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毎回、心を駆り立てる名台詞が登場!今回は「自分を助ける最良の人は自分」
会社ではAIのごとく淡々と仕事をこなす地味なOL、でも夜になれば、ド派手メイクのベリーダンサー「Sali」に大変身するという「セクシー田中さん」(毎週日曜22:30~日本テレビ系で放送)。ここへ来てそれぞれの恋が併走して動き出し、群像劇としての見応えが増してきました。加えて、それぞれの成長ぶりも余すことなく描かれるので、いろいろな登場人物に感情移入してしまいます。
コンプレックスの塊である田中さん(木南晴夏)は、友だちも恋人もいない人生を送ってきましたが、ベリーダンスとの出合いを経て、いまや盟友となった朱里(生見愛瑠)や、恋に発展しそうな笙野(毎熊克哉)たちと良き関係性を築いてきました。そんな田中さんに影響され、いつしか周りの人たちも自分自身を変えようと、いろんな行動を起こしていきます。
第7話で印象的に挿入されたのは、インド映画『マダム・イン・ニューヨーク』の主人公が放つ「自分を助ける最良の人は自分」という言葉。同作は、自分の価値を認めてもらえない専業主婦が、コンプレックスを乗り越えて一歩踏み出すという感動作ですが、やはり自分を変えたいと思うのなら、自分が動かないとダメ、ということなのでしょう。実にいい名言です。本作のDVDは、落ち込んだ田中さんを元気づけようと笙野が届けたものですが、この言葉は、まさに田中さんや朱里、笙野、そして小西(前田公輝)や進吾(川村壱馬)たちの今を言い当てていたなと思いました。
今回の第8話も楽しみですが、まずはそれぞれの恋が動き出した第7話を振り返っていきましょう。
田中さんの異次元メイクにのけぞる笙野がまたやらかしてしまう!
第7話では、自分の知らない間に進吾と小西が意気投合し、2人でサシ飲みをすると聞いた朱里が、小西に電話で「やめて」と懇願。小西は「いいじゃん、別に」といつもの調子で軽く聞き流すと、朱里は怒り心頭状態に。朱里は動揺のあまり「人が嫌だってことをわざわざするのは、DVと根っこが同じだよ」と思わず口に出し、小西を傷つけてしまいました。
その後、予定通り進吾と飲みに行くことにした小西は、朱里とケンカしたことを進吾に打ち明け、自分が昔から心に抱えていたわだかまりを告白。そんな小西に共感した進吾は、自分自身も思うところがあって会社を辞めてきたことを小西に話します。
いつも飄々としていて、人に弱みを見せない印象のある小西。例えば笙野や朱里などといても、常に聞き手に回り、人の相談を受ける側にいますが、そんな彼が進吾に少しだけ弱音を吐くシーンが新鮮でした。それを受けて進吾も小西に対して心を開きましたが、思えば人間関係ってそういうものだなと、しみじみ思いました。
また、一見まったくタイプが違うように見える小西と進吾ですが、朱里とは違って、自分の本音をあまり人に見せられない点はなんだか似ている気がします。そして2人はちゃんと朱里の良さを見抜いていたこともわかったことで、3人それぞれのキャラクターの魅力が一層くっきりと浮かび上がりました。進吾が朱里のことを「大事にしてやってください」と小西に託すシーンは胸熱でしたね。
一方の田中さんは、笙野からトルコ料理店での「オリエンタルディナーショー」に誘われ、いよいよ2人で初デートとなりました。ところが変なベクトルで頑張りすぎた田中さんは、またもや空回り。ひと目見てドン引きするような異次元の厚化粧とド派手な出で立ちで参上した田中さんを見て、笙野が例によって「うわ~~!!」と雄たけびを上げてしまいました(笑)。
とはいえ笙野も田中さんと出会い、おそらく誰よりも人としての成長を遂げてきたので、そこで逃げ出したりはしません。気を取り直して、トルコ料理店での2人は、旅や料理の話題で盛り上がり、これまたいい雰囲気に。
さて、ここまでは良かったのですが、このまま終わらないのが、実は一番“やらかしちゃうキャラ”の笙野。酒に飲まれ、挙げ句の果てに、靭帯損傷のケガまで負ってしまいます。ただそのケガは、田中さんにイチャモンをつけてきた男たちから彼女を守ろうとした“男の勲章”ってヤツでした。
これをきっかけにまた田中さんとの距離が縮まっていくようで、まさに怪我の功名です。やっぱりこの人、憎めないというか、回を追うごとに好感度が上がっていき、今やすっかり愛されキャラのポジションをキープしています(笑)
第8話では急展開!?いきなり田中さんと笙野の母親が対面!
ケガを負って不自由な生活をすることになってしまった笙野。田中さんは、四十肩の時に助けてもらったお礼にと、今度は自分が手料理を持って笙野の家を訪れます。そこになんと笙野の母・悦子(市毛良枝)が突然やって来て、田中さんを家政婦と勘違いしてしまいました。
そして田中さんの人となりを見て、すっかり彼女のことを気に入った悦子は、田中さんと歌舞伎を見に行く約束をします。ところが、息子に対しては若い女性とのお見合いを勧めている様子。
また、田中さんが慣れないメイクで笙野とのデートに出掛けたことを知った朱里は、プチプラメイクで田中さんを変身させようとすしますが、得意のモテメイクは田中さんには通用せず。リベンジを誓った朱里は、小西の協力も得て、田中さんに似合うメイクを研究することに。果たして恋の進展はあるのでしょうか?第8話もお楽しみに。
文/山崎伸子
「セクシー田中さん」毎週日曜夜10時30分 日本テレビ系列で放送中!
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/tanakasan/
見逃し配信は日テレTADA、Tverなどでご覧ください。
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