コートジボワールってどんな国?
コートジボワールは、世界有数のカカオ豆生産国として知られています。そのおかげで、他のアフリカ諸国と比べると、比較的豊かな国とされ、「西アフリカの優等生」と呼ばれています。年配の人なら「象牙海岸共和国」という名称のほうが馴染みがあるかもしれません。
そんなコートジボワールについて、さらに詳しく見ていきましょう。
コートジボワール基本情報
まずはコートジボワールの基本情報からご紹介します。
国名
コートジボワール共和国
首都
ヤムスクロ
場所
西アフリカに位置し、北のブルキナファソ、マリ、西のギニア、リベリア、東のガーナに挟まれています。南の大西洋にも面しています。
日本との時差
9時間(日本のほうが9時間進んでいる)
面積
322,436平方キロメートル
日本の約1.1分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
コートジボワールは自治区2つ、12の地方に分かれています。
・アビジャン自治区
・低サッサンドラ地方
・コモエ地方
・デンゲレ地方
・ゴー=ジブア地方
・ラック地方
・ラギューヌ地方
・モンターニュ地方
・サッサンドラ=マラウェ地方
・サヴァヌ地方
・バンダマ渓谷地方
・ウォロバ地方
・ヤムスクロ自治区
・ザンザン地方
人口
2,638万人(2020年)
東京都の人口の約1.9倍にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
フランス語(公用語)、各民族語
通貨
CFAフラン
1CFAフラン=0.22円(2023年2月25日時点)
宗教
キリスト教39.1%、イスラム教33.7%、伝統宗教4.4%、その他の宗教0.6%、無宗教22.2%
歴史
・14世紀以前、グリシャボ、ベチェ、アンデニュ等の王国が混在
・1893年、フランスの植民地になる
・1958年9月、仏共同体加盟
・1960年8月、コートジボワール共和国として独立
天気・気候
コートジボワールの気候は、北部と南部で異なります。北部はサバンナ気候、南部は熱帯雨林気候に属します。雨季が5~9月で、乾季が10~4月です。24~31℃程度の気温を推移し、乾季には気温の変動が大きくなります。12~3月にはサハラ砂漠の砂塵が降り注ぎ、100m先の視界不良や目のかゆみが出るため、注意が必要になります。
コートジボワールの治安・住みやすさ
結論から述べると、コートジボワールの治安や住みやすさは悪いといえます。いったい何故でしょうか。詳しく見ていきましょう。
治安は悪い
外務省から国土全体に危険レベル1以上が定められています。中でも、コートジボワールの西部や北西から北東にかけては不要不急の渡航を止めるよう勧告する「危険レベル2」以上です。
理由は、隣国のマリやブルキナファソの武装集団の活動が活発化しているためです。近頃は、活動範囲が南に広がりつつあるようなので、基本的にコートジボワールへの渡航は控えたほうが良いでしょう。もし、渡航する場合も、できるだけ危険の及びにくい地域を選ぶ必要があります。
住みやすさは悪い
コートジボワールは経済成長が著しいためさまざまな整備が進んでいますが、治安が悪いため住みにくいといえます。
基本的に首都であるアビジャンに限り、利便性は比較的良いといえます。まず交通の利便性は、安全性や物流などの観点から、アビジャンを中心に道路や交通機関の整備が積極的に進められている状態です。比較的バスやタクシーが豊富で、費用も安くなっています。
しかし、日本のような路線図や時刻表は整っていない状況です。生活の利便性としては、大きめのスーパーがあるため必要なものは揃います。
まとめると、治安が改善されれば住みやすい国といえます。
コートジボワールの見どころ・観光
コートジボワールの見どころや観光スポットについて見ていきましょう。
グランドモスク
コートジボワールのグランドモスクは、青色のドームと細長い塔が特徴です。資金不足によって今もなお完成していませんが、礼拝の場所として地元の人々に利用されています。
