Q:間違えると怒ります。大丈夫でしょうか。
学校の宿題で漢字の書き取りや算数のドリルなどが出るのですが、うまく書けなかったり、答えを間違えたりするとものすごく怒ります。「なんで、なんで!?」「いやだ!」などと叫んでいます。また、私が「ここ、間違ってない?」などと指摘しても、ものすごく怒ります。とにかく、間違えることが嫌なようです。このまま成長すると、本人が疲れてしまうのではないかと心配しています。大丈夫でしょうか? (K・M さん)
A:間違いは指摘せず、自分で見つけられるように仕向けましょう。
間違いを指摘されて怒りだす子は、意外と多いんですよ。なぜなら、子どもは「間違えることがある」ということを前提にしていないからです。ただ、間違えたときの反応は、人によって異なります。黙ってしまう、怒りだす、お家の人に「どうしたらいいの?」と聞くなどといったぐあいです。
間違えたら怒る子は、成長の過程でそのようにインプットされた可能性があります。例えば、間違えたときにおうちの人の顔色が変わったり、何度も間違いを指摘されたり。こうした経験から、間違いは嫌なことだと認識し、怒りとなって現れるのです。
また、おうちの人が勉強している子どもに「ここ、違うよ」と指摘する。これは子どもの集中力を絶つことになります。たまたま覗きこんで、間違いを見つけたとしても、すぐに伝えるのは我慢しましょう。子どもが勉強をすべて終えてから、親子で答え合わせの時間を設けてください。そして、「これはどうかな?」などと声をかけ、子どもが自ら間違いを見つけられるように仕向けることが大切です。
勉強で怒りだす子は、ほかの場面でもうまくいかないことがあると怒っているはず。お子さんを観察し、どのようなときに怒るのかも知っておきましょう。そして、間違えても、あせらずに落ち着いて取り組めばいいのだという姿勢を、おうちの人が示してあげてくださいね。
\私がお答えしました/
加藤 俊徳 先生
脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2022年1月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 構成/天辰陽子
https://hugkum.sho.jp/175972