劇場アニメ第2弾『映画 すみっコぐらし ⻘い月夜のまほうのコ』もテーマが深くて心に刺さる!

この秋、親子で観るのにイチオシの映画となった、劇場アニメ第2弾『映画 すみっコぐらし ⻘い月夜のまほうのコ』。今回はすみっコたちと、魔法使いが織りなす心温まるファンタジーになっています。

すみっコたちと魔法使いの友情と夢にまつわる物語

「すみっコぐらし」10周年記念作品にして、劇場アニメ第2弾『映画 すみっコぐらし ⻘い月夜のまほうのコ』が、11月5日(金)より全国公開されました。もはや鉄板コンテンツとなった「すみっコぐらし」ですが、前作『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は動員120万人超えというメガヒットとなりました。本作でも愛らしいすみっコたちが、心ときめく大冒険を繰り広げます。

©2021 日本すみっコぐらし協会映画部

今回は5年に1度の青い大満月の夜、すみっコたちの町に5人の魔法使いが舞い下ります。「わん」「つー」「すりー」「ふぉー」「ふぁいぶ」という名の魔法使いたちは、何でも夢を叶えてくれるとのこと。でも、どうやら一番小さいふぁいぶだけは、まだ上手く魔法が使えないようです。

そんな魔法使いたちのパーティーに招待されたすみっコたち。魔法がかけられた街は、キラキラと美しくきらめき、すみっコたちも大喜び。楽しい宴も終わると、魔法使いたちが帰る時間になりましたが、なんと、すえっコのふぁいぶと間違えて「たぴおか」が連れていかれてしまいます! 果たして1人残されたふぁいぶの運命とは?

光の粒がきらめくファンタジーの世界観にうっとり

©2021 日本すみっコぐらし協会映画部

本作は、タイトルに“まほう”が入っていますし、魔法使いのような衣装をまとったすみっコたちのポスタービジュアルを見ただけで、ワクワクしますよね。実際に大満月の夜のパーティーシーンは、とてもファンタスティックな仕上がりになっています。

光の粒が散りばめられた街を見て、すみっコたちもテンションアップ。例えば、お茶をしていたコーヒーカップが魔法によってアトラクションのように大きくなり、それに乗ったすみっコたちは大はしゃぎ。まさに、映画ならではのスケールアップした世界観に心躍ります。

また、前作から続投した井ノ原快彦と本上まなみのナレーションは、今回も絶妙。すみっコたちにツッコミを入れつつも、優しく寄り添ったり、彼らの気持ちを代弁してくれて、とてもほっこりします。

コンプレックスは、アイデンティティにおける大切な要素

©2021 日本すみっコぐらし協会映画部

寒がりで北から逃げてきた「しろくま」や、自分がペンギンなのかどうか自信が無い「ペンギン?」に、とんかつの一番端の部分で、非常に油っぽいために食べ残されてしまう「とんかつ」など、今ひとつイケてないすみっコたち。それでも彼らは決してくさらず、常に肩を寄せ合って仲良く平和に暮らしています。

今回は、うっかり取り残された魔法使いのふぁいぶと、実はきょうりゅうの生き残りであることを秘密にしている「とかげ」との友情を軸にした感動のファンタジーとなっています。

とかげのおかあさんは、すみっ湖にひっそりと住む「すみっしー」ですが、2人はなかなか会えません。だからこそとかげは、家族と離れて寂しい思いをしているふぁいぶの心を察して、一緒に暮らすことにしました。

©2021 日本すみっコぐらし協会映画部

ふぁいぶは、自分を仲間に入れてくれたすみっコたちにお礼がしたいと思い、彼らの「いつかこうなりたい」と願う夢を叶えようとします。ところがそこから予想外の展開を迎えていくことに。

すみっコたちは、それぞれにコンプレックスを抱えているキャラクターたちですが、裏を返せば、それらは彼らの個性でもあります。そこも含めてのアイデンティティだということは、本シリーズのテーマでもあると思いますが、本作でもそこがきちんと描かれているので、見ていてハッとさせられます。

そして、いつもながら、すみっコたちが織りなす友情や夢にまつわる物語は、子どもだけではなく、日々日常に追われている大人たちの心も癒やしてくれそう。また、BUMP OF CHICKENの主題歌「Small world」も心に染み入ります。この秋、親子で観る映画としてはイチオシの作品なので、ぜひ家族で劇場へお出かけください。

『映画 すみっコぐらし ⻘い月夜のまほうのコ』は11月5日(金)より全国公開中
監督:⼤森貴弘 原作:サンエックス
ナレーション:井ノ原快彦、本上まなみ
公式HP:https://sumikkogurashi-movie.com/

文/山崎伸子

©2021 日本すみっコぐらし協会映画部

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