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年越しそばを食べるのはなぜ?その理由や起源は?
大晦日に食べる年越しそばは、江戸時代から庶民の間で定着し、現代まで食べ続けられています。でもなぜ日本人は年越しそばを食べるようになったのでしょうか。由来の中で代表的な説は、そばは細く長く伸びるので「健康長寿」「家運長命」などの縁起をかついで食べるようになったというのが一般的ですが、その他にも“一年の苦労や厄災を断ち切る”とか、“金運を呼ぶ”など諸説あります。
年越しそばはいつ食べるのが正しい?
皆さんは年越しそばをいつ食べますか? 大晦日に食べるのが一般的だと思いますが、では大晦日の何時に食べるのが正しいのでしょうか。また、地域によっては大晦日に食べないところもあるそうです。年越しそばを食べるタイミングについて見ていきましょう。
何時に食べる?ふさわしい時間やタイミングは?
大晦日であればとくに食べる時間に決まりはありませんが、一年の厄災を断ち切るという意味で、年はまたがないほうがいいと言われています。
大晦日に食べない地域もある
年越しそばを食べるタイミングとして大晦日が一般的ですが、地域によっては年を越してから食べるという風習があるところもあります。
例えば、福島県の会津地方では「元旦そば、二日もち、三日とろろ」という言葉があり、元旦に年越しそばを食べる風習や、新潟県では「十四日そば」と呼ばれ、元旦や1月14日に食べるという風習があるなど、各地域でも食べるタイミングはざまざまのようです。
年越しそばを食べないとどうなる?
縁起物として伝わってきた古き良き伝統ではありますが、年越しそばを食べなかったとしても特別な影響があるわけではありません。食べたくないという方やアレルギーのある方は、無理して食べる必要はありません。
HugKum編集部では、0~12歳の子がいるママやパパ119人を対象に、毎年年越しそばを食べているかどうか、アンケートで聞いてみました。
Q.毎年、年越しそばは食べますか?
「毎年必ず食べている」が62.2%と半数以上の結果に。「食べない年もある」の27.7%を合わせると89.9%と、多くの方が年越しそばを食べて新年を迎えているようです。
毎年必ず食べている
食べない年もある
毎年食べない
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地域別・年越しそばの特徴
地域によって食べるタイミングの違いは先ほど述べましたが、食べ方にも違いがあります。それぞれの地域ごとの年越しそばの特徴を紹介していきます。
関東と関西は出汁が違う
年越しそばは、大きく分けて関東風と関西風のふたつに分けられます。関東風はかつお節で出汁を取って、濃口しょうゆで味付けをします。関西風は昆布で出汁をとって薄口しょうゆで味付けをするので、色の薄いつゆになります。
にしんそば(京都・北海道)
京都では明治時代、にしんの干物である「身欠きにしん」を使った「にしんそば」が名物になり、現代でも年越しそばとして食べられています。にしんの産地である北海道でも、明治時代に地元の新聞ににしんの調理方法が紹介されてから、にしんそばは庶民の味として定着していきました。
大根おろしそば(福井県)
福井県の「越前おろしそば」は江戸時代から続く伝統ある北陸の郷土食で、ゆでたそばを大根おろしを加えた出汁につけて食べます。大根おろしを乗せて大根を絞った汁と出汁をかけて食べたり、大根おろし汁と生醤油で食べたり、食べ方は店や家庭により異なります。
へぎそば(新潟県)
新潟県で食べられている年越しそばは、つなぎに布海苔という海藻を使い、剥ぎ板で作った四角い器のへぎと呼ばれる器にもった「へぎそば」です。他の地域のそばに比べ、ツルツルとした食感が楽しめます。
わんこそば(岩手県)
わんこそばは、400年も前から受け継がれる岩手県の盛岡市、花巻市の郷土料理の一つで、お椀の中に入った一口で食べられる量の温かいそばを次々と食べるというスタイルが大きな特徴です。大晦日には、年齢分のわんこそばを食べる風習があるといわれています。
年越しうどん(香川県)
うどんで有名な香川県は、年越しもそばではなくうどんを食べる家庭が多いそうです。年越しうどんの由来としては、うどんは1本が太くて長いので、“太く長く生きる”という意味で、長寿を願う縁起のいい食べ物として食べれらています。
運そば(福岡県)
福岡県博多市では、年越しそばのことを「運そば」や「福そば」と呼ぶこともあるそうです。諸説あるようですが、年越しそばの発祥の地は博多と言われています。鎌倉時代の貿易商「謝国明(しゃこくめい)」という人物が、大晦日にそば粉を掻餅にして振る舞ったとことが起源と言われています。その後、不景気だった博多の港に船が入ってきて賑わいを取り戻したことから、大晦日に食べるそばを、幸運を運んできた「運そば」と呼ぶようになり、全国に広がって年越しそばになったという説があるようです。
ソーキそば(沖縄県)
沖縄で食べられる年越しそばは、日本そばではなく「沖縄そば(ソーキそば)」が食べられています。沖縄で日本そばを食べる機会がほとんどなかったので、自然と年越しにはソーキそばを食べる習慣が広まっていったようです。
年越しそばの作り方・レシピ
