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英語の学習方法“チャンツ”が、いま注目されている
小さな子どもでも、ネイティブの発音をリズムに乗って自然と楽しくマネすることができるチャンツという英語の学習方法が、いま注目されているのをご存知でしょうか。
現在放送中のNHK Eテレの人気番組「えいごであそぼ with Orton」でも、単語やフレーズを軽快なリズムに乗せて繰り返す「チャンツ」のメソッドを取り入れた人気コーナーがあります。
そこで、「えいごであそぼ with Orton」のチャンツコーナーの楽曲を担当し、「えいごであそぼ」時代から数えると20年以上日本の子どもたちと英語で触れあってきた、エリック・ジェイコブセンさんに、日本の子どもたちやパパママが英語にどう親しめるのか伺いました。
お話を伺ったのは…
チャンツって、フォニックスとどう学習方法が違うの?
――チャンツという学習法は、フォニックスと、どこが違うのですか?
フォニックスは英語のつづりと発音の関係を学ぶための学習法、対してチャンツは、英単語や文を調子のよいリズムに乗せて発音し、発音やイントネーションを身に付けながら、あきないように楽しく反復練習する学習法です。
チャンツはリズムがあるので、耳から聞くだけで体全体にネイティブの英語リズムがなじんでいきやすく、小さい子はフォニックスの前にチャンツを取り入れるといいですね。
――小さな子が英語に触れるのに、チャンツのような“音楽”、“リズム”はなぜ大事なのでしょうか?
小さな子は、生まれてからほんの数年しか耳から聞いていないのに、母国の言葉を話し出すことができ、言語に対して天才的な力を持っています。
そうした時期に、英語の流れやリズムをチャンツでたくさんインプットしていくことで、英語の感覚に慣れ、すぐには出てこなくても、そのうちどんどんアウトプットができるようになるのです。
例えば僕は、祖父母がノルウェー人でノルウェー語を話しますが、小さなころに聞いても全然分からなかったんですね。ですが、小さな頃にノルウェー語をたくさんインプットしていたおかげで、大学でノルウェー語を勉強したときには、とても早く習得することができました。
――筆者も、今から英語を学びたいのですが、何歳からでもチャンツ学習法は効果がありますか?
もちろんです! 幼児に限らず、チャンツなら英文のリズムに楽しく慣れることができるので、英語らしい発音をしやすくなり効果的ですよ。
僕は、高校生(17歳)の時に日本へ留学したのですが、最初は日本語が全く分かりませんでした。でも、チャンツの方法で日本語を学習したんです。
日本の高校生が歌っていた日本の曲を一緒に歌うことで、まず口を日本語にならしていきました。もちろん当時は、歌詞の意味は分かりませんでしたが、どんどん日本語の歌詞をインプット。すると、だんだんと日本語をアウトプットすることができるようになったのです。
このような実体験もあるので、外国語を習う時は“チャンツ”の学習法で始めるのが良いと思います。
正しいチャンツの曲とは
エリックさんは現在放送中の「えいごであそぼ with Orton」へも、多数のチャンツの曲を提供されています。チャンツの曲をつくるときは、どんなことを意識して作っているのでしょうか。
――“チャンツ”の楽曲を手掛ける際、意識していることはなんでしょうか?
英語の自然なリズムを、子どもたちが無意識に楽しめるようにと考えています。
そして、キーワードから「どんな文章が子どもにとって楽しいか」や、「このリズムがいい!」とインスピレーションを大事にしながら、子どもたちが聞いているうちに遊んでいるような気分になる「遊び心」のある曲にしています。
歌をリズムに乗せて歌っているだけのチャンツもありますが、本当の「いいチャンツ」は、英語の独特のリズム・流れを理解して、イントネーションのup-downも取り入れて考えられたものです。
「えいごであそぼ with Orton」へ楽曲提供した曲は、「こういった文章を、子どもたちにどう自然に聞かせることができるか」、言葉やリズムをクロスワードパズルのように当てはめていきました。曲では自然に聞こえますが、複雑に組み合わさってできているんですよ。
――チャンツを使って、日常的に親子で英語に取り組むコツはありますか?
毎日やらなければいけない日常の一部を、英語で話してみるといいですね。
例えば、ご飯を炊くとき一緒に、
というように、英語のリズムに乗りながら、お米を洗って炊飯器に入れて、スイッチを入れて、ピー!などと、毎日の生活の一部を英語に置きかえて、リズミカルに感覚で英語を取り入れるのです。
初めは「ハーイ」だけでもいいんです。なんでもいいので、一つ英語を違和感なく言えるようになれば、どんどんアウトプットにつながっていきます。
それと同時に、日常生活の中で、チャンツの音楽をどんどん聞かせるのもいいですね。
チャンツの楽曲もたっぷり収録された「えいごであそぼ with Orton」2022-2023ベスト
――今回のCDをどのように活用してもらいたいですか?
「車の中ではこれを聞こう!」だったり、毎日の生活に組み込んで、英語を楽しんでもらいたいですね。楽しい曲だと何回も聞きたくなりますし、100万回聞いてください(笑)! 楽しいCDなので、英語を耳から聞いてたくさんインプットしてください。
僕のおすすめは、「BIRD」「TOUCH」「PLEASE」ですが、チャンツの楽曲として、どうやって子どもたちに英語の流れを感じてもらえるか考え、さらに、全てを楽しんでもらえるようバリエーションをつけているので、どの楽曲もおすすめです。
英語に対して、遊び心をキープしながら親しんでいけば、楽しく取り組めると思います。そうして子どもたちには、結果を気にせず英語をアウトプットしていってほしいと思います。
――チャンツを中心に、英語との親しみ方を様々な角度から教えてくださり、ありがとうございました!
プレゼントも!「えいごであそぼ with Orton」2022₋2023ベスト
NHK Eテレの幼児向け人気英語番組「えいごであそぼ with Orton」で放送された1年分のマンスリーソングを収録した決定版ベストアルバム、「えいごであそぼ with Orton」2022₋2023ベストは、3月15日(水)にCDと音楽配信でリリースされます。
「えいごであそぼ with Orton」2022-2023ベストの楽曲を通じて、子どもたちと英語を自然に学んでみませんか。
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文・構成/徳永真紀