椿という名前は、美しい花を思わせる素敵なイメージがありますよね。ここでは、椿という漢字や花について詳しく解説し、椿を使った名前の候補もご紹介していきます。
椿という名前の人気度
明治安田生命の名前ランキングによると、椿という名前は2013年に女の子の名前で88位に入っています。それほど多い名前ではないので、友達と同じになってしまう可能性は低そうです。
椿という漢字の意味や由来
椿という漢字が持つ意味や由来、名前に込める願いなどをご紹介します。
意味
木の名前、ツバキ科の常緑高木、センダン科の落葉高木、思いがけないこと、変わったこと。
長寿を祝う言葉
中国古代の伝説に大椿(ダイチン)という名前の大木が出てきます。この伝説では8000年を春、次の8000年を秋として、人間の3万2000年分がその木の1年に相当するとされていることから、長寿を祝うときに使う言葉になりました。77歳の喜寿、88歳の米寿のような言葉で、110歳を祝う椿寿(ちんじゅ)があります。
椿の読み
つばき・ちん・ちゅん。
椿の画数
13画。
椿の語源や由来
椿の語源には諸説あります。葉の特徴から名付けられたという説では、常緑樹で丈夫なことから強葉木(つよばき)、艶があることから艶葉木(つやはき)・光沢木(つやき)、厚みがあることから厚葉木(あつばき)などが変化したと言われています。また、光沢を表す古語「つば」に由来し、つばの木が転じて「つばき」となったとも伝えられています。
他にも、春の植物である「つばき」に、木へんに春と書く椿という漢字を当てたという説もあります。椿の漢字については日本独自のものという見方と、中国の影響を受けたという見方の両方があります。椿は中国では「ちん」と読まれ、初夏に白く小さな花が咲く落葉樹のことを表します。日本の椿とは別の植物です。
椿に込める願い
雪の中で花を咲かせることから、忍耐強く、心の強さ持つようにと願いを込めます。
椿はどんな花?花言葉や縁起
古事記や万葉集に出てくる椿は、古くから日本で愛されてきた花です。冬枯れせず一年を通して緑の葉をつける常緑樹であることや、挿し木でも増やせる生命力の強さからから、長寿や子孫繫栄などを象徴する植物として崇められてきました。
赤・ピンク・白・黄色・2色が混じったものなど、さまざまな色の花を咲かせ、庭木としても人気があります。
椿の花言葉
椿の花言葉は色によって異なります。赤は控えめな素晴らしさ・気取らない優美さ・謙虚な美徳、白は完全なる美しさ・申し分のない魅力・至上の愛らしさ、ピンクは控えめな美・控えめな愛・慎み深いなどがあります。花言葉にあやかって名付けるのも素敵ですよね。
芸術の題材として扱われた椿
椿は豊臣秀吉が愛した花として有名です。京都の龍安寺には秀吉が観賞したとされる侘助椿が今でも残り、日本最古の椿と伝えられています。当時流行した茶の湯では、椿は冬の花として重宝されました。初めて椿を茶の湯の席に用いたのは千利休という説もあります。茶道の世界では茶花の女王と呼ばれ、確固たる地位を築いています。
江戸時代には二代目将軍徳川秀忠が好んだことから、芸術の題材として多く扱われました。また、江戸の将軍や京都の公家などの間で園芸が好まれたことから、盛んに栽培され品種も増えていきました。庶民にも広がり、椿の観賞が流行したと言われています。
椿は縁起が悪いという説はこじつけ?
椿は散るときに花ごと落ちることから、首を切り落とす様子を連想させるとして江戸時代に武士に嫌われたと言われています。これは江戸時代に椿の人気が高まったことから、高額な取引や窃盗などを戒めるためという説や、椿によく似た花であるサザンカを売りたい商人が流したデマという説があります。
いずれにしても、確かな証拠はありません。しかし、花ごと落ちるイメージから、お見舞いに持って行くのは避けたほうが良いとされています。
椿は生活にも役に立つ
古くは不老不死の薬として使われた椿油は、高貴な人々への献上品でした。現代でも髪や肌のお手入れや食用などに用いられています。
ココ・シャネルが愛した花
椿の学名はCamellia japonica、海外ではカメリアと呼ばれています。カメリアのモチーフはシャネルが有名ですよね。これはココ・シャネルに贈られた、日本原産の白い椿が元になっていると言われています。今でもシャネルのコレクションには、カメリアモチーフのものがたくさん発表されています。
椿を使った名前候補
1文字でも素敵な椿ですが、ここでは他の漢字と組み合わせた名前候補をご紹介します。女の子の名前に使われることが多いですが、漢字によっては男の子でも付けられます。
椿生(つばき)
13+5=18画。生は生きる・生まれる・命などの意味があり、草木が上に生えてくる様子から生まれた漢字です。すくすくと健康に育つよう願いを込めます。
椿季(つばき)
13+8=21画。季は末っ子・四季の終わりの月・春夏秋冬の時節などを表します。椿の咲く季節に生まれたお子さんにぴったりな名前です。四季の美しさを感じられるような、感性豊かな人になるよう想いを込めます。
椿基(つばき)
13+11=24画。基は土台・根拠・物事の根本などを表し、男の子の名前によく使われます。どっしりとした強さのある人、堅実な努力家になるようにと願いを込めます。
椿貴(つばき)
13+12=25画。貴は尊い・身分が高い・優れているなどの意味があります。誇り高く生きるように、気品のある賢い人になるようにと願いを込めます。
椿彩(つばさ)
13+11=24画。彩は彩る・色を付けるなどの意味があり、女の子に人気の漢字です。彩り豊かな人生を送るように、多くの才能に恵まれるようにと想いを込めます。
椿紗(つばさ)
13+10=23画。紗は薄い絹織物を表します。軽やかで滑らかな布のイメージから、しなやかさと強さを兼ね備えた人になるよう願いを込めます。
三椿(みつば)
3+13=16画。三は数の名前で、みっつ・何度もという意味があり、古来より縁起の良い数とされています。多くの幸運や子孫繫栄を願って名付けます。
実椿(みつば)
8+13=21画。実は實の略字で、草木の実・満ちること・真実などを表します。建物の中に貨幣として使われていた子安貝がたくさんある様子から生まれた漢字で、屋内に財貨が満ちるという意味になりました。努力が実を結ぶようにと想いを込めます。
七椿美(なつみ)
2+13+9=24画。七は数の名前で、ななつ・多くの回数を意味し、縁起の良い数字の象徴でもあります。英語でもラッキーセブンと呼ばれ、幸運の数字とされています。美は美しこと・立派なことを表し、女の子に人気の漢字です。
理椿(りつ)
11+13=24画。理は道理・筋道などを表します。理解・理性・理路整然などの言葉の印象から、スマートで知的なイメージがあります。知性豊かな人になるよう願いを込めます。
里椿子(りつこ)
7+13+3=23画。里は里山・ふるさとなどを表し、おおらかで温かいイメージがあります。子は子ども・男の子の敬称などを意味し、赤ちゃんの絵から生まれた文字です。女の子の止め字として定番の漢字で、子どもを想う気持ちを込めます。
強く美しいイメージの椿を名付けの候補に!
椿は花の特徴から、強く美しいイメージがあります。ぜひ名付けの候補に入れてみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部