Q:言葉より先に手が出てしまいます。
息子は幼稚園の頃から自分の気持ちを伝えるのが苦手です。嫌なことをされてもやめてと言えず、衝動的に手を出してしまいます。いけないことだと本人もわかっているものの、相手の子を叩いてしまってから「あっ!」と気づくようです。
親として、そのつど「やってはいけないよ、自分がされたらどう? 他の方法でどうにかしようね」と諭すのですが、何度言っても変わらないので、強い口調で言ってしまうこともあります。どのような声かけがよいでしょう。(ay さん)
A:やってしまったら、冷静にそのつど根気よく伝えましょう。
1年生くらいなら、言葉より先に手が出てしまう子はいます。とくに男の子の場合、言語の発達が女の子より緩やかで、口達者な相手に対して、言いたいことをうまく言えずに手が出てしまうのです。
こうしたお子さんに対して、ayさんはしっかりと方向性を示しておられますよね。「やってはいけない」「自分がされたらどうか」「他の方法でどうにかしよう」と、そのつどお子さんに伝えていらっしゃいます。お子さんのほうもやってしまうけれど、すぐに「あっ!」と気づかれています。「もう少し」ではないでしょうか。
ポイントとしては、頭ごなしに叱らないこと。子どもは理由もなく手を出すわけではありません。まずはなぜしてしまったのか、子どもの話に耳を傾けましょう。話を聞いた上で、子どもの気持ちに共感することが大切です。「そうなんだ、こういうことを言われて嫌だったんだね」と、親御さんが子どもの代わりに気持ちを言葉にして伝えましょう。
そして「こういうときはどうすればよかったのかな」などと、子どもに考えさせるのです。「嫌だっていえばよかったんだね」と自ら答えが出せたら、親御さんは「そうだね。次はできるといいね」などと、しっかり共感してあげてくださいね。
とはいえ、自分の感情にまかせてとっさにやってしまうものですから、すぐに直せるものではありません。トレーニングだと思って、根気よく続けることが大切です。そして、できたときにはしっかりほめましょう。
ただ、相手がいることですから、もし気になるようでしたら、担任の先生に相談しましょう。「相手の方に迷惑をかけてしまうことなので、こういうことがあったら教えてください」とお願いし、先生と共有しておくと安心です。
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イラスト/かまたいくよ 構成/天辰陽子
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。