「コンゴ共和国」はどんな国? コンゴ民主共和国との違いは? 未確認生物モケーレ・ムベンベとの関係も紹介【HugKum世界紀行】

コンゴ共和国は、アフリカ大陸の中央部に位置する国。日本の約0.9倍の国土には583万人ほどの人々が暮らしていて、世界で2番目に大きいと言われる熱帯雨林を有するコンゴ盆地があります。そんなコンゴ共和国は、どんな人が、どんな暮らしを送っているのでしょうか? 現地の治安情報から、観光の見どころ、コンゴ共和国の特徴までご紹介します。(画像:Africany, CC0, via Wikimedia Commons)

基本情報

まずは、コンゴ共和国の場所や面積、人口などの基本情報をご紹介しましょう。

国名

コンゴ共和国

首都

ブラザビル

場所

コンゴ共和国があるのは、アフリカの中央部。北は中央アフリカに、南東はコンゴ民主共和国に、東は大西洋ギニア湾に、北西にはガボンとカメルーンに接しています。

日本との時差

8時間
日本のほうがコンゴ共和国より8時間進んでいます。

面積

34万2000㎢
日本の面積は約37万8000㎢ですから、コンゴ共和国の面積は日本の約0.9倍になります。

エリア

首都ブラザビルがあるブラザビル県をはじめ、全部で12の県に区分されています。

人口

583万5000人
東京都の人口は約1400万人で、兵庫県の人口が約536万人ですから、コンゴ共和国の人口は東京都の人口の約40%で、兵庫県の人口に近いと言えます。

言語・公用語

フランス語(公用語)、リンガラ語、キトゥバ語

通貨

CFAフラン
1コンゴ・フラン=約0.07円(2025年11月5日時点)

宗教

キリスト教、イスラム教

歴史

コンゴ共和国の国旗
コンゴ共和国の国旗

コンゴ共和国は、13〜15世紀頃にこの地域で栄えたコンゴ王国から、その歴史が始まります。そして19世紀後半にはフランスによる植民地となりました。しかし1960年にフランスから独立して「コンゴ共和国」ができました。

ただ、これで国名が決まったわけではありませんでした。1969年には「コンゴ人民共和国」に国名が変更となったのですが、1979年に発生したクーデターでサス・ンゲソ大統領が就任すると、1991年には再び「コンゴ共和国」に国名が変更されたのです。

その後、1997年には内戦が勃発し、1999年には停戦合意しています。

コンゴ共和国の国旗は、緑、黄色、赤の3色のストライプでデザインされていて、緑は未来への希望、黄色は誠実さや誇り、赤は熱意を象徴しています。

天気・気候

コンゴ共和国は国土の中央に赤道が走っていて、国土の大半は高温多湿の熱帯雨林気候です。世界で2番目に広いと言われる熱帯雨林が広がるコンゴ盆地では、年間2500㎜もの降水量があります。

コンゴ共和国の治安・住みやすさ

次にコンゴ共和国の治安面について見てみましょう。

首都ブラザビルの街並み。Creative Studio, CC BY 3.0 https://creativecommons.org/licenses/by/3.0, via Wikimedia Commons

治安は危険

アフリカの国々は治安が良くないというイメージがあるかもしれませんが、コンゴ共和国ではこれまでに国際的なテロ組織などの活動や、外国人を標的とする誘拐事件は確認されていません。しかし、外務省「海外安全ホームページ」によると、コンゴ共和国では一部地域をのぞき、全土で「十分注意」のレベル1が発令されています。

日中でも、人気の少ない裏通りを歩くようなことはせず、夜間の外出も行わないのが安心。貴重品や現金は持ち歩かず、ブランド品や高級品を身に着けて目立つ格好はしないように注意しましょう。さらに、タクシーでは他の客と相乗りを求められることがありますが、運転手とその相乗り客が仲間になって犯罪を行う可能性がありますから、相乗りはしないことが懸命です。

「海外安全ホームページ」では、一部の地域に「渡航中止勧告」のレベル3が発令されています。このエリアに当たるのが、プール県南部、ブエンザ県東部および中央アフリカ共和国との国境地帯です。この地域では、政府側と反政府勢力との間でたびたび衝突が起きており、現在も不安定な状況です。

