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激レア① 意外と近かった・・・
当たり前のように掲げられる「月 3km」の標識に、「そんなワケあるかい!」とツッコミを入れたくなった方はきっと少なくないはず。
この「月」というのは静岡県浜松市にある地名を指しているのです。
南北朝時代、現在「月」とされているこの辺りは落ち武者の集落でした。源氏の落武者の一族・鈴木左京之進が、仕えていた武将・楠木正成の心の清らかさが「まるで空にかかる月のようだ」と言い表したことが由来となって、「月」というロマンチックな地名が付けられたと言われます。(諸説あり)
ちなみに、夜空に浮かぶあの月までの距離は約38万kmです。
激レア② ふつうに毎日渡ってますが…?
「三途の川」と言えば、この世からあの世に行く途中にあるあの川。こちらもまた、何も知らずに目にしたら、一瞬ギョッとしてしまいそうな看板ですね。
この川は群馬県西南部・甘楽町を流れる利根川水系の一級河川。この川沿いに姥子堂(うばごどう)というお堂があり、そこでは、亡くなった人の罪の重さを測って閻魔大王に送る役目を担う老婆の鬼の像が祀られています。その布教の一貫として、伝承にちなんだ「三途川」という名前が付けられたのです。
激レア③ シンプルな謝罪がいちばん
「いいってことよ」と許してしまいたくなるシンプルな謝罪のようなこちらもまた、駅名の看板です。
「ごめん駅」は高知県南国市に位置する、四国旅客鉄道(JR四国)・土佐くろしお鉄道(TKT)のごめん・なはり線が乗り入れる駅。
駅設置当時、駅周辺が長岡郡後免町に属していたことが由来となって「ごめん駅」と名付けられました。1959年に後免町が合併し、南国市が発足しましたが、改称されることはなく今現在も「ごめん駅」とされています。
ちなみに後免町の「後免」の由来は、江戸時代に開墾する際、人を集めるために年貢等を免除したことにあるようです。
激レア④ 夢見がちなキャラなんですね
「きたいちゃん」だなんて、まるで夢見がちなキャラクターのような響きのある名前。キラキラの目で、明日への“期待”に胸を膨らませていそうですね。
こちらはよく見ると「きたい“ちゃん”」ではなく「きたいちやん(北一已)」。北海道深川市一已町に位置する、北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線の駅です。
「一已」の地名の由来は、石狩川の中にあった「鮭・鱒の産卵場」を指すアイヌ語の「イチャン(ican)」から。開拓されていた当時、この辺りは屯田兵を中心とする村で勢いがあったことから、「一にして已む」という意味を込めてこの漢字が当てられたと言われます。
激レア⑤ まあまあ落ち着いて……
「まあまあ落ち着いて……」となだめたくなるこちらの2つの看板も、やっぱり駅名看板です。
「おまえだ駅(小前田駅)」は、埼玉県深谷市小前田にある秩父鉄道秩父本線の駅。「なんじゃい駅(南蛇井駅)」は群馬県富岡市南蛇井に位置する上信電鉄上信線の駅。両者は離れた場所にあり、揉めているわけではないので安心してくださいね。
どちらも漢字で書かれるとなんとなく腑に落ちますが、駅案内やアナウンスでの「次はオマエダ」「次はナンジャイ」には、地元民でなければちょっぴり恐怖を覚えるかも…?
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文/羽吹理美 漫画とイラスト/新井淳也 構成/HugKum、キッズペディア編集部
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