雲を見たら天気がわかる⁉ 雲の特徴を身近な材料を使ってわかりやすく表現【自由研究コンクール入賞】兵庫県の小学2年生・安積和花さん

「小学館の図鑑NEO」と「HugKum」が昨年開催した「小学生の図鑑・自由研究コンクール」で、【審査員特別賞】を受賞したのは兵庫県の小学2年生・安積和花さんの自由研究「雲と天気」。雲の種類をもとに自分の天気の予想と比較・調査し、記録にまとめました。また、レポートと一緒に出された雲の工作は、実際の雲の形や高さがわかりやすく表現されています。雲や天気に興味を持った理由や、工作で工夫した点などを中心に、和花さんとお母さんにインタビューしました。

工作とレポートでわかりやすく雲の特徴を表現した自由研究

――「雲と天気」をテーマに選んだ理由を教えてください。

和花さん:空を見上げたら、雲がふわふわしたひつじのように見えたからです。学校でも「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」「カエルが鳴くと雨が降る」「梅雨に入るとピアノやタンバリンの音が変わる」ということを教えてもらって、天気に興味を持ちました。

――この自由研究で工夫したところはどこですか?

和花さん:10種類の雲の説明の部分です。図鑑や本を見ながら、親しみのある言葉で表現しました。わかりやすいように、実際に雲の写真を撮ってまとめました。

図鑑を見ながら自分なりの言葉でまとめた10種類の雲
雲の一部が虹色に見える「彩雲」を撮影

――「ひつじのむれのよう」「わたがしのよう」などとわかりやすく書かれていますね。そして、一緒に提出された工作も、雲の細かなニュアンスまで上手に表現されています。

和花さん:夏にたくさんそうめんを食べていたので、そうめんが入っていた木箱を使って作りました。雲は綿を使って、のりを薄く伸ばして貼り付けました。雲をいろいろな形にするのが大変でした。水色の折り紙とプリントアウトした富士山の写真で景色を作りました。

さまざまな雲を綿で表現した工作

――和花さんが好きな雲はありますか?

和花さん:「うす雲」が好きです。太陽や月の周りに、かさや「ハロ」と呼ばれる光の輪を作るのがきれいです。まぶしいときはサングラスをかけて空を観察しました。

――「雲と天気のきろく」では、雲の種類と天気が記録されています。雲の様子から天気が予想できるのは面白いですね。

和花さん:天気予報を見たときに、「今日はよく晴れているのに、なんで明日は雨の予報なのだろう?」と不思議に思ったので、雲の特徴と天気の変化を調べることにしました。

今でも学校へ行くとき、傘を持っていくか迷ったら雲を見ています。天気予報では「くもり」と言っていても、雲を見て雨が降りそうだなと思っていたら、本当に雨が降ることもあります。

雲の種類と実際の天気を並べて比較

今興味があるのは、いろいろな国のこと。国にまつわるクイズを作るのが楽しい!

――今、和花さんはどんなことに興味を持っていますか?

和花さん:世界のいろいろな国のことに興味を持っています。国語の『スーホの白い馬』の授業で、モンゴルの文化や馬頭琴の紹介のために、ゲストティーチャーとしてモンゴルの人が来て、お話をしてくれたのがきっかけです。

地図を見たり、国旗の絵を描いたり、歴史や食べ物について調べたりして、クイズを作るのが楽しいです。今はドイツの料理が気になって調べているところです。

――学校ではどんなことが好きですか?

和花さん:一輪車に乗るのが楽しいです。3年生になってから練習を始めて、乗れるようになりました。学校でみんな乗っています。

HugKumの自由研究カードも活躍! 親子で雲の写真を撮影

――普段の和花さんは、どんなお子さんですか?

和花さんのお母さん:刺繍や絵など細かな作業が得意で、何時間も集中して取り組んでいますね。今回の自由研究のテーマにした「雲」にも小さな頃から興味があったのか、ドライブに行ったときなどに空を見て「入道雲が出ているね」とか「雲がうさぎに見えるね」と話すことがよくありました。

3歳、花飾りを作っているところ

――今回の自由研究はどのようにサポートされましたか?

和花さんのお母さん:まずは木箱を使った雲の工作を一緒に作りました。そうすることで、イメージが湧いて雲の高さを意識して観察ができるようになったと思います。

雲について図鑑で調べる様子

図書館へ行って、雲と天気に関するワードを検索し、たくさんの本や資料を一緒に読みましたね。あとはウェザーニュースを見て、雲の種類と娘の予想と実際の天気を比べました。雲の種類をどうやってまとめようかとインターネットで調べたところ、HugKumの記事に「自由研究シート」というのがあったので、こちらを使いました

図鑑NEO監修「自由研究シート」が無料ダウンロードできる!これさえあればまとめ方バッチリ
自由研究をうまくまとめる方法は? 博物館や美術館、動物園や水族館に行って、観察し、図鑑を使って調べ学習される方も多いと思います。まとめ...

――HugKumの自由研究シートを活用していただいたのですね! 写真と組み合わせてわかりやすくまとめていますね。

和花さんのお母さん:このカードを使ったので、雲の種類ごとにスムーズに書けたようです。写真は、山と海に囲まれた神戸の街の空をあちこちまわって撮りました。

公園で雲の撮影をする様子

和花さんのお母さん:ショッピングモールの屋上や近くの公園に行ったり、見えやすい場所を子どもと一緒に探して車や電車で追いかけるように空を観察しました。ショッピングモールの屋上はさえぎるものがなく、空をきれいに撮影できるということにも気づきました。

子どもの「なぜ?」をきっかけに一緒に楽しむことを大切に

――子育てにおいて大切にしていることはありますか?

