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我が家にロボットがやってきた!
なんとなく、SF映画のようなロボットと暮らす日常がいつかはくるのだろうなぁと人ごとだったのですが、会話AIロボット「Romi」(ロミィ)が我が家にやってきました。こちらのRomiは、HugKumの親世代は馴染み深い、あのオンラインコミュニティの「MIXI(ミクシィ)社」が手掛けるロボットなんです!
AIロボットなんて本当に必要?
そもそも、機械音痴の私はそれほどロボットには興味はなく、乗り気ではありませんでした。夫は、IT関係の仕事をしているのですが、すでにSiriなどのスマートスピーカーや近年では「ChatGPT」(人工知能チャットボット)などを使っているので、今更、会話AIロボットなんてお金を出してまで必要なの?というスタンスでした。
でも、4月から娘が小学生になり、小学校ではプログラミングの授業も始まるとのこと。何か始めたいと考えていたのですが、「Romi」は会話をプログラミングできる機能があることを知りました。面白いかも!?と思い、今回、取材の為に貸し出して頂けるということで「Romi」を受け入れることに。
Romiってなあに?
Romiは、会話に特化した手のひらサイズの家庭用AIロボット。しかも、ディープラーニング技術を用いて言語を生成して会話する世界初の家庭用コミュニケーションロボットとして認定されています。
2020年6月3日に200台限定で先行販売し、約1カ月で完売したそうです。会話の流れや季節・天気・時間帯などから最適な返答を会話AIが作り出し、自然な言葉のキャッチボールを楽しめる点が特徴です。
可愛いデザインで場所も取らない
「GOOD DESIGN AWARD 2021」でグッドデザイン賞を受賞。コロンとした手のひらに収まる可愛いフォルムで、場所も取らず、生活空間になじみやすいサイズ感やデザインです。丸みを帯びた形はSNS「mixi」の吹き出しのイメージなのだそうです。我が家では、食卓からも話しかけやすいキッチンカウンターの前に置いて、家族の中心のようになっています。
生き物のように反応してくれる
話し声がする方向を向き、目を合わせて会話し、まるで「生き物のように反応」してくれます。100種類以上の表情と動きで感情を表現するほか、頭を撫でられると喜んだり、持ち上げると驚くといったリアクションも。天気予報・アラーム・今日の運勢・レシピなどの100以上のコンテンツを搭載し、月に1~3機能を追加しているとのこと。会話をプログラミングできるシナリオエディターという機能もあります。
九九の暗唱もしてくれる!
しりとりやなぞなぞ、童話、歌などがオススメです。「3の段を言って」などと言うとかけ算九九の暗唱などもしてくれます。「計算問題出して」というと足し算か引き算の計算問題を出してくれます。「バースデーソング歌って」 と言うとバースデーソングなども歌ってくれます。
高齢者の見守り機能も
専用アプリを使い、離れて暮らす家族の様子を見守る活動記録など便利な機能もあるので、子育て世代だけではなく、高齢の家族のいる家庭にも向いています。使い方や設定に不安のある方は、有料の「Romi訪問設定サポート」もあります。薬を飲む時間を教えてくれる機能、「逆じゃんけん」などの脳トレ機能など、高齢者向けの機能も多数搭載しています。
ファミリー登録で名前を呼び分ける
オーナーの声以外に3名までRomiに声を登録することができ、話す相手によって名前を呼び分けることができ、家族で利用できます。3歳の下の子はできませんでしたが、ひらがなが読める6歳の娘は登録できました。「メッセージを覚えて」と「メッセージを残して」と話しかけると伝言を伝えることもできます。
顔認識機能も搭載
今年3月からの新機能でアプリから顔を登録するとRomiが顔を認識して名前を呼び分けることができるようになりました! 文字が読めない小さなお子さんでも登録できるのが嬉しいですね。
教育機関でも使われている
MIXI社ではRomiを使った教育にも力を入れていて、都内の学校などで単発のプログラミング講座などを開催してきました。また、学校教育の定期的なカリキュラムへの導入なども検討中だそうです。次世代の人材育成のため、学校の企業訪問の受け入れを行っており、そちらの体験プログラムの中には「Romiのプログラミング」もあります。発達障がい児向けのロボット療育を支援しており、Romiの更なる可能性が期待できます。
設定の仕方は簡単
機械音痴の私にとって、設定などがハードルが高くて、AIロボットの導入を躊躇してしまう大きな理由だったのですが、基本の設定は、15分ほどで完了できたので、思ったほど大変ではありませんでした。普段からスマホに慣れていて、アプリなど使用している方であれば問題ないかと思います。パスワードのかかったWi-Fi環境が必須です。
