茨城干し芋とは
「茨城干し芋」とは、茨城県で生産された干し芋のことです。国内シェアはなんと9割! 生産量は日本一です。
ここでは、どのエリアで作られているのか、どんなときに食べるのか、歴史や由来などについて解説していきます。
場所・エリア
茨城干し芋が生産されているのは、おもにひたちなか市、東海村、那珂市です。
このエリアで生産量が多いのは、火山灰由来の水はけの良い土壌、寒暖差の大きい気候、ミネラルを含んだ潮風、冬季の長い晴天など恵まれた環境によるものです。
いつ、どんなときに食べる?
茨城干し芋の出荷時期は11月から3月中旬までが一般的です。この時期によく食べられますが、干し芋は保存食であるため、1年を通じて食べることができます。
歴史
干し芋の発祥の地は静岡県といわれています。阿字ヶ浦で暮らしていた照沼勘太郎が静岡県沖で遭難し、静岡で目にした干し芋を茨城で作り始めたことから茨城県に伝わったそうです。
由来、言い伝え
珂湊市(現ひたちなか市)でせんべい屋を営んでいた湯浅藤七や小池吉兵衛という人物が干し芋の製造・販売をはじめ、一気に広がったといわれています。
なお、戦争中は干し芋づくりがストップしましたが、戦後に再び作られるようになりました。
茨城干し芋の特徴
茨城干し芋の特徴には、どんなものがあるのかご紹介します。
特徴1:色鮮やかな黄金色と強い甘さ
茨城干し芋は、ほとんどが色鮮やかな黄金色をしています。また、強い甘さをもつのも特徴のひとつです。
特徴2:うれしい効果がたくさん!
茨城干し芋には、カリウムやビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、食物繊維などが豊富にふくまれています。それにより、腸内環境を整える効果や美容効果、むくみ解消など、うれしい効果が期待できます。
特徴3:使われるさつまいもの品種はおもに4つ
茨城干し芋に使われる品種はおもに4つあります。昔ながらのスタンダードな味わい「玉豊(たまゆたか)」、黄金色で甘さが強い「べにはるか」、濃厚な甘みと粘り気が強い「いずみ」、さっぱりとした味わいが魅力の「シルクスイート」の4つです。お好みの品種の茨城干し芋を探すのも楽しいですよ。
特徴4:干し芋には3つの形がある
茨城干し芋には、「丸干し」「平干し」「角切り」の3つの形があります。
丸干しは小さめのさつまいもをまるごと干して作るタイプ。しっとりとしたやわらかさがあります。また、芋をそのまま食べている感覚が楽しめるのも特徴です。
平干しは、さつまいもをスライスして作るタイプです。あぶったり焼いたり少し加熱することで、よりおいしく食べられます。
角切りは、スティック状の干し芋で、お年を召した方や子どもに食べやすく人気があります。
特徴5:茨城には「ほしいも神社」がある
茨城県ひたちなか市には、「ほしいも神社」があります。令和に元号が変わって初めて創建された新宮で、「ほしいもの」がすべて手に入りますようにという思いが込められています。
鳥居は黄金色でまさに干し芋色! 干し芋の製造を茨城ではじめた小池吉兵衛の銅像もまつられています。
茨城干し芋の食べ方
茨城干し芋はそのまま食べてもおいしいですが、おいしさをアップさせる食べ方や、地元で人気の食べ方もあります。どんな食べ方があるのか見ていきましょう。
食べ方1:あぶる・焼く
地元茨城県で人気がある食べ方のひとつが、干し芋を石油ストーブであぶったり、軽く焼いたりする食べ方です。
少し火を入れることで、外はカリッ、中はもっちりした食感が味わえます。また、香ばしさや甘みも感じられ、おいしさがアップしますよ。
食べ方2:揚げる
地元では、天ぷらやかき揚げで食べる風習もあります。多くの場合は、固くなった干し芋を使うそうです。天ぷらやかき揚げにすることで、衣のサクサクとした食感に加え、モチモチ感も堪能できます。また、塩やしょうゆを少しつければ、塩気と甘みのハーモニーも味わえます。
食べ方3:干し芋をトッピングに
アイスやプリン、パフェに干し芋をトッピングするのもおすすめの食べ方。干し芋のやさしい甘さとねっとりとした食感がプラスされ、普段とはひと味違った味わいを楽しめます。
食べ方4:チーズやバターと合わせて
チーズと組み合わせれば、干し芋の甘みにほどよい塩気が加わり、やみつきになるおいしさ。クリームチーズやスライスチーズ、ブルーチーズなどいろいろなチーズと合わせてみるのも楽しいです。
バターは、焼いた干し芋にのせたり、バターで干し芋を焼いたりして組み合わせます。バターのコクと干し芋の甘みがマッチします。
食べ方5:ケーキの生地に混ぜ込む
パウンドケーキやシフォンケーキの生地に細かくした干し芋を混ぜ込んで焼いてもおいしいです。
茨城干し芋の作り方
茨城干し芋の作り方をご紹介します。
材料
さつまいも
作り方
【1】さつまいもはよく洗い、皮をむかずにそのまま柔らかくなるまで蒸す。
【2】【1】が熱いうちに皮をむく。皮はアクがあるので、厚くむくのがポイント。さつまいもの上下にもアクがあるため、厚めに切るとよい。
【3】【2】を1cm幅に縦に切る。切るときには、釣り糸や絹糸を使うときれいに切れる。
【4】ざるに【3】を重ならないように並べる。風通しの良いところで、1週間天日干しする。ざるからはがれるようになったら、裏返してもう片面も干す。
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茨城干し芋のおすすめ
茨城干し芋を食べたくなった人は多いのではないでしょうか。ここでは、お取り寄せできる茨城干し芋のおすすめをご紹介します。
幸田商店 [べにはるか ほしいも 640g]
茨城県産べにはるかを使った干し芋です。ねっとりとした食感と、明るい黄色と強い甘みが特徴。芋本来のおいしさを堪能できます。
【 塚田商店 】干し芋 スイーツ 平干し 標準品 1.5kg
塚田商店の干し芋はすべて手作業。保存料や着色料といった添加物も不使用です。紅はるかは「蜜芋」と呼ばれるほどで、上品な甘さ、しっとり感が味わえます。
茨城県産 干し芋3種食べ比べセット
こちらの商品は、「玉豊」「紅はるか」「シルクスイート」の3つのさつまいもの品種を食べ比べることができるセットです。おいしさの違う3つの種類の干し芋を食べてみてください。
ほくほく山 紅天使 干し芋 (100g)
こちらは「紅天使」と呼ばれる品種を使った干し芋です。紅天使は濃厚で甘みがあるのが特徴です。
干し芋 茨城 紅はるか 国産 天日干し 丸干し 飴色 800g
紅はるかを使用し、ひたちなか市で天日干しで作られた干し芋。特徴的なのは、丸干しであること。芋をそのまま食べているような感覚が味わえます。
いろいろな食べ方で楽しめる茨城干し芋
黄金色で甘みが強い茨城干し芋。そのまま食べても、アレンジして食べても楽しめます。お取り寄せしたり、自分で作ってみたりして、干し芋を堪能してみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部