あんぽ柿ってどんな食べ物? 作り方や含まれる栄養、有名産地も紹介!

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あんぽ柿とは、柿を硫黄で燻蒸してから乾燥させた干し柿のこと。トロッとした食感と、濃厚な甘さが特徴の加工品です。
今回は、あんぽ柿の特徴や栄養価、干し柿との違い、あんぽ柿の簡単な作り方などを解説。冷蔵・冷凍保存方法も紹介します。

あんぽ柿とは?

あんぽ柿という食べ物を知っていますか?

あんぽ柿とは冬の時期に出回る干し柿の一種で、トロトロとした食感が特徴の食べ物です。今回、あんぽ柿の特徴や由来、有名な産地、栄養をご紹介。また、あんぽ柿の作り方や美味しい食べ方なども紹介しますので、ぜひチェックしてください!

特徴

あんぽ柿は、干し柿の一種で、鮮やかなオレンジ色をした加工品です。あんぽ柿の水分率は50%と、水分をたっぷり含んでいるのが特徴。食感はゼリーのようにトロッと柔らかく、甘みが強いです。主に、蜂屋柿(はちやかき)と平核無柿(ひらたねなし)という渋柿を用いて作られます。

由来

あんぽ柿は、福島県の北部にある伊達市の五十沢(いさざわ)地区が発祥とされています。江戸時代、この地域で製造、販売されたのがはじまりとされ、当時は「甘干し柿(あまほしがき)」と呼ばれていたそう。それが転じて、現在の名称「あんぽ柿」に変化したのだとか。ちなみに、2022年はあんぽ柿の誕生100周年記念の年だそうですよ。

時期

続いて、あんぽ柿が出回るのはいつからなのかをご紹介しましょう。

福島県伊達市の五十沢(いさざわ)地区では、乾燥した風が吹き、気温が低くなる11月頃からがあんぽ柿作りに適した季節なのだそうです。そのため、あんぽ柿の旬の季節は11月から2月。この時期になると、スーパーや百貨店などであんぽ柿が販売されるようになります。

生産地

前述の通り、あんぽ柿の最も有名な産地は福島県伊達市です。そのほかにも、果物の栽培が盛んな和歌山県や山梨県産のあんぽ柿も出回っています。

栄養価(栄養成分)

柿には、ビタミンAやビタミンC、カリウムなど様々な栄養が含まれており、栄養価が高い果物。しかし、干し柿にするとビタミンCはかなり減ってしまいます。一方でビタミンAと食物繊維はグンと増えるのです。ビタミンAには抗酸化作用や皮膚や粘膜を健康に保つ力、食物繊維には腸内環境を整えてくれる効果が期待できますよ。

なお、あんぽ柿のカロリーは商品などによって異なりますが、100gあたり170〜240カロリーほど。水分量が減るため、生の柿よりもカロリーは高くなるようです。

あんぽ柿と干し柿の違いは?

あんぽ柿は、干し柿の一種です。干し柿は、干し方によって名称が異なりますが、ここでは干し柿の代表的な「ころ柿」と、「あんぽ柿」の違いを見ていきましょう。

あんぽ柿ところ柿の大きな違いは、作り方にあります。ころ柿は皮をむいた後、そのまま乾燥させますが、あんぽ柿は皮をむいた後に硫黄で燻蒸してから乾燥させるのです。

一般的に、果物は皮をむくと、ポリフェノール類の酸化によって見た目が黒く変化してしまいます。しかし、この硫黄燻蒸の工程をはさむことにより、酸化を抑えられるため、鮮やかなオレンジ色に仕上がるのだそうです。

また、あんぽ柿の水分率は50%ですが、ころ柿の水分率は25〜30%であるため、あんぽ柿の食感はゼリーのように柔らかくなります。

あんぽ柿の作り方は?

伝統的な工程である硫黄燻蒸であんぽ柿を作ってみたいと思う方もいるかもしれませんが、硫黄燻蒸は密閉容器や硫黄が必要なので、作るのが少し難しいです。また、食品乾燥機があれば乾燥時間が短くて済みますが、一般家庭で用意するのは難しいですよね。

そこで、おうちで簡単にできるあんぽ柿の作り方を紹介します。

1:ヘタを残して、ピーラーなどで皮をむく。
2:柿のヘタの部分に紐をくくりつける。紐の片側に、同じ大きさ・重さの柿をくくりつける。
3:沸騰したお湯に柿を5〜10秒ほど入れるか、焼酎を吹きかけて、消毒をする。
4:雨があたらず、日当たりと風通しの良い場所で、20日~1ヶ月乾燥させる。
※このとき、柿同士がくっつかないようにする。

あんぽ柿の保存方法は?

あんぽ柿は、冷凍できるのか疑問に思いますよね。実はあんぽ柿は冷凍も冷蔵もできます。常温であれば賞味期限は数日ですが、冷蔵や冷凍をすると、より長い期間保存することが可能に!

冷蔵保存

あんぽ柿をキッチンペーパーやラップなどで包み、保存袋に入れます。空気を抜きながら閉じ、野菜室に入れて保存しましょう。1週間〜10日ほど保存可能です。

冷凍保存

キッチンペーパーやラップなどで包み、冷凍用保存袋に入れます。空気を抜きながら閉じ、冷凍庫に入れて保存。2〜3ヶ月ほど持ちます。食べるときは、自然解凍するのがおすすめです。

あんぽ柿の美味しい食べ方は?

続いて、あんぽ柿のおすすめの食べ方を紹介します!

常温、冷蔵、冷凍で食べる

あんぽ柿は、まずはそのまま食べるのがおすすめ。常温で食べるとゼリーのようなトロリとした食感を楽しめますよ。

異なる食感を試したいなら、あんぽ柿を冷やしたり、冷凍してみましょう。冷やしたあんぽ柿は食感がよりしっかりとします。冷凍したあんぽ柿は、シャーベットのようなシャリシャリ食感に!

クリームチーズと一緒に食べる

あんぽ柿はクリームチーズとの相性が抜群。クラッカーの上にあんぽ柿をのせてカナッペにしたり、あんぽ柿とクリームチーズを生ハムで巻いて食べるのも美味しいですよ。

トッピングにして食べる

ドライフルーツのように、パンケーキやトーストのトッピングにして食べるのもおすすめです。また、ヨーグルトのトッピングにしても、あんぽ柿の甘さとヨーグルトの酸味がマッチして、美味しく食べられますよ。

あんぽ柿のおすすめ商品を紹介!

冬に出回るあんぽ柿は、季節のプレゼントとしても最適です。ここでは、贈答用におすすめの高級で上質なあんぽ柿を3つ紹介します。

紀州あんぽ柿(70g×12個)

ふみこ農園のあんぽ柿の水分量は約60%で、トロリととろける食感。冷凍も可能です。

福島県梁川五十沢地区産あんぽ柿(約700g・12~16粒入)

あんぽ柿発祥の地である五十沢地区産の商品です。甘味がぎゅっと濃縮され、ジューシーな味わい。

新潟・佐渡羽茂産 おけさあんぽ干柿(1pc・約250g×5)

佐渡島のブランド柿「おけさ柿」で作ったあんぽ柿。5パックと、大容量なのも◎。

最後に

トロッとした柔らかい食感が特徴のあんぽ柿。その食感や味は、天然の和菓子ともいわれているそうです。食べたことのない方は、ぜひ一度トライしてみてください!

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構成・文/結野雅美(京都メディアライン)

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