【自由研究で大ピンチのファミリー必見】まだ自由研究が決まっていない!最短1日でぱぱっとできる自由研究の切り口と、参考になる本を5つご紹介!

子育てのお悩みに、絵本を使ってアプローチしていく企画「頑張り過ぎない読み聞かせ研究室」。今回は、夏休みに最後まで残ってしまう頭の痛い宿題のひとつ“自由研究”について、手軽に親子で楽しく取り組むために、「頑張り過ぎない読み聞かせ研究室」室長の筆者が参考になる絵本を紹介します。

Q.もう夏休みも半ば! 全然自由研究が進んでいません!

小学4年生と2年生の兄弟がいます。もうお兄ちゃんも高学年なので、兄弟協力して自由研究の宿題はやってもらおうと思っていましたが甘かったです。なにもやっていません!

平日、親は仕事なので週末に親子で一気にやってしまうしかありません。なにか、いい方法はありますか?!

(頭を抱えている母)

A.身近なものをテーマに選べば、一日で自由研究ができちゃいます!

「夏休みの宿題は、早くやってしまおう!」と声掛けしても、けっきょくずるずる残ってしまいがちですよね。とくに読書感想文と自由研究は、一大課題です。

「自由研究」といってもジャンルの幅が広すぎて「何からすればよいのやら??」という状態の子がほとんどですし、「研究」という言葉が漠然としていてやるべき具体的なイメージがつかみづらいですよね。

じりじりと待ってお互いにストレスをためてしまうよりは、親もちょっとだけ手助けしてあげましょう。最終的に書いてまとめるのはもちろんお子さんですし、一緒に自由研究に取り組むことで「こんなことに興味があるんだな」「このくらいの考察はできるんだな」と、子どもの現状を知ることにも役立ちます。

ですので、おすすめとしては、

〇お子さんの興味のあるものの中から、まずはテーマを一緒に絞ってみる。

〇テーマの中で、1日で一気にできる自由研究を考える。

という道筋を親子で決めてみてはいかがでしょうか?

子どもは夏休みといっても親の側は休みではありません。それに子どもの方も実験・観察などが長期にわたってしまうと集中力が続きません。できるだけ、週末に一気にできてしまう内容で考えてみましょう。

そして今回は、そんな“ぱぱっと自由研究”の参考となる児童書・絵本をご紹介いたします。絵本は読みやすく絵でイメージしやすく、自由研究のイメージづくりに持ってこいですよ!

台所にあるものをつかって、ぱぱっと自由研究!

料理は科学の結晶です! 台所にあるものを使って「なぜこんな反応が起きるのかな?」をまとめれば、科学的な方向からの研究になりますし、写真も映えて台所仕事にも興味を持ってもらえて一石二鳥。そんな自由研究の参考になるのが、この本。

『食べて楽しむ科学実験図鑑』(尾嶋好美・著 SBクリエイティブ)

料理やお菓子づくりの中の「科学的な変化」に着目し、おいしそうなお料理を作りながら、その科学的変化を解説している本書。YouTubeでおなじみのメントスコーラの仕組みなど、なぜ炭酸飲料が吹き上がるのかがわかる“しゅわしゅわフルーツポンチ”などや、ふわふわピザとカリカリピザを両方作って工程を比べてみるなど、楽しくおいしく手軽にできるお料理実験の数々が参考になります。

スーパーマーケットで、ぱぱっと自由研究

毎日のお買い物というと、よく行くのが「スーパーマーケット」。いつも通りお買い物に行くだけで、自由研究に活用することもできますよ。

『どこからきたの? おべんとう』(鈴木まもる 金の星社)

おいしそうなお弁当の姿から、そこに入っているおかずやおにぎりはいったいどこからやってきたのか、日本の食べ物の流通や加工の状況がよくわかる絵本です。

「お弁当」という身近な食べものの食材はどこから運ばれ、どのように加工されているのか、パッケージの裏側を見て原産地や加工方法を調べていけば、日本の食事情について学ぶことができ自由研究になりますよ。

