お笑いコンビ・キングコングのツッコミであり、今や絵本作家としても名を挙げた西野亮廣。2016年に「にしのあきひろ」名義で発表された同名絵本が、今度は西野さんの製作総指揮・原作・脚本で映画化され『映画 えんとつ町のプペル』として、12月に公開されます。それに先立ち、知られざる映画全編の内容を、西野さん自身が話すという読み聞かせのオンラインイベントが6月20日(土)に実施されます。
絵本「えんとつ町のプペル」は、アーティスティックな画と、社会風刺を取り入れた「大人も泣ける」という感動のストーリーで、絵本としては異例のベストセラーに。また、絵本が高くて買えないと言う意見を受け、全ページをWEB で無料公開し、大いに反響を呼びました。
さらにこの太っ腹な大盤振る舞いが呼び水となり、さまざまなイベントも開催され、今や絵本は、44万部超えのロングランセラーとなりました。今回の読み聞かせイベントは、クラウドファンディングで呼びかけられていますが、西野さんの情熱は多くの人々を巻き込み、そのムーブメントはいまだ留まるところを知りません。
それは、西野さんのプロデュース能力の高さはもちろんですが、それよりも多くの人に愛されてきた「えんとつ町のプペル」のコンテンツとしての強さが大きいと思っています。
絵本「えんとつ町のプペル」は、全10章のなかの一部だった!
まずは、絵本「えんとつ町のプペル」のざっくりとしたあらすじから。
舞台は、見渡すかぎり煙突から出る黒い煙に覆われた「えんとつ町」。この町の住人は、 青い空を知らないし、輝く星も見たことがありません。そんな町に生きる少年ルビッチと、ハロウィンの夜に現れたゴミ人間プペルが出会い、ある奇跡が起こります。
この絵本は、西野さんがプロデューサーとして立ち、イラスト・着色・デザインなどを総勢33名のクリエイターたちとの分業体制で、4年をかけて制作されました。資金はクラウドファンディングで募り、その想いに賛同した人々の協力によって、産声を上げました。
西野さんは、もともと映画化を想定し、絵本「えんとつ町のプペル」を書き始めたそうで「全10章から成るとても長く壮大な物語で、絵本に描かれているのはそのうちの3~5章程度の、ほんの一部に過ぎません。(中略)今回の映画化の位置づけは、『えんとつ町のプペル』プロジェクト全体のゴールです」と語っています。そう、映画で遂にその全貌が明かされます。
世界を巻き込んできた「プペルプロジェクト」とは?
これまで、「えんとつ町のプペル」にまつわるさまざまなプロジェクトが展開されてきました。たとえば、東京タワーなど、全国30箇所以上で行われた「光る絵本展」は、国境を超えて、パリのエッフェル塔でも開催されました。
また、舞台化された『えんとつ町のプペル』THE STAGEは、東京や神戸で上演されましたし、なんとNYのオフ・ブロードウェイでのミュージカル『Poupelle of Chimney Town The Musical』も決定しています。
さらにクラウドファンディング企画により、フィリピンやフランスの子どもたちに、絵本をプレゼントしたり、ラオスに小学校を建設したりと、社会貢献の役割も果たしてきました。現在も、「日本中の子どもたちに本作品をプレゼントしたい」というクラウドファンディング第二弾が開催中です。
第一弾は、本作の前売り券を全国各地にある子どもに関連する団体へプレゼントできるもので、2020年2月26日〜4月26日までの間で、13,319人のサポーターから、3200 万円の支援金を集めました。
続く第二弾では、クラウドファンディングのリターンとして、映画本編完成前に全物語を語りつくすというもの。西野さんの自宅寝室からオンラインでの読み聞かせをするというコロナ禍ならではのイベントです。
絵本「えんとつ町のプペル」とはまた違う映画オリジナルの物語ということで、なんとも気になりますね。絵本のファンだという方も、まだ物語に触れてないという方にもぜひおすすめしたいこの読み聞かせイベント。土曜日の開催なので、家族みんなで参加してみてはいかがでしょうか?
日程:6月20 日(土)19:00〜20:30 頃を予定(90分程度)
参加方法:クラウドファンディングページの『映画 えんとつ町のプペル』を全国の子供たちにプレゼントしたい」(https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1547)にアクセスし、支援された方へリターンとして限定配信
料金:クラウドファンディング支援として1,800 円(税込)。収益は全て全国の子どもたちへ寄付(映画前売り券をプレゼント)。また、サイン入りシナリオ本とペアチケットのリターンは6,000 円(税込)。こちらも収益はすべて全国の子どもたちへ寄付(映画前売り券をプレゼント)
文/山崎伸子