「ミステリと言う勿れ」子どもを虐待する親、親を見舞わない子どもを語る整の言葉とは【連載第6回】

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月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」第6話では、菅田将暉演じる久能整が、子どもの虐待問題が絡む放火事件に絡んでいきました。また、謎の女性ライカと予想外に急接近!? 第7話の放送前に、前回の見どころを振り返ります!

明日、菅田将暉主演の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(毎週月曜21時~)が放送されます。前回放送された6話では、菅田さん演じる久能整(くのう・ととのう)が、検査入院していた大隣総合病院で様々な出会いを果たしました。そんななか、ひょんなことから整は、連続放火殺人事件に巻き込まれていくのです!

 

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

この回で、門脇麦演じるライカのミステリアスな魅力が際立ちます。どうやらライカは、第16代ローマ皇帝マルクス・アウレリウスの著書「自省録」を丸暗記していて、そのページや行を組み合わせた数字の暗号によって、整に自分の意思を伝えていきます。

第6話のキーマンとなったのは、大隣総合病院の患者である下戸陸太(岡山天音)と、彼の友人だという井原香音人(早乙女太一)。この連続放火殺人事件は、6話と7話にわたって展開されます!

第6話のここにしびれた!

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

(これより以下、6話のネタバレを含みます)

大隣総合病院で、陸太とうっかりぶつかり、イチャモンをつけられた整。その後、陸太が赤いものを見ると激痛を伴う発作を起こすことを知ります。

ライカの導きにより、子どもが炎を象ったようなマークを壁に落書きした家で放火殺人事件が起きていることを察知した整。どうやら、そのマークを描けば、天使が舞い降りて、親を焼き殺してくれるという都市伝説があるらしいのです。すなわち、そのマークは、親に虐待されている子どものSOSであり、事件に陸太と友人の井原香音人が関わっているようです。

愛嬌たっぷりの岡山さんは“カエル”というあだ名を持つ陸太役にぴったりだし、井原役の早乙女さんも、静かな狂気とカリスマ性をにじませていて、思わず息を呑みます。

コミックス5巻より ©田村由美/小学館

陸太自身、実は過去に井原が起こした放火事件で親を亡くしています。自分を虐待していた親を心から憎んでいたため、井原の行動によって、自らが救われたことをとても感謝していますが、虐待している親たちも子どもが生まれたときにはキレイな名前を付けていることを思い起こし、なぜその後に虐待する親となってしまったのか、そして亡き親がどんな思いで自分の名前を付けてくれたのか、今は知る由もないことを憂いているようにも受け取れます。

 

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

劇中で、整が通う東英大学の天達春生准教授が、心理学の授業で「他人の心を推し量るのは難しい。自分の痛みと他人が感じる痛みは同じではないかもしれないと、前もって考えておくことが大事」だと説いていますが、この言葉が後半でかなり響いてきます。

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

また、この回では、整とライカが急接近!クリスマスプレゼントを交換するというまさかの胸キュンシーンが登場しました。ライカが「桜が咲く頃にはこの世にいない」と言った切なさも相まって、心がワサワサしてしまいました。

コミックス5巻より ©田村由美/小学館

 

練りに練ったミステリーと、芽生え始めたラブの二枚重ねがニクイです。整のことが気になっている刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)との関係は、コミックスでは描かれていない展開で、今後を期待してしまいます。

親の虐待問題を多方面から考えてみる

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

 

整が幼少期に辛い家庭環境にいて、トマウマを抱えていることは、これまでにも何度か語られてきましたが、今回は

子どもを虐待する親を放火によって殺害する事件から、親の虐待問題が真っ向から描かれました。

さらに整が出会った大隣総合病院内にある温室の管理者・梅津真波(阿南敦子)と整との会話もその1つ。真波と深く交流していたけど、先日亡くなったという老女についてのエピソードですが、彼女が、長年離れていた娘と最後まで会ってもらえなかったようなのです。

コミックス4巻より ©田村由美/小学館

 

整はその老女親子について「子どもがそういう態度を取る場合、たいてい親が先にひどいことをしています。子どもがそうなるには理由があります」と意見を述べます。

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

真波がその老女の素晴らしい人柄を強調したあとも、整は「家族や身内には厳しくても、他人に優しい人っていますから。そのことが子どもをよけいに追い詰める」と続けた言葉も、なんだか心に刺さりました。

 

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

常に仏頂面で感情の起伏は少なめな整ですが、どんな時でも冷静で、弱者に寄り添っている気がします。親の虐待によって、幼い子どもが死に追いやられるという悲痛なニュースを目にしますが、改めてこの回を見て、親側はもちろん、それを取り巻く社会のあり方についても考えさせられます。

整が、首から胸にかけて火傷のような大きな傷跡があることは、第1話ですでに紹介されましたが、今後、彼自身が暗い過去と対峙していくことになるのではないかと。

第7話で、命の危険にさらされた整が、どうピンチを切り抜けるのか?

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

クリスマスイブの夜、大隣総合病院で行われるイベントの手伝いをしてほしいと、陸太から頼まれて倉庫に向かった整は、そこで陸太に暴行を受けます。なんと倉庫には、虐待疑いのある子どもの両親も拘束されていました。

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

また、放火殺人事件を捜査する青砥成昭(筒井道隆)たち大隣警察署強行犯一係も、事件を追っていきます。現場に残された炎のマークから、3年前に起きた同様の事件で証拠不十分で逮捕できなかった井原香音人を洗い出そうとしているようです。

©田村由美/小学館 ©フジテレビジョン

果たして整の運命は?一連の事件がどんな結末を迎えるのかが、月曜日の夜に明かされます!

文/山崎伸子

「ミステリと言う勿れ」フジテレビ系列 月曜夜9時から放送見逃し配信はFODTverでご覧ください(放送後、最新話が公開されます)

 

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