キムチって冷凍できるの？
お隣の国、韓国発祥で極寒期に備える保存食として漬けられるのがキムチです。キムチを漬けないと年を越せない、といわれるほど食文化が定着しており、日本のお味噌汁のように、家庭を象徴する食べ物なのです。日本でも人気が高いキムチですが、まずは材料と作り方についてご紹介します。
キムチとは
白菜を一晩塩漬けにした後、水で塩抜きをして、「薬念」と呼ばれる調味料をまぶします。そして4〜5日ほど壺に漬けて発酵させたものが、白菜のキムチ漬けです。「薬念」とは、唐辛子、にんにく、ニラ、シュリンプペースト（日本で一般的なのはアミエビ）の他、イカ、イシモチ、イワシなどの塩辛と魚醤、牛肉や煮干し、昆布などの出汁が用いられます。他にも、りんご、梨、栗、ナツメなどの果物、生の牡蠣やイカを加える地方もあるそうです。材料が複雑に入り混じる漬物ですね。
日本で作られるキムチは、浅漬にした白菜に調味料を加える製法で、「浅漬キムチ」「和風キムチ」と呼ばれています。本場のキムチは魚介の塩辛が発酵することによって濃厚な旨味、酸味、また強い臭気が伴うことから、日本では好みが分かれ、マイルドに漬けられた製法が広がったようです。
冷凍のメリット
キムチは温度をマイナス1℃まで下げて保存すると、発酵が止まります。本場韓国では各家庭にキムチ用冷蔵庫が備えられており、古くは漬け壺を地中に埋めて保存したそうです。こうすると、年末に漬けたキムチでも年間を通して味わい続けることができるのです。
日本の一般的な家庭用冷蔵庫で保存すると、少しずつ発酵が進んで酸味が強くなった経験をお持ちの方が多いはずです。さらに温度が低い冷凍保存なら、乳酸菌の発酵を止められ、長期間の保存ができます。
冷凍は白菜の繊維を破壊する作用があるため、冷凍前とは食感の変化が若干起こります。これも、他の具材と馴染みが良くなるメリットと捉え、鍋や和え物、炒めものに使うと冷凍後もおいしく味わうことができます。
乳酸菌の変化は
キムチの発酵はガスが発生するため、容器が膨らんでくることがあります。常温保存では容器が破裂するほどのパワーがあるため、注意が必要ですが、冷凍保存ならガスの発生はほとんどありません。
温度を上げれば、再び乳酸菌の活動が始まり、冷凍しても問題なく口にすることができます。
キムチの冷凍保存
それでは、具体的に冷凍の手順をみていきます。
大根キムチなど、水分量が多い食材に冷凍保存は向いていませんから、白菜のキムチを例にご紹介します。
キムチ専用容器
キムチは強烈な赤色と匂いが容器に移ってしまうものです。気になる方はキムチ専用容器を用意してはいかがでしょうか。もちろん、フリーザーバックなどで、その都度取り替える方法でも良いです。
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ステンレス製なら、冷凍時に温度が下がりやすいので一気に冷凍が進みます。急速冷凍は食材の劣化を防ぎ、解凍後のおいしさも保ちやすいのでおすすめです。解凍はこのまま冷蔵庫に移して時間を待つだけです。
冷凍の手順
【1】キムチを扱いやすい量に小分けにして、ラップに包みます。
【2】冷凍用の保存袋などに詰めて、空気をしっかりと押し出してから封をします。
【3】冷凍庫で保存します。
解凍方法
・自然解凍
冷凍庫から冷蔵庫へ移して自然解凍をします。シャキシャキ感は薄れていますが、柔らかい食感のキムチとしていただきます。
・解凍せずにそのまま加熱調理へ
鍋や炒めものなら、そのまま加熱調理へ進むこともできます。鍋に入れるとクタクタの食感を味わえますよ。
電子レンジを使用する場合は、温め機能を使い、高い温度で加熱をします。
保存期限
1か月ほどを目安に食べ切るようにしてください。あまり長くなると風味が落ち、食感の劣化も大きくなります。
冷凍キムチの使い方
冷蔵庫の常備食材と、冷凍後キムチを使って作れるメニューをご紹介します。
冷凍キムチうどん
冷凍うどんと、納豆があればしっかりした味付けのうどんが作れます。
・材料
冷凍うどん 1玉
納豆 1パック
冷凍キムチ 40〜50g
【A】
めんつゆ（ストレート） 小さじ1
ごま油 小さじ1
【B】
卵黄 1個分
お好みで、貝割れ菜、ごま、万能ねぎ 各適量
・作り方
【1】冷凍キムチを耐熱容器に入れ、電子レンジのオート機能で温めます。
【2】同じく、冷凍うどんを耐熱容器に入れ、電子レンジのオート機能で温めます。
【3】【1】に納豆と【A】、さらに【2】を混ぜ合わせます。
【4】器に【3】を盛り付け、【B】でトッピングしてください。
豚バラキムチ
冷凍キムチを炒めものに使う手順をご紹介します。
・材料
冷凍キムチ 200ｇ
豚バラ薄切り 200g
ニラ 1/2束
もやし 1/2本
にんにく 1片
しょうが 1かけ
【A】
コチュジャン 大さじ1
ごま油 大さじ1
・作り方
【1】豚バラ肉とニラを3センチにカット、にんにく、しょうがをみじん切りにします。
【2】熱したフライパンにごま油を温め、にんにく、しょうがを炒めます。さらにコチュジャンと豚肉を加え絡めながら炒めてください。
【3】もやしを加え、ここの冷凍キムチを入れます。キムチを溶かしながら、もやしがしんなりするまで加熱します。
【4】最後にニラを加え、サッと加熱したら完成です。
人気の冷凍食品
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温活にも役立つ冷凍保存
気に入ったキムチがある場合は、多めに買い置きがしたいですよね。または、どうしても食べきれない、という場合もあります。冷凍して保存したキムチなら、寒い季節のチゲ鍋や、お手軽ランチのアクセントとして活用できますから、便利で手放せなくなるかもしれません。唐辛子とにんにくは健康増進、温活にも役立ちます。ぜひ冷凍保存をして取り入れてください。
構成・文・写真（一部を除く）／もぱ（京都メディアライン）
