目次
「条件付特定外来生物」に指定されたのは、アメリカザリガニとアカミミガメの2種類
アメリカザリガニとアカミミガメは、従来から生態系などに影響を及ぼすことが問題視されていました。そこで外来生物法（特定外来生物のうち、一部の規制がかからない生物）に基づき、新制度の「条件付特定外来生物」に指定されました。これによりアメリカザリガニとアカミミガメは、販売や購入、野外に放すことなどが禁止されました。
2023年8月の時点で条件付特定外来生物に指定されている生物は、アメリカザリガニとアカミミガメの2種類です。
本州以南の野外にいるザリガニはアメリカザリガニの可能性が
アメリカザリガニは、日本全国に広く定着しています。水生植物を消失させたり、水生昆虫の局所的な絶滅を引き起こすなど、生態系などに大きな被害を与えていることが問題となっています。またザリガニペストや白斑病などを保菌して、ニホンザリガニを含む在来甲殻類に大きな影響を与える可能性があります。
本州以南の野外にいるザリガニはアメリカザリガニの可能性が高いです。
アカミミガメは、ミドリガメも含まれる
一方、アカミミガメは、ミシシッピアカミミガメ（ミドリガメ）、キバラガメ、カンバーランドキミミガメの３亜種が条件付特定外来生物に指定されました。
アカミミガメは全国各地に定着し、在来カメ類の日光浴の場所や食物を奪うなどの影響を及ぼします。また、雑食性で水草やさまざまな水生生物を捕食するため、在来生物群集に大きな影響を与えると考えられています。ミドリガメもアカミミガメの子ガメになるので規制の対象になります。
アメリカザリガニ、アカミミガメを家庭でペットとして飼うことは問題なし
法律では、生きた個体の輸入、販売、購入や販売・頒布を目的とした飼育などが禁止されていて、個人が違反した場合、３年以下の懲役、または、３００万円以下の罰金、という重い罰則・罰金の対象になります。
ただし、家庭や学校でペットとして飼育すること自体は問題ありません。寿命を迎えるまで大切に飼い続けてください。どうしても手放さないといけないときは、責任をもって飼ってくれる人や団体などを探して、無償で譲りましょう。
川や池などに放ったり、逃がしたりするのは違法になります！
アメリカザリガニ、アカミミガメを川や池などの野外に放したり、逃がしたりすることは違法です。
これは事業者だけでなく、ママ・パパも違反すると罰則、罰金の対象になります。適切に飼育を行わずに逃げた場合も同様です。庭の池や蓋をしない水槽で飼うと逃げる可能性があるので、注意してください。
また川で釣ったりすることは問題ありません。釣ったら、その場で放すことも違法ではありません。
ただし一度、家に持ち帰ったアメリカザリガニ、アカミミガメを川や池などに放ったり、捕獲した場所から離れたところで放つのは違法です。
アカミミガメの寿命は約30年。安易な気持ちで飼い始めないで！
アカミミガメの寿命は飼育下で約30年です。生まれたときは3cm程度ですが、大きくなると20～30cmぐらいまで成長します。
アメリカザリガニも飼育下では5年ぐらい生きることもあります。
そのため飼うときは、先々のことをしっかり考えてください。「子どもが飼いたいと言ったから」など、安易な理由で飼い始めないことが大切です。
YouTuber マーシー＆環境省の担当者が、子どもにもわかりやすくクイズ形式で「条件付特定外来生物」について解説する動画はこちら！
規制の詳細や飼育などの問い合わせは、環境省のナビダイヤルに
規制の詳細やアメリカザリガニ、アカミミガメの飼育などの問い合わせは、環境省のアメリカザリガニ・アカミミガメ相談ダイヤルまで。
こちらの記事もおすすめ
ナビダイヤル0570-013-110
【IP電話などの場合】06-7739-7899
受付時間は9:00～17:00（12月29日～1月3日除く）
※通話料は、発信者の負担となります。
構成・文／麻生珠恵
