カメルーンってどんな国?
カメルーンと言えば、「サッカーが盛んな国」というイメージをもつ方が多いでしょう。2002年ワールドカップ日韓大会では、大分県中津江村(当時)をキャンプ地とし、人気を呼びました。経済的にもアフリカの中では比較的安定しています。
日本とカメルーンは、独立に対してすぐに日本が承認したことから良好な外交関係にあります。ここからは、カメルーンについてさらに詳しく知っていきましょう。
カメルーン基本情報
まずはカメルーンの基本情報からご紹介します。
国名
カメルーン共和国
首都
ヤウンデ
場所
北東にチャド、東に勇往アフリカ共和国、南東にコンゴ共和国、南にガボン、南西に赤道ギニアと、多くの国と接しています。西はギニア湾に面しています。
日本との時差
8時間(日本のほうが8時間進んでいる)
面積
475,440平方km
日本の面積の約1.3倍にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
カメルーンは次の10の州に分かれています。
・アダマワ州:ンガウンデレ(中心都市)
・中央州:ヤウンデ
・東部州:ベルトゥア
・極北州:マルア
・沿岸州:ドゥアラ
・北部州:ガルア
・北西州:バメンダ
・西部州:バフサム
・南部州:エボロワ
・南西州:ブエア
人口
2,722万人
東京都の人口の約2倍にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
フランス語、英語(共に公用語)、その他各部族語
フランス語が人口の約70%、英語が人口の約30%で使用されています。
通貨
CFAフラン
1CFAフラン=0.22円(2023年2月25日時点)
宗教
カトリック、プロテスタント、イスラム教、その他のキリスト教等
歴史
・1884年、ドイツの保護領となる
・第一次世界大戦でドイツが破れた後は、イギリス領カメルーンとフランス領カメルーンとなる
・第二次世界大戦終、国際連合の創設に伴って、1957年にフランス領カメルーンには自治を認められる
・1960年1月にカメルーン共和国として独立、初代大統領としてアマドゥ・アヒジョ大統領が就任
・1972年に連邦制が廃止され単一共和国になる
・1982年、ビヤ大統領が就任し、現在も長期政権を維持している
天気・気候
国土のほとんどが熱帯性気候に属し、南部の沿岸地域は熱帯雨林気候に属します。とくに南部は年間降水量が4000mm以上と、世界的にも雨量の多い地域として知られています。北部は7~8月が乾季で、南部は1~2月が乾季です。気温は17~32℃程度を推移します。
カメルーンの治安・住みやすさ
結論から言えば、カメルーンの治安や住みやすさは良くありません。カメルーンに興味をもち訪れる際には、十分な注意と準備をしましょう。
治安は悪い
外務省によると、国土全体で危険性があります。南側を除く国境付近や北東部、北西部の地域は危険レベル2以上に定められています。とくに、最北東部の地域は、最高危険レベルの4に指定されており、退避命令が下されているほど危険です。理由としては、イスラム過激化組織が多くの犯罪や危険行為を行っているためです。
また、レベル1に指定されている首都ヤウンデでも、2020年以降から爆発物による爆発事件または未遂事件が、複数回発生しています。もし、渡航する場合には「人が集まる場所に行かない」「不審物を見つけたら離れる」など十分な安全対策が必要になります。
住みやすさは悪い
治安が悪いため、当然住みやすさも良いとはいえません。
カメルーンの物価は日本と比べると約5分の1で、ものにもよりますが基本的に安いです。しかし、観光客の移動手段に使われる「貸切タクシー」は高くなっています。
カメルーンの見どころ・観光
カメルーンにはさまざまな見どころと観光スポットがあります。
ワザ国立公園
最も観光客の多い国立公園で、カメルーンの北部にあります。ライオンやキリン、ダチョウ、ヒヒなどが多種多様な動物たちを目の当たりにできます。ガイドに同行してもらえば園内を車で周れるので、より楽しめること間違いありません。園内は17万ヘクタールと広大です。時間をかけてじっくり楽しむことをおすすめします。
