エスワティニってどんな国?
アフリカ南部にある「エスワティニ」はどんな国なのか、特徴や観光スポットなどをこれから説明していきます。
エスワティニ基本情報
まずはエスワティニの正式な国名や首都、場所などといった基本情報を見ていきましょう。
国名
正式な国名は、「エスワティニ王国」といいます。
2018年に旧国名スワジランドから変更しました。
首都
首都は、ムババーネです。
場所
エスワティニの場所は、アフリカ南部にあります。隣接国は、南アフリカ共和国やモザンビークです。
日本との時差
日本とエスワティニとの時差は7時間で、日本のほうが7時間進んでいます。たとえば日本が午前7時だとすると、エスワティニは午前0時となります
面積
エスワティニの面積は、1.7万平方キロメートルです。これは、日本の四国よりやや小さいくらいの面積となります。
エリア
エスワティニの行政区分は、北部「ホホ地方」、中部「マンジニ地方」、南部「ルボンボ地方」、東部「シセルウェニ地方」の4つに分かれています。
人口
エスワティニの人口は、120万人(2022年:世銀)です。これは岩手県の人口と同じくらいです。
言語・公用語
エスワティニの公用語は、英語とスワティ語です。
通貨
エスワティニの通貨単位はリランゲーニ(複数形:エマランゲーニ)です。日本円にすると、1リランゲーニは7.86円です(2024年3月2日現在)。
宗教
エスワティニの人々が信仰する宗教は、伝統宗教、キリスト教です。
歴史
エスワティニの歴史は次のとおりです。
19世紀ごろ スワジ王国が誕生
1968年 イギリスの保護領から独立し、スワジランド王国となる
1982年 南ア・スワジランド不可侵条約締結
1982年 国王ソブーザ2世(1921年即位)死去
1986年 国王ムスワティ3世が即位
1995年 スワジランド労働組合(SFTU)がゼネラル・ストライキを実施
1995年 産業関係法修正によりストを禁止
1996年 SFTUがゼネラル・ストライキを敢行
1996年 国王が憲法見直し委員会(CRC)の設置を表明
2000年 SFTU主導によるゼネラル・ストライキ決行
2005年 ムスワティ3世、憲法案を承認
2006年 新憲法採択
2018年 国王ムスワティ3世により、国名を「エスワティニ王国」に変更する
天気・気候
エスワティニの気候は比較的温暖で、最高気温は一年を通じて20℃前後です。日本のように、極端に暑い時期や寒い時期がないのが特徴といえます。
エスワティニの治安・住みやすさ
エスワティニの治安や住みやすさについて解説していきましょう。
治安は安定している
エスワティニは、ほかのアフリカの国と比べると治安は安定しています。いずれの政府も、テロや一般犯罪についての強い注意喚起はしていません。
住みやすさはよい
エスワティニは教育環境の改善、水場環境の整備、必要な医療支援の実施が行われており、治安も安定しているため、住みやすいといえるでしょう。
エスワティニの見どころ・観光
エスワティニの観光スポットをご紹介しましょう。
ハレーン国立公園
エスワティニでもっとも大きな国立公園が「ハレーン国立公園」です。その広さは、2万2000ヘクタールもあります。
ここにはライオンやゾウ、キリン、シマウマなどの野生動物がたくさん生息しており、間近で見ることができるのが魅力です。また、80種類以上もの鳥類も見ることができます。
なお公園の名前の「ハレーン」は、「荒野」を意味する言葉なのだそうです。
ムカヤ動物保護区
ムカヤ動物保護区は、エスワティニ中東部にあります。ここにはライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファローの動物「ビッグ5」のうち、4種が見られる場所です。
最大の特徴は、クロサイとシロサイの両種を見られること。実はクロサイとシロサイの両種が見られるのは、世界的にも珍しいといわれています。また、クロサイとシロサイをアフリカのなかでもっとも観察しやすいのが、ムカヤ動物保護区なのだそうです。
動物以外にも見どころがあります。それは、保護区内にあるロッジです。このロッジはスワジ人の伝統的な石組みの家を模したもので、壁のないユニークな造りをしています。
エズルウィニ渓谷
「エズルウィニ渓谷」は、首都のムババネと空港のマンジーニの間にあります。ここは「バレー・オブ・ヘブン(天国の谷)」という別名があることからもわかるとおり、美しい渓谷が魅力です。また、マンテンガ滝やムルリワネ野生保護区などの風光明媚なスポットもあります。
マンテンガ文化村
マンテンガ自然保護区にある「マンテンガ文化村」は、1850年代の伝統的な生活様式を体験できるスポットです。
ここでは伝統的な衣装をまとった村の人々と交流でき、展示されている昔の家も見ることができます。村の人々が、迫力のあるダンスや歌といったパフォーマンスを披露してくれるのも見どころです。
エスワティニの特徴・有名なもの
観光スポット以外の、エスワティニで特徴的なものや有名なものを紹介していきましょう。
2018年に国名が変わった!
エスワティニの国名は、かつては「スワジランド王国」という名前で呼ばれていました。しかし、2018年4月19日に国名が「エスワティニ」に変更されました。
これは、国王のムスワティ3世が独立50周年記念式典の演説で「私はこの国の名前を元に戻す」と言ったことが発端です。「スワジランド」も「エスワティニ」も、意味は「スワジ人の場所(土地)」という意味です。これを現地語に則って「エスワティニ」に改めたのだそうです。
国旗の意味
エスワティニの国旗は、楯と矢が特徴的です。楯の白と黒は牛の皮を表していて、この国に住む黒人と白人の協調を示しているといわれています。
また、国旗に使われている青色は澄みわたる空と平和を、黄色は豊富な鉱物資源を、赤は自由のための闘争を表しています。
エスワティニのマナー
エスワティニでは、人に物をわたすときには必ず右手を使い、左手を右手の肘下に軽く添えるようにすることがマナーとされています。
また王宮や政府に関係する建物、兵士、警察などの撮影は禁止されています。エスワティニに行くことがあるなら、マナーに気をつけましょう。
エスワティニを代表する料理
エスワティニの伝統的な料理には、肉のシチューやコーンミール、焼きとうもろこし、トマトととうがらしでマリネした魚などがあります。
なかでも代表的な料理が「スラーイ」です。スラーイは、アボカドとピーナッツに、ライムの絞り汁としょうが・塩を和えたサラダのようなもの。日本で手に入る食材でも作ることができそうですね。
とうもろこしのビール
エスワティニで唯一の国産ビール「シベベビール」は、とうもろこしが原材料に使われているのが特徴です。伝統的な製法で作られており、クセのないスッキリした味わいを楽しめます。
「シベベ」という名前は、エスワティニにある世界で2番目に大きな一枚岩「シベベロック」からつけられたのだそうです。
動物や自然が魅力的なエスワティニ
エスワティニ、かつてスワジランドとして知られたこの国は、アフリカの南部に佇む、自然と野生動物の宝庫です。緑豊かな丘陵、深い渓谷、広大なサバンナと森林がこの小さな国を覆い、一年中豊かな生態系を育んでいます。
エスワティニは、象やライオン、チーターといったアフリカを象徴する野生動物や、珍しい種類の生物たちが生息しています。国内には複数の国立公園や保護区があり、自然愛好家や写真家、冒険家たちを魅了してやみません。遠いアフリカのエスワティニに、親子で思いをはせてみてください。
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文・構成/HugKum編集部