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開館1周年を迎えた「角川武蔵野ミュージアム」
ミュージアムのデザイン監修は、建築家・隈研吾さん。浄水場の跡地に「石」をテーマに造られました。この巨大な石の塊の内部は、図書館・美術館・博物館が混ざり合う複合文化施設となっており、アート、文学、哲学、博物などが訪れる人々の好奇心を刺激します。
フランスで200万人を動員した、360度体験型コンテンツをパワーアップして披露
「浮世絵劇場 from Paris」はオープン1周年を記念した展覧会。
フランス・パリをベースに活動する「ダニーローズ・スタジオ」が、ジャポニズムをテーマにフランス国内で披露し、200万人もの観客を動員した大好評のコンテンツ、「Dreamd Japan “images of the Floathig World”」をパワーアップして開催したもの。巨大空間に360度映し出される、浮世絵をモチーフにした映像を体感できます。今回の展覧会では、フランスで披露した15分作品を、この展覧会のために新たに手を加えて30分に拡大。最先端のテクノロジーとストーリーを掛け合わせて、これまでにない大迫力の映像を観覧することができます。
十二幕の巨大映像空間を体感した後に、新旧の浮世絵を鑑賞
展覧会は「映像エリア」と「展示エリア」による2つの会場で構成されています。
まず「映像エリア」では、前述したように1100㎡を超える巨大な空間に映し出された江戸時代の浮世絵をモチーフにした迫力満点の映像を30分間たっぷっり観覧できます。
映像はテーマごとに12幕の構成。音楽とともに荒波が頭上を駆け抜け、桜の花びらが風によって辺り一面に舞い散り、大海に魚たちが悠々と泳ぎ、大輪の花々があたり一面を覆いながら変容する……。まるで浮世絵の世界に入り込んだような感覚を味わえます。
そうして、迫力満点の映像体験をしたあとは、「展示絵アリア」で映像のモチーフとなった江戸情緒漂う多彩な浮世絵と、現在活動を続ける日本の浮世絵師たちの作品を鑑賞することができます。
21世紀の現代に、浮世絵師がいるなんて知っていましたか?! 私は今回初めて拝見しましたが、ミュージシャンの「デヴィッド・ボウイ」がモチーフの作品や、ハードロックバンド「キッス」と「ももいろクローバーZ」が戦乱絵巻さながらに描かれた作品など、どれも新感覚の浮世絵ばかり。実にインパクトがあります。
この展覧会は、2022年4月10日(日)まで開催されます。親子でも楽しめる体験型イベント。この貴重な機会をお見逃しなく!
親子で楽しめるスポットが色々ある「角川武蔵野ミュージアム」&「ところざわさくらタウン」
「角川武蔵野ミュージアム」内には、ほかに巨大本棚に囲まれた図書館「本棚劇場」や、博物学者・妖怪研究家・作家などさまざまな顔を持つ荒俣宏さんが監修を務める博物館「荒俣ワンダー秘宝館」などもあって、見どころは満載です!
そのうえ、ミュージアムのある「ところざわサクラタウン」内には、「武蔵野坐令和神社」(むさしのにます うるわしき やまとのみやしろ)や、チームラボによるデジタルインスタレーションを常設する「武蔵野樹林パーク」もあります。
都心からは少し離れていますが、一見の価値アリのスペースです!
「浮世絵劇場 from Paris」
会期:2021年10月31日(土)~2022年4月10日(日)
会場:角川武蔵野ミュージアム 1階グランドギャラリー
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※「ところざわサクラタウン」(https://tokorozawa-sakuratown.jp/)は、JR東所沢駅から徒歩10分。
取材・構成/山津京子