年越しそばは、大きくわけて「かけ」と「ざる」の2種類があります。基本の作り方としては、「かけ」は茹でた麺を冷水でしめた後、湯で温め器に入れかけ汁をかけます。「ざる」は茹でた麺を冷水でしめた後、つゆを付けて食べます。とろろをかけたり、具だくさんにしたり、白だしを使うなどのアレンジも楽しめます。
年越しそばのおすすめ具材には、それぞれ意味があるので、意味を理解しながら乗せると良いかもしれません。
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年越しそばの献立のおすすめ
年越しそばに合うおすすめの献立レシピを紹介します。
「さばとなすの黒酢炒め」
中華味で子どもも食べやすい人気メニュー。甘酸っぱいしょうゆ味で箸が進みます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
さば(半身) 2枚
なす 2本
エリンギ 1パック
玉ねぎ 1/2個
【A】
黒酢 大さじ3
しょうゆ 大さじ1と1/2
砂糖 大さじ1
【B】
水 大さじ1
片栗粉 大さじ1/2
サラダ油 大さじ1
◆作り方
1:材料を切ります。さばは3cm幅に斜めそぎ切り、なすは縦半分にして斜め薄切りにする。エリンギは3cm幅、玉ねぎは薄切りにする。
2:フライパンにサラダ油を熱して、なす、エリンギ、玉ねぎを炒め、しんなりしたら、さばは皮目を下にして入れて焼きます。
3:2に混ぜ合わせた【A】を加えてサッと混ぜ、煮立ったら混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつけます。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」やイタリアにて料理を学び、OLから料理研究家に転身。現在、「料理教室Assiette de KINU」を主宰。男の子のママ。
『めばえ』2014年11月号
「きゅうりとセロリ、鶏ささみの和えもの」
きゅうりとセロリのシャキシャキの食感で美味しい和えものです。鶏のささみで満足感もあり、そばの箸休めにもピッタリです。
◆材料
(3~4人分)
鶏ささみ 4本
きゅうり 2本
セロリ 7cm
片栗粉 大さじ1/2
し ょうが汁、ごま油 各大さじ1
塩 小さじ2/3
◆作り方
1:きゅうりとセロリは千切りにする。鶏ささみは筋を取り、塩少々(分量外)を振りかけて10分ほどおき、片栗粉をまぶす。鍋で湯(分量外)を沸かし、沸騰したら弱火にして鶏ささみをゆで、ザルにあげる。粗熱が取れたらほぐします。
2:ボウルに1の野菜、鶏ささみを入れてしょうが汁、ごま油を加えてさっと混ぜ、最後に塩を加えて全体を和える。
教えてくれたのは
瀬戸口しおりさん
料理家。学生時代、東京・吉祥寺にあった『諸国空想料理店KuuKuu』のスタッフとして働き始め、その後、料理家・高山なおみ氏のアシスタントを経て独立。昔ながらの家庭料理や人気のエスニック料理をよりおいしく、おしゃれにレベルアップさせる独自のセンスに定評がある。
『めばえ』2017年9月号
「あじの開きの炊き込みご飯」
焼いたあじの開きの香ばしさも楽しめる、食べ盛りの子どもも大満足の炊き込みご飯です。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
あじの開き 1尾
枝豆(冷凍) 50g
米 2合
塩・酒 各少々
めんつゆ(濃縮2倍) 大さじ5
◆作り方
1:あじは塩と酒をふり、魚焼きグリルなどで両面焼き色をつける。枝豆は解凍してさやから出す。
2:炊飯器にといだ米とめんつゆを入れ、2合の目盛りに合わせて水を張り、軽く混ぜ、あじをのせて炊く。
3:炊き上がったら、あじを取り出して骨を除き、ざっくりほぐして戻し、枝豆を加えて混ぜる。
教えてくれたのは
山本ゆりさん
学生時代から料理ブログ「含み笑いのカフェごはん『syunkon』」をスタート。『syunkonカフェごはん』などの著書は計350万部の大ヒット中。二人の女の子の母。
『めばえ』2015年9月号
通販できる年越しそばのおすすめ
近くにお蕎麦屋さんがなくても、ネット通販なら気軽に全国のおいしい年越しそばが食べられます。日本各地の通販できる年越しそばのおすすめを紹介します。
「信州戸隠そば 本十割生そば(大) (十割 生そば110g×6 ストレートつゆ50ml×6) 約6人前」
小麦不使用、熱処理・蒸気処理をしていない十割生そばです。2分茹でて1分蒸らし冷水で洗うだけで、お店の味がご家庭で楽しめます。
「小嶋屋 そば詰合せセット K-5T (そば200g×5袋、めんつゆ(2倍つゆ)70ml×5袋)」
創業大正11年の、新潟名物ツルツルとしたのど越しが魅力のへぎそばの名店「小嶋屋総本店」のそばセットです。めんつゆもついているので、つゆを作る手間もありません。
「手打ちそばさくら 鴨せいろセット」
「幻の奈川」と呼ばれる希少な蕎麦粉を使用した手打ちそばのセットです。弾力があり、もちもちした食感と、口の中に広がるそばの風味が魅力。数種類の鰹節と日高産の昆布で出汁をとったつゆと、柔らかい鴨肉でいつもちょっと贅沢な年越しそばを楽しめます。
年越しそばで良い新年を迎えよう!
年越しそばは、1年間にあった災難や厄を落とし、元気ですこやかな新年を迎えたいという江戸時代から続く縁起物です。来年こそは明るい一年になるようにと願いを込め年越しそばを食べ、良い新年を迎えましょう。
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文・構成/HugKum編集部