そもそも「モスク」とは、イスラム教の礼拝堂のことです。国民の3割ほどがイスラム教徒のため、グランドモスクは欠かせない存在となっています。
セントポール大聖堂
コートジボワールのセントポール大聖堂を訪れるとまず魅入るのが、イタリア人建築家によって建てられた建造物の特徴的な形とデザインです。セントポール大聖堂を見守るように像も建てられており、中に入る前から魅了されます。タイミングが合えば、練習している声楽隊の歌声が外まで聞こえてきます。
大聖堂の中には、美しく輝くステンドグラスがあり、非日常感を体験できるでしょう。
コモエ国立公園
1983年にユネスコの世界遺産に登録されたコモエ国立公園。面積が11,500平方kmと、西はアフリカ最大級の規模となっています。
園内は草原地帯や森林地帯、湿地帯とさまざまな環境から構成されていて、それぞれ多くの動植物が生息しています。具体的には、ライオンやヒョウ、レイヨウ、ワニ、チンパンジー、約400種の鳥類などの動物たちに加え、多様な植物も見ることができます。
グランバッサム歴史都市
グランバッサムは、フランスによって築かれた、コートジボワール最初の首都です。交易や経済活動の拠点となっていました。植民地様式の建造物が見られ歴史を感じさせられます。
グランバッサムは、居住区、行政区、商業区に加え、元々住んでいたンズィマ人地区の4つに分かれていました。さらに居住区は、ヨーロッパ人とアフリカ人それぞれの専門居住区が設けられていたのが特徴です。
ラ・カスケード
ラ・カスケードは滝を望める観光スポットです。階段のようになった岩を水が流れて落ちており、涼しさを感じることができます。コートジボワールは1年中夏のため、暑さしのぎにうってつけでしょう。
暑さによって水が干上がり、閉鎖されている場合があります。訪れる際は事前に情報収集しておいたほうがよいでしょう。
トレイクヴィル
トレイクヴィルはアビジャンにある都市コミューンの 1 つで、活気のある商業地域です。繁華街や市場では、食料品をはじめ、衣類や日用品、工芸品、アクセサリーなど豊富な商品が販売されています。
コートジボワールの特徴・有名なもの
観光スポット以外に、コートジボワールの特徴や有名なものについて見ていきます。
「サッカー」エレファンツの愛称で親しまれるコートジボワール代表
エレファンツは、「平和の象徴」として国民に愛されています。
実は、政治的な理由でコートジボワール政府がエレファンツの育成に力を入れています。コートジボワールでは、信仰している宗教の違いから内戦が起こったことがあります。
エレファンツの選手たちは、イスラム教徒やキリスト教などが混在していても一緒に戦っています。それを国民に見せることで国民の分裂および内戦を防ごうとしているわけです。
カカオ豆とカシューナッツの生産が世界最大級
カカオ豆の生産量は、世界で1位(2019年時点)、未加工カシューナッツの生産量も世界1位(2021年度)と、それぞれ世界最大級の生産量を誇っています。
しかし、カカオ豆の生産において問題が発生しています。コートジボワールの国土にあった25%の熱帯雨林が4%未満まで減少、さらに気候変動やカカオの樹齢の増加など、重大な問題が積み重なっているのです。
アチェケとフトゥ
アチェケとフトゥはコートジボワールの代表的な料理です。
アチェケは、キャッサバ(和名は芋の木)と呼ばれる植物を材料にして作られます。乾燥状態のアチェケはクスクスと似たような形態です。
一方、フトゥはヤムイモやキャッサバ、バナナなどをモチ状にしたものを指します。使う材料によって呼び名が変わり、ヤムイモで作った場合は「フトゥヤム」、バナナを混ぜた場合は「フトゥバナニ」と呼ばれます。
急成長の国「コートジボワール」
近年コートジボワールは急成長を見せており、これからますます発展していくことが予想されます。それによる治安の改善も期待できるでしょう。
コモエ国立公園やグランバッサム歴史都市など、魅力の多いコートジボワールに安心して訪れることができる日が待ち遠しいところです。
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文・構成/HugKum編集部