4月12日に封切られ、シリーズ最高記録の動員を更新し、現在も爆発的に大ヒット中の『名探偵コナン 紺青の拳』。ママたちにとってファミリー映画の定番である「名探偵コナン」は、魅力的なキャラクターと、よく練られたストーリーテリングで、大人にも好評を博してきましたが、今回は特にボルテージが高いです!
今年のGWは異例の10連休でしたが、『名探偵コナン 紺青の拳』の勢いは留まることなく、公開初日から連休最後の5月6日(振休・月)までの25日間で、興収は75億円を突破し、591万人を動員しました!これはシリーズ最速で、このまま行くと、最終興収91.8億円を記録した前作『名探偵コナン ゼロの執行人』の数字を超えそうな予感。通常春休み映画は、各社から目玉作品がラインナップされますが、今年はまさに粒ぞろいの映画が揃った当たり年となりました。
4月26日に封切られた『アベンジャーズ/エンドゲーム』も5月6日時点で興収40億円をマーク!また、4月19日に封切られた、『キングダム』も興収35億円、『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』も興収16億円を突破しています。いずれも映画のクオリティーはお墨付きで、まだまだ、数字を更新していきそうです。
『コナン』と『アベンジャーズ』、歴史を塗り替えた春の興行
『名探偵コナン 紺青の拳』と双璧を成すメガヒットをばく進中なのが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』です。これがまた世界的に大旋風を起こしていて、公開後わずか11日で、かつて社会現象を巻き起こした『タイタニック』(97)を超えて、全世界歴代興収ランキング2位に躍り出ました。
現在1位に君臨している『アバター』(09)は、世界興収20億ドルの壁を超えるのに47日を要しましたが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』はたった11日で20億ドルをマーク。本作が10年ぶりに、歴代1位に輝く日が来るのも時間の問題かと思われます。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は日本でも4月26日に公開され、『名探偵コナン 紺青の拳』を抜き去り、公開1週目は興行ランキング1位に!ところがなんと!次の週には、『名探偵コナン 紺青の拳』が、公開4週目にして再び首位に返り咲き、前述のとおり累計興収75億円を挙げました。でも、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の数字も本当にすごくて、ディズニー映画史上最速で30億円を突破し、わずか11日間で興収40億円を超えるという快挙を成し遂げています。
ちなみに、花火大会にたとえると、例年3尺玉が出揃う春休み映画に、今年は希少な4尺玉、いや、5尺玉クラスの大玉が2つも入っていた!という感じでしょうか。
メガヒットの要因を、東宝の宣伝プロデューサーに聞いた!
それにしても、ここまでメガヒットをした理由とは? 第17作『名探偵コナン 絶海の探偵』(13)から本作まで、合計7作に携わってきた東宝の宣伝プロデューサー、林原祥一さんにお話をうかがってみました。
「様々な要因が緻密に組み合わさっていることが大前提ですが、『名探偵コナン』という映画を観に行くことを、“2019年の春、絶対にハズせないイベント”として演出できたことが非常に大きかったと思います。さらにGWの10連休という環境も非常に追い風となりました」と、宣伝戦略と連休効果もメガヒットの一端を担ったよう。
現在6作連続で興収記録を更新中の劇場版「名探偵コナン」シリーズですが、「20作目の『名探偵コナン 純黒の悪夢』が20周年作品としてメガヒットした翌年、21作目の『名探偵コナン から紅の恋歌』がそのヒットを上回った時から、劇場版『名探偵コナン』という作品の格がさらに1つ上がった感覚はありました」と手応えも口にされています。
また、『名探偵コナン 紺青の拳』は、劇場版初となる海外・シンガポールが舞台の映画になっていますが「このシリーズ初の海外舞台という設定も相まって、この作品を観に行くことを、ファンの方々自身が自発的に“出国する”と命名し、まさに非日常な体験ができるようなムーブメントにまで成長させて下さったことは、本当にありがたいです」と、ファンの方々にも大いに感謝されているようです。
今後、どこまで数字を伸ばしていくのかも未知数ですが、まだ、観に行ってないというファミリーの方々、早速、この週末、最寄りの映画館へ出掛けて観ませんか?
原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:永岡智佳
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、山口勝平、山崎育三郎、河北麻友子…ほか
公式HP:https://www.conan-movie.jp/
もちろん、観た後に映画をじっくり振り返りたい方にも対応できる充実の一冊です! 昨年出版して大好評だった「名探偵コナンシネマガジン2018 ゼロの執行人 」の2019年度版で、ページも大量増でお送りします。
文/山崎伸子