ロベケ国立公園
カメルーンの東部州に位置する国立公園。多種多様な森林植物のほか、300種以上の鳥類、チンパンジーやゴリラ、クロコロブス(英語版)のような霊長目やヒョウ、さらにマルミミゾウとニシローランドゴリラがアフリカでも最も多く棲息している地域です。
カメルーンでは、2012年にジャー動物保護区に続いて2件目の世界遺産となりました。
再統一記念像
再統一記念像は、ヤウンデにあります。1974年に建てられ、今ではヤウンデのシンボル的存在です。ソフトクリームのように渦巻いたモニュメントを背景に、子どもを抱えた像が建てられており、独特な光景を望めます。
そもそも再統一記念像は、1972年にイギリス領とフランス領のカメルーンが再統一したことを記念して建てられたものです。再統一を表すものとして、ソフトクリームのようなモニュメントをデザインしています。
ジャー動物保護区
1981年に世界遺産に登録された動物の保護区です。100種類以上の哺乳類、350種類ほどの鳥類に加え、1500種類以上の植物を目の当たりにできます。絶滅が危惧されているニシローランドゴリラやマンドリルをはじめとする霊長類が生息しているのも特徴です。
ジャー保護区には、「バカ・ピグミー」と呼ばれる部族が住んでおり、今も自然と共存しています。運がよければ先住民に遭えるかもしれません。
ヤウンデ国立博物館
ここにはカメルーンの文化や伝統芸能に関する展示品が展示されています。資料が豊富なため、カメルーンの歴史を詳しく学べます。
欧米列強からイギリスやフランスなどに植民地支配を受けたカメルーンの歴史を、初めて知る人でもわかりやすいように展示されています。インターネットや書籍だけでは知ることのできない歴史を学べるため、ぜひ立ち寄って欲しい博物館です。
聖アナスタシア森林公園
聖アナスタシア森林公園は、「都会のオアシス」と呼ばれている静かな公園です。ヤウンデの幹線道路沿いにありますが、鳥のさえずりや流れる水の音、木々が風で揺れてこすれる音がよく聞こえ、癒しのスポットと言えるでしょう。
園内にはさまざまな種類の花も咲いており、度々、結婚記念の撮影も行われます。自然が好きな方におすすめの観光スポットです。
エコム・ヌカム・ウォーターフォール
人の往来が少ない場所にエコム・ヌカム・ウォーターフォールがあるため、ダイナミックな絶景を独り占めできます。高さ82mから水が流れ落ちる光景からは、目を離せなくなってしまいます。アクセスに時間を要し、付近を歩くのが大変ですが、それ以上のものを得られること間違いありません。
カメルーンの特徴・有名なもの
見どころや観光スポット以外に、カメルーンで知ってほしい魅力があります。
サッカーが盛ん
カメルーン人にはサッカー好きが多く、盛んに行われています。日本サッカー、Jリーグのヴィッセル神戸やガンバ大阪で活躍した、カメルーン出身のパトリック・エムボマ選手は、サッカーファンの中で言わずと知れた元プロサッカー選手です。
多民族国家
カメルーンには、250もの異なる部族が存在していると言われています。代表的な民族としては、バミレケ族やバウアン族、バッサーバココ族・ドゥアラ族、バカ族、フルベ族などが存在します。多民族であることから文化や言語が混在しますが、長きにわたり共存しているのです。
コーヒー豆
カメルーンではコーヒー豆と紅茶の生産が盛んに行われています。コーヒー豆は数ある種類の中でも、栽培条件が厳しいアラビカ種を生産しています。
カメルーン産のアラビカ種コーヒー豆は、ソフトな甘味や酸味が感じられ、フローラルな香りを漂わせているのが特徴です。カメルーンでは、スペシャリティコーヒーと呼ばれる高品質なアラビカ種の豆も生産しています。
自然や動物、さまざまな文化と触れ合えるカメルーン
カメルーンは広大な自然やそこに生息する動物、多くの民族・部族を見ることができます。カメルーンにはアフリカの魅力が凝縮されており、アフリカが好きな方にはたまらない国といえます。
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文・構成/HugKum編集部