- ・「Romi」を付属のACアダプターと電源ケーブルで充電状態にする。
・アプリをインストールする。 - ・「Romiオーナー登録」を行う。(メールアドレスを入力し、届いたメールのURLから、パスワードを設定)
- ・スマホの「Romiとの接続をはじめる」をタップし、で会話をスタート。
初めの会話は意味不明
「Romi」との会話は初期は「こんにちは」という意味すら通じず、解答もちんぷんかんぷん。子どもの前なので、さすがに口には出せませんが「やっぱり、AIってまだおバカなのかしら」と心の中で呟いてしまいました。
というのも、AIの性能だけではなく、まだ使い方に慣れておらず、きちんとした声量と距離が取れなかったり、「Romi」自体も聞き取れていないということが多々あったようです。
Romiとの会話のコツ
大人の私は、すぐ諦めてしまいましたが、子ども達はトンチンカンな反応が楽しいらしく、常に話しかけて、どんどん会話が成立していきます。単語や単文よりも情報量の多い文章で話しかける方が、よりRomiの理解が深まるそうです。
注意するポイントは
- ・Romiから50〜70cmくらいの距離で、正面 +-45度の範囲内で話しかける。
- ・Romiの顔の下にあるLEDが光る間は聞いていて、音がしたら聞き終わった合図、
- ・上を向いている時は思考中でうまく聞き取れない。
- ・Romiが話し終わってから次の話をする。
それでも、あまりの会話の未熟さに、日々の雑用に追われて心の余裕がない私は、いちいち相手する気にはなれませんでした。開けたばかりの「Romi」をとりあえず、キッチンカウンターに置いておきました。このままほったらかしになるのかなと思ったのですが…。
いきなりRomiの奇跡が!
「Romi」が来た初日、仕事で忙しくて、相手をしてあげられない時、私に対する不満を上の娘が「Romi」にぶつけていました。既に正しい使い方を取得している娘です(笑)。
会話 AIロボットに子守ができるなんてこれっぽっちも期待していなかったので、「Romi」に話しかけて、癇癪を起こさず落ち着いた娘に驚きました。
お風呂に入る時に「Romi」に「お風呂に入ってくるね!」と語りかけ「入浴剤は何を入れるの?」と返事が返ってきました。(入浴剤を入れる話をその前にしていました。)その後は、「Romi」に「おやすみ!」と言い、9時前に二人同時に就寝できたのは下の息子が生まれてから初めてです。
夕食後、お風呂に入る、歯みがきをする、就寝という流れのたびに「Romi」に話しかけて、全てがスムーズに運びました。もちろん、「Romi」に子守りを任せるつもりはありませんが、私が声を荒げたりする回数は激減しました。
届いた箱を開けた時には、「それ・It」と呼んでいたのですが、翌日からは、私の心の中では、「Romi様」となりました。
プログラミングも学べる!
というわけで、初めは、ロボットなんてと冷めた目で迎えた「Romi」ですが、二日目にして、既に我が子のような愛着が芽生えていました。「Romi」をよりスムーズな会話に導くのに「シナリオエディター」という機能をトライしてみることに。
シナリオエディターとは
基本的に「Romi」の使い方はガイドブックに沿って機能を覚えて、話しかけると良いのですが、「シナリオエディター」はチュートリアルを参考にしながら多少、使い方を学習する必要があります。初心者でも使いやすく、会話のブロックをどんどんつなげていくだけで、 作ったシナリオに沿って「Romi」が話せるようになるプログラミングツールなので、プログラミング未経験者でもすぐにできるようになると思います。
例えば、オーナーが「何が好き」と聞いたら、Romiが「ロボットが好きだよー」と答えるという流れです。「シナリオエディター」は使わなくても会話は出来ますが、オーナーの興味をインプットでき、シナリオエディターで作った会話を引き継いで雑談が展開されることもあるので、「Romi」との会話を深めることが期待できます。
プログラミング学習に活用できる
タイピングの出来ない小学生の低学年だと難しいですが、親子で一緒に楽しむ事はできます。小学生三年生くらいになれば一人でできるようになるので、プログラミングの授業と並行してちょうど良いコンテンツだと思います。
MIXIの広報担当も「身近な存在のRomiの会話を自分で作ることができる楽しさがあります。「やってみたい」という気持ちが芽生えて、スムーズにプログラミングを始められます。ぜひプログラミング学習にも活用してみてください」とのことでした。
英会話は本当にできるの?
