菅田将暉主演の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(毎週月曜21時~)の第4話の世帯視聴率は13・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、またまた前週の13・2%より0・1ポイント、アップ。今回は文学絡みの謎解きが満載で、ドキドキハラハラの連続でした。
毎回、菅田さん演じる久能整(くのう・ととのう)の行く先々で、様々な事件が勃発。そこで整は人並み外れた洞察力と観察力で、事件を解決へと導きます。第4回では、なんと整は、一歩間違えれば大惨事となる爆弾魔と対峙しました!
2月7日(月)に放送される第5話では、なぜか整が、22年前に起こった未解決事件に関わっていきます。その前に、まずは、整と爆弾魔とのスリリングな心理戦が描かれた第4話の見どころを振り返ってみましょう。
第4話はここがしびれた!
(これより以下、4話のネタバレを含みます)
またもや整がカレーを作って食べようとしていた時に、横槍が入るというお約束の展開です。それは、風呂光聖子(伊藤沙莉)からの連絡で、闇サイトにアップされた爆破予告場所の特定をすべく、アルファベットの暗号文を解読してほしいとのことでした。
実際に整は、先行して起きた爆破予告の暗号が、江戸川乱歩やアガサ・クリスティーなど、ミステリー作家とその著書にまつわるものだと指摘。まさにミステリーファンにはたまらない内容でしたが、風呂光たち警察サイドと同様に、今回も整のクレバーさにうなりました。
でも、それだけで終わらないのが、このドラマの面白さ。警察は闇サイトへの投稿アドレスから被疑者を割り出しますが、その男が犯行を否定。どうやら真犯人によるミスリードだったようです。
今回のゲスト俳優は、演技派俳優の柄本佑で、彼が爆弾を仕掛けた真犯人・三船三千夫役を演じていました。雨に濡れ、どこか怪しげなオーラをまとう柄本さんと菅田さんの演技合戦は、まさに相手にとって不足はなしという形で、見ごたえたっぷり。
毎回、このドラマでは、誰かが自分の暗い過去に向き合う構図が取られますが、今回の犯人の闇は、かなり根深くも切ない内容でした。
爆弾魔の犯行動機は、自分を捨てた母への愛と憎しみだった
整とのやりとりのなかで、三船は自分の過去を語り始めます。まずは、小学校4年生の時の担任の先生を心から好きだったこと、先生に夏祭りに連れていってもらったこと、母親が幼い頃に自分を捨てて家を出ていったこと、それ以来、ずっと学校でいじめられていたこと、心から憎んでいた母親が、小学校6年生の時に亡くなったこと、などを告白していきます。
やがて整は、三船が語った過去と、彼が次々に口にした“3”にまつわるキーワードから、「あなたが爆弾を仕掛けたのは、最悪の思い出の報いを受けるべきところ」として、その場所が、母校の音楽室であると導き出したのです!
そして、そこからの落としどころが、なんとも哀しいものでした。三船の名前は「三船三千夫」ですが、三船は大好きだった小4の時の担任の先生から「3は最も神聖な数字で、名前に入っているといいらしい」と教えられていたんです。
整は三船に「その先生が好きだったんですね。また会ってみたらどうですか?」と提案しますが、そこで三船は「俺が6年の時に死んだよ」と答えたのです。整は「それはお母さんだって……?」と聞き直しますが「そうだよ。後から教えられたんだ」と告白。
え……!ちょっと待ってください。つまり、彼の大好きな小4の時の担任が、実は心から憎んでいた母親だったということですか!このつながりはかなり衝撃的で、なんだか胸がしめつけられました。
しかも整は、三船がわざわざ爆破予告の際に暗号文を残した理由について「あなたは爆破を止めてほしかったんですね。あなたは本当は、お母さんを大好きなんだと、僕は思います」と指摘。この言葉を聞いた時の、柄本さんの表情を見て、ママパパはきっと、かなり涙腺を刺激されたのではないでしょうか。これは辛い。切なすぎました(涙)。
第5話では、整が22年前に起こった未解決の連続殺人事件に挑む
5話は、爆弾魔だった三船とのやりとりをしたあとからスタートします。頭を打った整(菅田将暉)は、幸いにも外傷はなかったようですが、念のために大隣総合病院で検査入院をすることになりました。
そこで、元刑事で今は退職したという入院患者・牛田悟郎(小日向文世)から、22年前に売春する女性が次々に殺害された未解決事件についての話を聞きます。また、永山瑛太演じる犬堂我路からある荷物が到着。果たして事件の真相は!? また、我路が事件とどう関わっていくのかも楽しみですね!
文/山崎伸子
カレー好きで天然パーマの大学生・久能 整(くのうととのう)がある日、
殺人事件の容疑をかけられて…!?整の言葉に、事件の謎も人の心も解きほぐされていく新感覚ミステ
月刊フラワーズ(毎月28日頃発売)にて連載中!
連載バックナンバー