明石海峡大橋にて。雲は何からどのようにできるのか? 天気はどうして変わるのか? 図鑑で知ったことを体感する様子

和花さんのお母さん:子どもがやってみようと思った瞬間に動き始めるように意識しています。私自身も子どもに「これはなんで?」のような質問をされてハッとすることがよくあるので、一緒に調べて作り上げることを楽しんでいます

――お子さんの好きなことを一緒に楽しまれているんですね。

和花さんのお母さん:先ほど娘も言っていましたが、今いろいろな国に興味があるようなので、先日、大阪・関西万博に行ってきました。

大阪・関西万博のクロアチア館。温度の異なるチューブを組み合わせて気候を再現する仕組みが面白かったそう

和花さん:いろいろなパビリオンを見ました。とくに、クロアチアのパビリオンが楽しかったです。暑かったり、寒かったり、クロアチアのいろいろな気候を実際に体験することができました。あとは、セルビアのミートパイもおいしかったです!

和花さんのお母さん:万博は会場も近いですし、期間中にまた行きたいです。

子どもの「なぜ?」をきっかけに、親子で楽しむ経験を大切に

「今の素直さを大切に、さまざまな経験を積み重ねて、自信をつけて成長してほしい」と話す和花さんのお母さん。自由研究を始めた頃に、「明日天気にな~れ!」と靴飛ばしをしたことも思い出に残っているそう。

お子さんの好きなことを温かい目で見守り、サポートされている様子がエピソードの端々から感じられたインタビューでした。

自由研究コンクール結果発表はこちら

応募数3653件の中から受賞者が決定『小学生の図鑑・自由研究コンクール』 おもしろい着眼点やハイレベルな完成度の力作ぞろい!
最優秀賞 最優秀賞は応募部門3つ(自由研究、図鑑、自学ノート)より、それぞれ1作品が受賞しました。 【自由研究部門】「こんにち...

ほかの受賞作品もチェック

家族とともにオニヤンマ採集に奔走した自由研究が受賞! 両親の子育て方針は「親も一緒に楽しむこと」【岐阜県 小学1年生 大城湊太さん】
岐阜県内を家族で回って念願のオニヤンマを採集! 丁寧な作業で標本にも 【自由研究部門】「トンボノート2024~オニヤンマをさ...
究極のごっこ遊びで自由研究コンクール受賞!小4の大塚善示さんが「喫茶店シュミレーション」で学んだ働くことと資本主義の課題とは
夏休みに家で挑戦!喫茶店シミュレーション 大塚善示さんの自由研究「喫茶店シミュレーション」は、家庭内で実際に喫茶店を経営してみるとい...
小1とは思えない完成度!【自由研究コンクール】東京都 柊優さんは標本図鑑でオスとメスを徹底比較「将来は科学者になりたい」
細部まで完成度の高い図鑑 柊優さんの自由研究は、生き物のオスとメスの違いを図鑑にまとめた「オスメス図鑑」。生き物を捕ったり飼育したりす...
〝日本初の古代ザメ図鑑〟執筆者は小学2年生!?【自由研究コンクール図鑑NEO賞】東京都の小2 小森園陽生さんの作品は〝書店に並ぶ日も近い〟と審査員も感激のクオリティ
英語の論文から情報収集した本格的な「古代ザメ図鑑」 小学館の図鑑NEO賞を受賞した小森園陽生さんの自由研究のテーマは「ファルカトゥス...
セミのぬけがらが大好きだからとことん調べた!【自由研究コンクール入賞】愛知県の小2 深谷南仁さん「セミのぬけがらしらべ」図鑑NEOシリーズ編集長も驚きの着眼点!
セミのぬけがらが大好き!種類や個数を詳しく調査 見事【小学館の図鑑NEO賞】を受賞した、深谷南仁さんの作品。 小学館の図鑑NEO賞...
大好きなお母さんの研究で自由研究コンクール最優秀賞!高知県の小学6年生岩崎拓真さんの愛に溢れた自学ノートは、全てのお母さんに見て欲しい作品!
テーマは最も身近な存在「お母さん」。あふれる愛情を恥ずかしがらず素直に表現 岩崎拓真さんとお母さん。  小学6年生の岩崎拓真さんが...
【自由研究コンクール最優秀賞】神奈川県の3年生永瀬可純さん「フィールドサインは宝探しみたいで楽しい!」家族旅行の行先も動物の生息地へ
実は身近なところにもある野生動物の痕跡「フィールドサイン」をテーマに 永瀬可純さんの作品は、「わたしが見つけた野生動物のフィ...
【自由研究コンクール最優秀賞】滋賀県の小1髙橋 凜さん「お母さんのお腹に宿った赤ちゃんを研究したい!」3姉妹の末っ子を見守った作品が家族の一生の宝物に
夏休みに生まれた妹を自由研究のテーマに 髙橋凜さんの作品タイトルは「こんにちは赤ちゃん~いもうとのたんじょうみっちゃ...

取材・文/平丸真梨子

自由研究 大特集

編集部おすすめ

関連記事