きやおもらしがぶり返すなどの症状も見られます。
年齢や期間には個人差がある
赤ちゃん返りしやすい年齢は2~3歳がもっとも多いといわれますが、実際には小学校低学年の子どもでも似たような変化が現れることも珍しくありません。
赤ちゃん返りの期間にも個人差があります。1カ月程度で落ち着くケースもあれば、半年以上、中には1年続く子どももいます。
終わりが見えない時期は大変ですが、一生続くわけではありません。ストレスに感じることもあるかもしれませんが、子どもと一緒に乗り越えていく姿勢が大切です。
赤ちゃん返りに関する体験談
HugKumでは、0~2歳のお子さんがいるママやパパ119人に、お子さんの赤ちゃん返りについてアンケートでお聞きしました。体験談をご紹介します。
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子どもに安心感を与える上手な対処方法
赤ちゃん返りの症状が見られたら、子どもの心に寄り添ってあげましょう。「あなたを大切に思っているよ」と伝える三つの方法を紹介します。
怒らず子どもの話を聞いてあげる
わがままを言われ続けると、つい怒ってしまうこともあるでしょう。しかし、まずはイライラする気持ちを抑えて子どもの話を聞いてあげることが大事です。
これは、会話ができるようになっている子どもはもちろん、まだうまく言葉で表現できない子どもにも有効な方法です。
目線を合わせて「どうしたの?」と子どもの話を聞いてあげましょう。「嫌なことがあったんだね」「さみしかったのね」と、分かりやすい言葉で気持ちを代弁してあげてもよいでしょう。
2人だけで過ごす時間を作る
新たに赤ちゃんがやってきたことに不安を感じる子どもに必要なのは、「パパやママを独占できる時間」です。
1日のうち少しだけでも上の子と2人きりで向き合う時間を作りましょう。
親が、自分だけに注意を向けてくれる時間が少なくなって、さみしいと思うのはおかしいことではありません。それまで自分だけが愛情を独占してきたのであれば当然の反応です。
両親のどちらか一方に赤ちゃんを預けて、もう片方の親は別室に行ったり公園に行ったりしてみましょう。2人だけで過ごすことで、たまったストレスを解消してあげられます。
「大好き」「ありがとう」を言葉で伝える
できるだけ毎日、何回でも「大好き」や「ありがとう」の言葉を伝えてあげましょう。
環境の変化に対応するために、子どもは自分なりの方法で頑張っています。そのようなときは、「頑張ってくれてありがとう。大好きだよ」と言いながら抱きしめてあげるのが何よりの特効薬です。
親が子どもの不安な気持ちや頑張りを認め、その感謝や子どもへの愛情を言葉で伝えることが大切です。
上の子の不安にしっかり寄り添ってあげよう
赤ちゃん返りの主な原因は、環境の変化によるストレスです。このようなときに叱ったり放っておいたりすると、治まるどころか逆効果になってしまいます。子どもの不安な気持ちにしっかりと寄り添い、愛情を伝えることで、安心感を与えてあげましょう。
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文・構成/HugKum編集部