【シングルマザーの中学受験 |全寮制中高一貫校までの道のり】母親の苦悩は子に伝わらない… 一番下のクラスに居心地のよさを感じ始める息子。

勉強しないこども

シングルマザーと息子の中学受験奮闘実録、4回目。浮上しない成績に、学校の問題…。母親は頭を抱えるも、子どもはどこ吹く風といった感じで、一番下のクラスに馴染んでしまった様子…。母親の心配は膨らんでいきます。

【前回までの流れ】
● 考えもしていなかった中学受験。友達の影響で「塾に行きたい」と言いだす息子
● 学校見学へ行くも、行きたい学校は決まらないまま、成績も上がらない
● 小学校で事件が発生。息子は10日ほど登校拒否に…

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母親の苦悩をよそに、一番下のクラスにどっぷり染まった息子…

短期間であったとはいえ、我が子が不登校になったことは、私にとって、かなりのショックでした。

仕事への影響も決して小さくはなく、関係者へは随分と迷惑をかけてしまいました。もしも引きこもりになっていたら、仕事との両立はさらに難しくなっていただろうし、そうなるとシングルマザーとしては親子の生活自体が成り立たなくなってしまうという不安も・・・。

登校拒否

あの事件以来、私の一大関心事は「登校拒否」「引きこもり」「イジメ問題」「子どもの自殺」といった子育てに関する社会問題へと向かいました。教育現場で起こるさまざまな事件を扱ったニュースにも敏感になり、教育問題を扱った特番があれば必ず見るように…。公的機関から発表される様々な統計情報にも、自然と目を通すようになりました。

心配する母親をよそに、息子は何事もなかったかのように小学校へ通っていました。一方、塾のことといえば、一番下のクラスにいることにすっかり馴染んでしまった様子。「住めば都」とばかりに、まるで水を得た魚のように塾通いをしていました。そんな姿を見て、私もガミガミ口うるさく言うことに疲れを感じ始めていました。

時折、腹立ちまぎれに「塾の宿題は、きちんとやっているんでしょうね?」と聞くと「うん、やってるよ!」とこたえる息子をにらみつけながら(どうせ、やってなんかいないわ、この子)と心の中では腹立たしく思っていました。案の定、塾からは連絡が入り「お母さん、塾の宿題はきちんと家でやらせてください。塾に来るだけでは、決して成績は上がりませんからね」と私が説教される始末。

そんなことを言われてしまうと、頭に血がのぼってしまって、電話が終わるや否や「これじゃ、誰の何のための塾なんだかわかりゃしないわ!」と、息子を叱りつけます。さすがに、息子も神妙にうつむき涙を流し反省している様子…。その時だけは。

そんな光景は、受験が終わるまで何度も、何度も、何度も、繰り返されることになりました。

宿題しない息子

いい加減腹が立ってきて、「あなたは演技するのが上手ね! 反省してるフリをするのはやめなさい!」とヒステリックに、甲高い声で怒鳴りつけることもしばしばでした。もうこうなってしまうと、負の連鎖。何一ついいことはありません。家の中は、いつもどんよりとした空気が漂うようになりました。

子どもは言うことを聞いてくれないし、思い通りにもならない。おまけに、仕事もうまく行かない。一種ノイローゼのようになり、「ああ、もう嫌だ!」と一人大声を出すことも…。「何もかも投げ出したい!」と言いたくなるのを、ぐっと飲み込みました。

母親としての苦悩を抱えながらも「一体全体、息子はこれから、どうなるんだろう…」と、私の心配はますます大きくなるばかりでした。

学校の担任の先生までもが「登校拒否」に

事件後、息子が再び学校に通い始めてから、しばらく経ったころでしょうか。息子が「M先生、今日も来なかったよ」と言うのです。「えっ? 今日もってどういうこと?」と話を聞くと、担任のM先生は来たり来なかったりしているうちに、ついに来なくなったそうです。

そのとき、LINEの通知音がしたので見てみると、ママ友からでした。

「M先生、父兄と揉めているらしいよ。知ってた?」とのこと…。「え、どういうこと?」とメッセージを返すと、すぐに電話がかかって来ました。情報通のママ友の話によると、息子が関わった問題がその後も尾を引いているそうで、女の子の保護者から四六時中連絡が入っていたとのこと。「席替えをしろ」とか「クラスを替えてくれ」とか、無理難題な要求もされたいたそうです。

本当か嘘かはともかくとして、M先生のことがお気の毒に思われました。

LINEの通知

文部省の調査によると、休職する教員の数は、6500人以上に上るとか(2022年度調査より)。思い返してみれば、息子が小学1年生の時も担任の先生が出て来なくなりました。父兄からは見えない学校という職場の複雑さが垣間見えるようでした。これも、今の教育が抱えるリスクの一つなのかもしれません。

それにしても、私という母親は仕事が忙しいことを理由に、学校のことやら、息子のことに無関心であったことを実感し、つくづく反省をいたしました。

子どもに対する不満や憤り、諸々の悩みすべては「子どものせいだ」と思っていた節がありますが、よくよく考えてみれば、自分自身に大きな問題があるのではないかと気づき始めていたのです。

今回の学びと葛藤《まとめ》

●母親の苦悩は、子どもには伝わらない

● 塾に行くだけでは、当然成績は上がらない。宿題をやったかどうかの親のチェックは必要

● 教員が休職するのは珍しいことではない

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執筆/清宮ゆう子

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