身近な生き物で、ぱぱっと自由研究

おうちでペットを飼っていたり、近くに動物がいたりする環境であれば、動物の生態を観察するのもおもしろいですよ。

『ノラネコの研究』(伊沢雅子・文 福音館書店)」

 とあるノラネコ1匹をターゲットに、そのノラネコがどのような生活をしているか、ひたすら追跡して調査している絵本です。ノラネコは身近な存在ですが、その昼の姿・夜の姿を観察していくことで、「ネコはどのように暮らしていくのが良いのか」と考えていくことができる内容となっています。

この絵本はノラネコを観察していますが、おうちのペットの1日をじっくり観察してもよいですし、1日がかりにはなりますが、動物園や水族館で好きな生き物の食事時間や回数、休息方法などをじっくり観察してみるのもおすすめです。

身近な場所を定点観察! 自由研究

観察の自由研究として、今住んでいる町をテーマにしてみるのはいかがでしょうか? その参考になるのがこの絵本です。

『やとのいえ』(八尾慶次・作 偕成社)

「やと」とは、底の平らな浅い谷のことをいいます。この絵本の舞台は、東京と神奈川の西方にある多摩丘陵、現在の多摩ニュータウン地域です。そんな“やと”にある一軒の家とその周りを歴史を通じて定点観察していく絵本です。明治半ばの1892年の絵では、まだ電気が通っておらず田畑の仕事も人力ですべてを行っていますが、昭和に入ると自動車や機械も登場し人々の行き来が活発になっていきます。そして昭和40年台になると、ついに多摩ニュータウンの開発が始まり、地形ごとダイナミックに変わっていくさまが分かります。

その土地の歴史は、図書館に行くと必ず「地誌」のような形で各年代の参考資料がありますので、図書館学習にも役立ちますよ。

身近な人にインタビューで、ぱぱっと自由研究

子どもにとって、パパママの仕事内容・仕事スタイルは、意外とわかっていないものです。お仕事内容をインタビューしてまとめても、立派な自由研究になりますよ。

『よるのあいだに… みんなをささえるはたらく人たち』(ポリー・フェイバー・文 BL出版)

この絵本は、夜の間に働く人々の仕事内容を伝えてくれる絵本です。夜の間にビルの清掃をしたり町の安全を守る警察官、24時間営業のお店や工事の人々など、寝ている間に働いている人たちが、私たちの生活を支えていることを伝えてくれます。

パパママ以外にも、身の回りの面白い仕事をしている人にインタビューをしてもよいと思います。「働くということ」を、自由研究を通じて考えることで子どもたちのキャリア教育にもつながります。

自由研究は、夏の思い出にもぴったり

「自由研究」、夏休みの宿題で一番最後まで残りますよね。最近では必ずしもやらなければいけない宿題ではないところも多いようですが、せっかくですので親子で取り組んでみてはいかがでしょうか?

子どもの意外な面が見えたり親の得意なことを披露するチャンスにも。夏の一つの思い出にもなり、やりがいのある宿題です。

パパママにとっては忙しい時期かとは思いますが、上記の“ぱぱっと自由研究”の本を参考にしながら、夏休みのお出かけなどとも組み合わせて、ぜひ楽しく自由研究にチャレンジしてみてくださいね。

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徳永真紀/「頑張り過ぎない読み聞かせ研究室」室長
フリーランスの児童書編集者。児童書制作グループ「らいおん」の一員として“らいおんbooks”という絵本レーベルの活動も行っている。7歳と5歳の男児を相手に「読み聞かせとは何ぞや」を問う日々。最近は幼稚園・小学校でも読み聞かせおばちゃんとして活動中。絵本ナビスタイルにて「絵本で伸ばそう!これからの子どもに求められる力」を連載中。

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