住みやすさは不安

コンゴ共和国では、少しずつ、電気や上下水道、通信といったインフラの整備が進められていますが、国民の生活を向上させるためのインフラが整っているとはまだまだ言えないのが現状です。また、コンゴ共和国などのサブサハラアフリカ地域では、マラリアのリスクが高く、2020年には人口の約20%にあたる約120万人が感染しました。また、コレラ、大腸菌といった細菌やウイルスによって下痢や腹痛に見舞われる人も少なくありません。

さらに治安面でも不安が多いことを考えると、コンゴ共和国は住みやすい国とは言えないでしょう。

コンゴ共和国の見どころ・観光

コンゴ共和国には、どんな観光地や見どころがあるでしょうか?

ブラザビル・コンゴ川

コンゴ共和国を訪れるなら、首都ブラザビルをまずはチェックしたいもの。この地には、ブラザビル大聖堂、ブラザビル動物園などがあります。また近くにはコンゴ川が流れていて、その流域も見どころのひとつです。

隣国・コンゴ民主共和国との境を流れるコンゴ川。A view of Congo River from Kinshasa, Democratic Republic of the Congo (DRC).jpg

レジオ・ルナ・ゴリラ保護区

名前の通り、ゴリラを保護する「レジオ・ルナ・ゴリラ保護区」。狩猟などによって数が減ってしまったゴリラを保護しようと取り組まれているエリアです。手つかずの自然が残されていて、野生のような環境を体験できます。

絶滅危惧種のニシローランドゴリラ

テレ湖

テレ湖は、きれいな楕円形のかたちの湖。テレ湖を上空から写した写真は、周囲の緑の中にぽっかりと丸い水が見えて、とても神秘的です。神々しさも感じられるこの地域では、未確認生物が住んでいるという伝説があり、たびたび調査も行われてきました。

コンゴ共和国の特徴・有名なもの

コンゴ共和国で有名なものをいくつかご紹介しましょう。

未確認生物「モケーレ・ムベンベ」

「モケーレ・ムベンベ」とは、コンゴ共和国のほか、ガボン、カメルーン、ナイジェリアなどのアフリカ大陸で伝えられている未確認生物。アフリカの熱帯雨林の湖沼地帯に生息すると、現地では古くから語り継がれてきました。コンゴ共和国では目撃談も多く、世界では研究を行っている探検家・研究者もいます。

広大な熱帯雨林の湖沼地帯に生息しているのではないかと想像されている未確認生物。JNL, FAL, via Wikimedia Commons

コンゴ民主共和国との違い

コンゴ共和国と間違われやすいのが、コンゴ民主共和国。同じような名前がついていて、互いに隣接していますが、2つは別の国。ただ、15世紀まではコンゴ王国という一つの国でした。しかし植民地時代に、コンゴ共和国はフランスの植民地となり、コンゴ民主共和国はベルギーの植民地となり、そこからそれぞれ独立したのです。つまり、コンゴ共和国とコンゴ民主共和国という2つの国は、もとは同じ国だったけれど、植民地化された国が違うのです。

コンゴ民主共和国とコンゴ共和国は、現在では別の国

原油・天然ガスなどの資源

コンゴ共和国は、たくさんの資源を有する国です。例えば、第二の都市ポワント・ノワールには油田があり、1日の原油生産量は、このアフリカ地域では、ナイジェリアやアンゴラに次いで多くなります。さらに、天然ガスの開発も進み、鉄鉱石のような鉱物資源も豊富にあります。

アフリカのコンゴにも目を向けてみよう

「コンゴ」という名前は聞いたことがあっても、アフリカには「コンゴ共和国」と「コンゴ民主共和国」という2つの国があることや、それぞれがどんな国であるか知らない人も多いのではないでしょうか。コンゴには貴重な生態系が生息する熱帯雨林があり、私たちや地球の環境とも無縁とは言い切れません。ぜひ、この記事をきっかけに、コンゴについて学んでみてはいかがですか?

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文・構成/HugKum編集部

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