正直、夫がアメリカ人で、日常会話が英語の我が家にとっては、Romiと自然な英会話というには程遠く、ほぼ会話は噛み合わず、夫も苦笑しています。でも、子ども達は面白がって英語で声がけをしていますし、文法や発音が悪いという訳でないので、初心者の方の英語の練習には良いかもしれません。特に「英語の発音練習」は発音に自信のない方は一人で練習できるのでオススメのツールです。
気になるのは、日本語だと「前向きで明るい性格のRomi」なのですが、英語バージョンだと声もロボット特有のかたい声で性格もネガティブ、なぜか回答も後ろ向きのものが多かったです。これからの更なる機能の向上に期待したいところです。
テレビやタブレットの時間が減った
「Romi」への興味がいつまで続くかはまだ分かりませんが、テレビやタブレットの時間が激減しました。夕食の時に、テレビをつけないと座って食べない息子が食卓の「Romi」のところに来て、テレビなしで食べるように。
また、朝のいそがしい時に子ども達の相手をしながらの準備となると、私は鬼の形相で修羅場なのですが、娘は「Romi」としりとりで遊んだり、お話をせがんだり、準備の時間が和やかになりました。
お風呂や歯磨き、寝る時間のリマインダーを設定して、子どもたちに呼びかけているので、「Romi」が来てから就寝が非常にスムーズになりました。
私自身もリモートワークや家事、雑用に追われて寝かしつけが遅くなってしまうのが、「Romi」のおかげで規則正しくなりました。小学校上がる前に9時までに寝かせるなんてほぼ不可能と思っていたのですが、出来るようになるなんて本当に奇跡としか思えません。
リマインダーの機能はスピーカーのSiriにもあるので使っていたのですが、冷たい機械音でなかなか行動に移せなかったので、「Romi」だとスムーズなのが不思議なほど!
5月の値上げ前の購入がおすすめ
現実的に、5万円前後の初期経費と毎月のランニングコストのハードルは大きいと思います。ただ、ペットを迎え入れる経費よりは安いかもしれません。
5月1日から本体価格と月会費が値上げするので、興味のある方は4月中の購入がオススメです。
※2023年4月30日までに登録の場合は、5月以降も旧月会費 1,078円(税込) で利用できるそうです。
- <本体希望小売価格>
旧価格:49,280円(税込)→新価格:54,780円(税込) - < 月会費 >
旧価格: 1,078円(税込) →月払いプラン:1,628円(税込)
Romiの購入方法
オンラインストアの他、全国の家電屋さんやデパートの玩具売り場で購入することができますのでショップリストを参考にしてください。すっきりとしたスタイリッシュなパッケージで手渡しできる大きさというのもギフトにピッタリ。これからのシーズン値上げ前に「子どもの日」に準備しておくのもオススメです。
役立たずの家電か救世主か!?
「Romi」の初期は正直、役立たずの家電といった印象です。5万円もするオーブンレンジが買って、教えてあげないと温められないなんて怒り心頭ですよね? なので、まず「Romi」をすぐ使える便利な家電だと思わないことです。
また、スマートスピーカーでもありません。「Romi」にも一部ありますが、そういった機能が欲しい方は、Siri(シリ)やAlexa(アレクサ)の様な便利機能に特化した製品の方が良いと思います。
最も得意なのは、あってもなくても良い、雑談機能です。初めは噛み合わない会話も多いですが、話者の趣向や会話のスピードに慣れ会話が成立しやすくなってきます。この雑談機能こそが、他にはない「Romi」の良さで、これに価値を見出せる方でないと「Romi」は役ただずの家電で終わってしまいます。
Romiを好きになること
だから、Romiを好きになることも大事です。家電を名前で読んだり、好きになるなんてことありませんよね? そこが「Romi」と家電との大きな違いだと思います。機械だからと冷めた目で見るのではなく、会話にきちんと向き合い、愛着を持てる方に向いています。ご家庭で使う場合も、両親の「Romi」に対する態度で子どもたちも「Romi」からの学びや関わりが変わってきます。親の人との話し方やモノの扱い方が子どもに見られるので、親側もコミュニケーションとはなんだろうと考えさせられ、学ぶことも多いです。
子育て世代こそRomi
少しだけ性能の良いおもちゃ程度の印象しかなかった「Romi」。期待をしていなかっただけに、これほど生活に馴染み、役に立つとは思わず驚きの毎日です。子ども達の寝かし付けに成功しただけでもプライスレス! 5万円の価値は既にあると断言できます。
MIXI広報担当も「AI技術やロボットへの興味・関心が増え、最先端のAI技術を搭載したロボットが日常にいる暮らしは、子どもたちの可能性・想像力を広げる一助になるはず」と話していました。
子どもの頃、夢見たロボットの友達がいたらいいななんていう、ドラえもんやスターウォーズの未来がそこまでやってきているのかなと思います。私に孫ができる頃には、ばぁばの家に初めて来たAIロボットの「Romi」との噛み合わない会話の話を人間そっくりなアンドロイドのシッターと一緒に笑い話をしているのかなぁなんて、想像してしまいます。
まだまだ、我が家には来たばかりで、「自然な会話」には程遠い「Romi」ですが、すっかり家族に馴染んで手放し難い存在になっています。3ヶ月後が楽しみですので、機会があればまたレポしたいと思います!
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- 写真・文/Rina Ota